- 研究課題コード
- 2125AA128
- 開始/終了年度
- 2021~2025年
- キーワード(日本語)
- 世代間衡平性,気候正義,持続可能性指標,フューチャーデザイン,意識変容
- キーワード(英語)
- intergenerational equity,climate justice,sustainability indicator,future design,perceptional change
研究概要
持続社会が組み込まれたポストSDGsに向け、規範的視座のリフレ−ミング、指標開発、意識変容の調査・実験、制度調査を行い、将来世代考慮を確保する社会レジームの要素を、社会の状態をモニタリングする手法とともに提示する。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:
全体計画
世代間衡平性および関連する規範の概念整理を行い、脱炭素社会の実現や環境問題の具体事例に適用しつつ、これら規範の再検討とリフレーミングを行う。環境倫理学や厚生経済学など関連分野における知見も取り込みながら、負の資産、地球規模での制約や強い持続可能性、世代間衡平性等を考慮して、ポストSDGsや包括的富をはじめとする持続可能性指標の再検討を行う。また、世代間の意見/価値観のギャップとその要因や世代的な立場を交換した際の認識等の調査から、世代間の考え方の違いと共通点ならびに立場転換の可能性を理解し、世代間の意見の違いを尊重しつつ意思決定するための手続きや既存の手続き等における考慮事項を検討する。
これらの検討から、「将来世代と現代世代のウェルビーイングをどのように確保し、そのための負担をどのように分担するか」「異なる規範はどのように調整あるいは提示されると、社会意思決定において理解・参照されやすいか」「将来世代を考慮する国内外の制度はどのように運用され、どのような効果や課題を生じさせているか」「人々は将来世代を考慮することについてどのような認識をもっており、どのような条件が満たされると将来世代の考慮を推進する傾向が強まるか」という4つの問いに答える研究成果を得る。
今年度の研究概要
サブ1では、世代間衡平性および関連する規範の文献レビューと概念整理を継続して行いつつ、脱炭素社会の実現にむけた規範的議論や技術評価、排出ルール等の具体事例に適用する。負の資産、地球規模での制約、世代間衡平性等を考慮した持続可能性指標と割引率の検討を継続する。
サブ2では、国内外の将来世代考慮の制度等の事例調査を継続するとともに、制度設計の選択肢と制度がもたらしうる効果と限界を理論的に把握する。この際、デジタルプラットフォームの活用など、新たな方法論の検討も射程に入れる。さらに、前年度の調査結果をもとに、世代間ゲーム等の詳細分析と追加の意識調査を行う。
外部との連携
一橋大、高知工科大、北海道大、大阪大、オスロ大学、クイーンズ大学などと連携して実施