韓国版「ベルサイユのばら」感想 | 宝塚観劇ブログ〜SS席S席A席B席〜

韓国版「ベルサイユのばら」感想

韓国ベルばら 舞台・ミュージカル

先日、台風が迫りくる韓国ソウルで『ベルサイユのばら』観てきました。

海外輸出を視野に入れ、17億円という破格の予算をかけて制作されただけあって、衣装もセットも映像も超豪華!

そしてこれでもかと歌い上げる、歌、歌、歌!に圧倒されました。

観るまでは将来的に宝塚でやるかな~なんて思っていましたが、望海風斗と礼真琴級の歌手が15人くらいはいる。こりゃあ大変だ!

韓国版「ベルサイユのばら」感想

韓国版はトリプルキャスト。私が観劇した回はタカラジェンヌ&OGにも人気のオク・ジュヒョン氏(オスカル)でした。

オスカル/オク・ジュヒョン
アンドレ/コ・ウンソン
ベルナール/ソ・ヨンテク
ポリニャック/ソ・ジヨン
ロザリー/チャン・ヘリン
ジェローデル/ソン・ジェリム

宝塚版と韓国版の違い

『ベルサイユのばら』といえば夢々しい恋愛シーンを思い浮かべますが、韓国版は恋愛要素少なめ。王宮の権力争いと革命にフォーカスされていました。

ということで『今宵一夜』もありませんし、ペガサスも出てきません。なんならマリー・アントワネットやフェルゼンもいたかしら?という脇役レベルです。

舞台はオスカルが「オギャーッ」と産声をあげたところからスタートして、オスカルの名前の由来や、男の子として育てられるいきさつ、剣の稽古に励み、さらには近衛隊の任命式まで駆け足で進みます。

韓国版のなにが良いって、とにかくオスカルの解釈が大正解!

すぐにカッとなるし、やけ酒飲んでグチを言うし、鼻っ柱が強くて問題ばかり起こして…だけど正義感がつよくて弱いものにはとことん優しい。                      

そんなオスカルは人間としてとても魅力的。飾らない人柄にアンドレやジェローデルが惹かれるのも納得です。

少女漫画でありながら、オスカルが仲間とともに試練を乗り越えて成長していく少年漫画味を濃くしたことも高評価につながったのかも。

そして望海さんが両バージョンの違いをみごとに表現されていましたが、

宝塚→漫画のキャラクターが現実世界に蘇る
韓国→漫画のキャラクターが人間になった


まさにこれ!!

男性が入っているということもありますが、所作が作り込まれておらずリアルなんです。

男性が演じる世界初のアンドレ

オスカルの恋愛は描かれていないものの、アンドレの恋心は韓国ドラマ並にロマンティックに表現されています。

満点の星の下、酔っ払ったオスカルをお姫様だっこして家まで歩いて帰るアンドレがカッコよすぎて、このシーン見たさにもう一度韓国行きたい。笑

しかもだっこしながら大ナンバーを歌いあげるってアンドレの体力どうなってるの?当初『男性が演じる世界初のアンドレ』という触れ込みに笑ってしまいましたが、なるほど、女性では無理な演出ですね。

たった1発の銃弾に倒れたアンドレがオスカルの腕の中で息を引き取る演出が神。まさかベルばらでこんなに泣くとは。周囲からもすすり泣きが聞こえてきました。

オスカルを巡ってアンドレとロザリーが互いをライバル視するようなクスッと笑えるシーンがあったり、ロザリーの出生の秘密、ポリニャックの陰謀、シャルロットの◯殺など、かなり深刻なシーンもあってメリハリが効いてて飽きません。

【余談】開演前や幕間にトイレ行列ができるのは日本だけ?ガラ空きでした。忠武アートセンターは明洞から近くて交通の便良し。1階席は前席と段差がしっかりあって観やすかったです。2階席は舞台から遠いので1階後列と2階前列を迷っているなら1階後列がオススメ。

カテコでジェローデル役のソン・ジェリム氏の拍手がひときわ大きかったけれど人気の俳優さんなのかな?オスカルにこっぴどく振られて気の毒でしたが彼女の良き理解者として器の大きさを見せていてキュンってなりました。

宝塚版と同様、アンドレやジェローデルを演じた役者はファンが増えそう。

革命が軸になっているのでベルナール(黒騎士)の出番も多くて、アンドレの目を傷つけてしまうシーンやロザリーと恋仲になるいきさつも再現されていて分かりやすい。

それにしても韓国のミュージカル俳優ってみんな声量おばけ。

前の人よりも歌い上げなきゃいけないルールでもあるの?笑。コーラスも出し惜しみしないスタイル好きだな~。魂が震える歌とはこのことです。

いつの日か

とまぁ語りだすと止まりませんのでこのくらいに。

われわれがよく知る夢々しい『ベルサイユのばら』が、想像以上に無骨な作品になっていて驚いたけれど、

韓国スタッフの原作へのリスペクト、キャストたちの並々ならぬ情熱が伝わってきて大感動。

ベルばらが海外の観客に受け入れられているのが嬉しかったですね。

この素晴らしいミュージカルがいつか日本で上演されることを願っています。

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