大気圏を巡航飛行する乗り物として現在もその記録が破られていない米空軍の超音速偵察機SR-71。これに関して風洞試験レベルの試作段階でコックピット付近にカナードがあるモデルが作られていたそうです。
While it's hard to imagine Lockheed Skunk Works' A-12 Oxcart — which would eventually evolve into the SR-71 Blackbird — looking any more sinister than it already does, during the type's development, a configuration included a pair of huge canard foreplanes that appeared absolutely demonic-looking.米空軍とNASAが1990年代まで運用していたのはLockheed社が1964年に初飛行させた後の超音速偵察機です。その巡航速度はマッハ3.2と現在も世界最速の有人機で、これが一般的な旅客機よりも2倍高い高度25km付近を飛行します。
The Drive
この尖った性能から軍事に興味のある人であれば知らない人はいない有名機なのですが、実はこの機体、改良まえにA-12と呼ばれていたモデルを試験している段階で、現在は見られいない巨大なカナードを機首に搭載していたそうです。
こちらがNASAが公開している画像です。右がSR-71(A-12)、そして左がカナードをつけた機体です。これは小型モデルを風洞にいれ飛行特性などを調査しているものですが、開発時点で左のようなカナードを付けたタイプも開発されていたことが伺えます。
カナードは一般的に補助翼的な扱いで、機体の運動性能を高めたり安定性を高めるという目的で搭載されるのですが、Lockheed社としてはこの機体のピッチの安定性に懸念を抱いていたこともうかがえるものになっています。
その後、右のような外翼への円錐キャンバーを増加することで私達がよく知る機体となりこの問題を解決したことになるのですが、それでもサイズはカナードの比ではなくかなり複雑な設計がされている可能性があります。
SR-71に関しては飛行速度が最大の『武器』となるのですが、このカナードを無くすことで機体の飛行速度の増加、そして超音速飛行からくる熱の問題の双方を解決することができたものと思われます、