Microsoft が主催する Microsoft Ignite 2024 のキーノート をオンラインで聴講したのでそのレポートになります。
イベント概要
開催日 : 2024 年 11 月 18 日 ~ 2024 年 11 月 22 日 開催場所:アメリカ イリノイ州 シカゴ
Microsoft Ignite は Microsoft が主催する開発者、IT プロフェッショナル、パートナーを対象とした年次カンファレンスであり、最新のサービスや技術動向などが発信されます。
キーノートを始めオンラインで聴講できるセッションもあり、今回はキーノートで語られた内容と新サービスをピックアップしてご紹介します。
Igniteで発表された主要な情報は、以下の Microsoft Ignite Book of News でも確認することができます。
キーノート
Satya Nadella Chairman and Chief Executive Officer
Charlie Bell EVP, Microsoft Security
Scott Guthrie EVP, Cloud+AI
Rajesh Jha EVP Experiences + Devices
これまでの振り返り
スケーリング則
Copilotのブレイクスルーにおける3つのポイント
- ①マルチモデルである新しいユニバーサルインターフェース
- 入出力の両方で、音声、画像、動画をサポート
- ②新しい推論機能
- 複雑な問題を解くニューラルネットであり、人、場所、者など様々なパターンを検出し、それらの関係を見つけられる
- ③長期記憶による豊富なコンテキスト
- ①マルチモデルである新しいユニバーサルインターフェース
セキュリティの取り組み
- 設計時のセキュリティ、運用時のセキュリティも大事だが、最も重要なのは継続的な改善
- 顧客と協力してセキュリティに取り組む必要がある
- セキュリティはある意味スポーツのようなものである
- コミュニティと幅広く連携することが大事
- Zero Day Quest を発表
- クラウドと AI のセキュリティ保護に重点を置いた、400 万ドルの賞金が用意された新しいハッキングイベント
CopilotのAIとUI
- ClopilotのAIとUIは急速に進化し、手軽にタスクを自動化できる
- Copilot Actions
- Microsoft 365 エコシステム全体でユーザーが日常の反復タスクを自動化できる
- Copilot Agents
- チームのコンテキスト内で使用して、特定の役割やタスクを支援する
- Word, Excel, PowerPoint, Outlookなどの製品と統合されあらゆるタスクを支援する
- Copilot Studio
- ユーザーが独自の Copilot Agents を簡単に作成できる
- Copilotがビジネス促進に貢献しているか計測も必要
- Copilot Analytics
- Copilot の使用による ROI とビジネス成果への影響を測定するツール
Copilotを活用している企業の事例
- Adobe、LinkedIn、SAP、ServiceNow、workday、さらには COVID Here などの企業で独自のエージェントとコネクタを構築している
- 先の企業はAI ファーストのエージェントを構築しており、Copilot にも統合されている
デバイスの進化
都市計画や災害対応
- Earth Copilotにより、シカゴの大気質が長年にわたってどのように変化したかを確認できる
- トヨタは、車をより速く走らせる方法から、排出量に関する具体的なことまでAIエージェントを活用して分析している
- Microsoftは 6 大陸の 15 か国にデータ センターへの投資を行っており、現在は 60 を超えるデータ センターがあり、これは他のどのプロバイダーよりも多い
- データ センターを持続可能な方法で構築するための革新を行っている
- 炭素排出量を削減するために、完全に低炭素クロス ラミネート ティンバーで構築された北バージニア州のデータ センター 2 つを発表
- この新しい建設モデルにより、従来の鉄骨構造に比べてデータセンターの二酸化炭素排出量が 35% 削減
- クラウドをエッジに拡張していく
- Azure Local
基盤セキュリティ
データ処理
- プラットフォームの中核は、昨年の Ignite で発表した Microsoft Fabric である
- SQL Server を Microsoft Fabric データベースにネイティブに導入できるように
- Fabric Databases
- バッチ データ、リアルタイム、さらには大規模なトランザクション パフォーマンスなど、すべてのユース ケースに対応するエンタープライズ データ プラットフォームを 1 つの統合製品で利用できる
- OLTP アプリケーション用にデフォルトでセキュリティ保護されたデータベースを数秒で自律的にプロビジョニングできると同時に、Fabric 内で分析ワークロードへの接続も作成できる
- 運用ワークロードと分析ワークロードの両方を SaaS サービスのように利用でる
- VS Code や GitHub などの開発者ツールと統合されているため、統合されたデータ資産を活用してアプリケーションを構築できる
- これにより、すべてのデータ、運用データ、分析データに AI を適用できる統合データ プラットフォームが作成できる
AIアプリケーション
CopilotとMicrosoft 365の統合
- Copilot をリリースしたとき、数億人が毎日使用するアプリケーション、Word、Excel、PowerPoint、Applicant Teams に統合し、仕事の流れの中で強力な AI を利用できるようにした
- OneNote からストリーム、フォームから OneDrive など、アプリやサービス全体で Copilot の統合を継続している
- 今後数か月以内に Copilot を Microsoft 365 アプリケーションに深く統合し、Microsoft 365 アプリケーション アイコンを新しい Microsoft 365 Copilot アイコンに変更する
- Copilot とエージェントを使って、AI と連携することで個人の生産性を変革
- Dynamics 365 などのコアビジネスアプリケーション全体にエージェントを拡張していく
Windows 11 の機能、セキュリティ、および AI 機能
GitHubCopilotとCopilot Studio
- 昨年の Ignite でリリースした Copilot Studio は、現在 10 万を超える組織で AI ソリューションの構築に使用されている
- Visual Studio ファミリーと製品は、現在世界で最も広く使用されている開発者ツールであり、4,000 万人を超えるアクティブな開発者がいる
- GitHub は現在 1 億人以上の開発者に使用されている
- Copilot Studio を使用すると、特定のビジネス ニーズに合わせてカスタマイズされたエージェントを 1 か所で構築できる
- ユーザー ライセンスを購入せずに、Copilot studio を使用できるようになり、オプションで従量課金制が選べる
- 開発者は、リアルタイムのコード提案とソリューションを通じて Copilot を使用することで、コードを 55% 以上高速に記述できるようになった
- 開発者の 85% がコードの品質に自信を持つようになり
- 開発者の 75% が仕事に充実感を感じ、より意義のあるタスクに集中できるようになった
- 現在、70,000 を超える組織が GitHub Copilot を使用して、従業員の生産性と開発者エクスペリエンスを大幅に向上させている
Windows Server 2025
- これまでで最も簡単にアップグレードできる、最も安全で最高品質
- Windows ターミナルや Winget などの生産性を高めるツールを備えたモダンな外観と操作性を提供
AI 変革とセキュリティ変革
- AI の最も重要なユースケースの 1 つはサイバー脅威から世界を守ること
- 顧客はサイバー犯罪者や国家によるパスワード攻撃で 3 億 4,000 万件以上の攻撃に直面
- 攻撃は 1 秒あたり 7,000 件の割合で発生
- マイクロソフトが追跡している脅威アクターの数は、昨年だけで 5 倍以上に増加
- サイバー犯罪による世界的な損失は今年 9.2 兆ドルに達する
- AI 変革にはセキュリティ変革が絶対に必要
- マイクロソフトでは、セキュア フューチャー イニシアチブ (SFI) を立ち上げ、今年はそこへの投資を増やし、34,000 人相当のエンジニアが取り組み、マイクロソフトの全従業員にとっての最優先事項としている
- マイクロソフトとサードパーティのツールを統合する Microsoft セキュリティポートフォリオは、SFI の取り組みを反映している
- 脅威保護とクラウドセキュリティとセキュリティオペレーションを Defender で、Sentinel データセキュリティとガバナンスを Identity and Access と Entra で、デバイス管理を Intune で統合
- 毎週 225 テラバイトのデータを Sentinel に取り込み、Microsoft の権限で 72,000 を超える SharePoint サイトのデータを保護
- 常に防御に徹するのではなく、攻撃に徹するようにすることが重要
まとめ
やはり、AIやCopilotに関するアップデートが多かったです。
開発者や運用者、セキュリティに携わる者など、様々な用途に応じたAIサービスが展開されており、さらなるAIの可能性を感じました。