英語の本や記事をスラスラと読めたら、なんだかカッコいい気がしますね。
「英文かあ、英語の授業も苦手だったし…」という方もいるかもしれません。
わたしも過去には、洋書を読もうとして1文目から詰まって挫折しました。今はスラスラまでは行きませんが、読みたい本が洋書なら読み、ネットで外国の人と英語でチャットすることもあります。
「絵を描くことと英語は関係ないんじゃ?」と思われるかもしれませんが、描く前段階の資料収集や描いた絵の発信など、英語がわかると描くときの選択肢が増えます。
今回はわたしの経験を交えながら、英文を読むハードルを下げるコツをご紹介します。
内容は勉強法ではなく、あくまで「英語で書いてある文を読む気にする方法」です。
「英文は読む気がしない…」という段階から、「なんて書いてあるかな?」「言ってることはだいたいわかる」という地点へステップアップするのが目標です。気軽に読んでもらえたら嬉しいです。
英文を読むハードルを下げるコツ
わたしが考える英文へのハードルを下げるコツは次の3つです。
- 完璧に訳さずフワッと読む
- ツールに頼る
- 簡単な英語にふれる機会を増やす
ひとつずつ解説します。
完璧に訳さずフワッと読む
冒頭で「洋書を読もうとして一文目で詰まった」という話をしました。その時の最初の単語はたしか冠詞の「The」です。英文を読むことに慣れていなかったわたしは、そんなところで詰まって先を読めずに挫折してしまいました。
英文を読むときに心がけたいのは、「完璧に訳そうとしない」ことです。翻訳するのではなく、中身をざっくり理解できればいいわけです。
Theに限らず言葉にはたくさんの意味が考えられますが、すぐに分からなければ一旦無視して読み進めましょう。
むしろ注目したいのは、基本的な「主語」「述語」です。
「誰(何)が、どうした」だけでもわかれば、その文は半分ほど理解できています。
単語も調べるのが手間であれば、どんどん読み飛ばしましょう。その中で何度も出てくる単語があれば、キーになる単語なので調べます。すると前に読み飛ばした文も理解できるようになってきます。なんとなくパズルのようですね。
ツールに頼る
「わからない単語をいちいち辞書で調べるのが手間…」という時もあります。先ほどは読み飛ばしていいという話をしましたが、飛ばしすぎると読めるところがなくなってしまいます。
辞書が手間であれば、文をまるごと翻訳できるツールを使いましょう。電子書籍にその機能がついている場合もありますし、代表的なところではGoogle翻訳などのサービスがありますね。
自力で読むことではなく、書いてある内容を理解することが目的なので、便利なツールはどんどん活用しましょう。
この方法を使うときのポイントは、「原文と日本語訳文を比較する」ことです。
ツールを使って出てきた日本語訳だけを読んでも、意味が通らないことが多いです。訳文を読んで違和感のある箇所は、原文と並べて比較しましょう。
単語の意味の取り違いなどであれば、やはり辞書を参照することになりますが、これもしっくりくる意味を探すゲームの感覚で取り組むと楽しいです。
簡単な英語にふれる機会を増やす
「とくに今読みたい洋書や英文があるわけじゃない…」という場合は、身の回りに英語を増やすことも有効です。
例えばイラストをネットに投稿していると、英語でコメントをもらうこともあります。
せっかく来たコメントであれば、「なんて書いてくれたのかな?」と読む気になりますね。SNSなどのコメントは短く簡単なものが多いので、読みやすいというのもハードルを下げるポイントです。(俗語が含まれることも多いので、「単語 スラング」などで検索すると出てきたりします)
英文を読むハードルを下げるおすすめの方法
具体的な方法をご紹介します。どれもわたしが実践しているものです。できそうだと思ったものに取り組んだりアレンジしてみて、英文へのハードルを下げていきましょう。
- 電子書籍で洋書を読む
- 翻訳のアドオンを使う
- Wikiの日本語版ページを作る
- 海外ユーザーの多いサービスを使う
電子書籍で洋書を読む
わたしは洋書はAmazon kindleで読んでいます。
kindleには辞書と翻訳機能がついているので、わからないときにその場でササッと調べることができます。また、スマホで本が読めることのメリットが大きく、満員電車でも雨でも、片手があいていれば何百ページもの本を気軽に読めます。
翻訳のアドオンを使う
パソコンで英文の調べ物をする際は、インターネットブラウザのアドオンにポップアップ式の翻訳アドオンを入れておくと便利です。
別タブで翻訳サービスのページを開けて置くのもひとつの手ですが、ポップアップ式であれば翻訳したい文を選択すると、その場で日本語訳を確認できます。私は「Simple Translate」というアドオンを入れています。
Wikiの日本語版ページを作る
「ある程度しっかり翻訳してみたい」という人は、お気に入りのジャンルで日本語版のWikiを充実させるのもいいですね。すでに英語版があるページを、日本語に訳していく作業です。
好きなジャンルの内容であれば理解しやすいですし、新たな情報を知るきっかけにもなります。以前わたしは日本語版Wikiがなかったジャンルで、100ページ以上を日本語訳しました。
海外ユーザーの多いサービスを使う
簡単な英語にふれる機会を増やすために、英語話者の多いサービスを使うのもひとつの方法です。
わたしはTumblr(タンブラー)というSNSを利用しています。サイトが日本語対応していて、イラストを投稿するのに向いているサービスであることと、好きなジャンルのユーザーが多いためです。
もらうコメントはほとんど英語で、やはりなんて書いてくれたのか気になって読むので、自然と英文を読むハードルが下がります。
タグで英単語をつけて投稿するのも、英語圏の人に見つけてもらうポイントですね。
英文へのハードルが下がって変わったこと
こうしたコツを実践して変わったことは、おもに4つあります。
- 英文の認識が「模様」から「文章」になった
- 得られる情報量が増えた
- 外国の人とのやりとりが楽しくなった
- 発信できる相手が増えた
こちらもひとつずつ見ていきましょう。
英文の認識が「模様」から「文章」になった
わたしはそれまで英文や英単語が目に入っても、「おしゃれな模様」という認識でした。始めから読もうとしていなかったんですね。「どうせ読めないし」と考えていたようです。
それがハードルを下げることで、まず「読んでみよう」という気になりました。すると意外と読めるものもありました。思わぬことが書いてあったりもして、読むのがだんだん楽しくなりました。
得られる情報量が増えた
英文を読む気になって、ざっくりとでも内容が理解できるようになると、英語圏発のコンテンツは英語で調べるクセがつきました。日本語に訳されていなくても、英語なら知りたかった情報が山ほど出てきました。ネットに限らず、洋書の資料集や技法書を買う機会も増えました。
英語でのやりとりが楽しくなった
Tumblrを利用していたことをきっかけに、ファンジン(日本で言う同人誌ですね)の企画に参加する機会がありました。誘ってくれたのは英語圏の人で、やりとりも全て英語で…という環境でしたが、好きな作品の話をするのに言語の壁はほとんど感じませんでした。
あとは思っていたよりも、日本語を勉強したことがあったり日本に興味があったりという人が多く、日本語でコメントをくれたり「このマンガが好き」という話になったりしました。
発信できる相手が増えた
「英語もなんとか読める・書ける」となって、英語のみのサービスも利用するようになりました。そこでわたしはKo-fiやDeviant Artを利用しています。Ko-fiはskebのようなコミッションができるサービスで、何件かリクエストを受けました。Deviant ArtもPixivのようなサービスで、ちょこちょこリアクションをもらっています。
グローバルなサービスがあればそれを使うのが一番ですが、日本と英語圏で主要なサービスが異なるときは、どちらも使えるというのはメリットになるのかな、と思います。
まとめ:知識がなくても英語は読める
今もわたしは英語のやりとりには翻訳サービスを挟んでいます。語学的な知識も、あまり増えてはいません。
それでも洋書を一冊読んだり、英語だけでやりとりをしたり、Wikiのページを更新した時、英語を通して世界が広がったと感じました。こういった経験の多くは、好きなことを「もっと知りたい」「もっと伝えたい」という思いから起こります。
この記事を読んだ人の世界が広がったら嬉しいです。
以上、「英文を読むハードルを下げるコツ」の記事でした。
コメント