書籍『プログラミング作法』:柴田 芳樹 (Yoshiki Shibata):SSブログ
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書籍『プログラミング作法』 [プログラマー現役続行]

ソフトウェア開発では、ある課題を解決するための方法は複数あることが普通です。しかし、それぞれに、長所や短所があったりして、適用すべき状況に応じて選択できることが必要です。そのためには、それぞれの長所や短所を理解しておくことが重要です。

書籍『プログラミング作法』の第1章と第2章を用いた勉強会用に作成した「勉強会ノート」には、書籍の内容を深く理解するための「説明ポイント」として、多くの設問を用意してあります。設問の中には、「〇〇とXXは、どちらがよいか説明しなさい」というのがあったりします。そして、両方の長所と短所を説明してどちらが良いと断定できないというのが期待する解答の場合があります。

しかし、そこまで質問の意図を読み取れる人は少ないです。特にプログラミング経験が浅い人は、期待される解答の長所と短所を実際に経験したことがないため、どうしても2つの解法に白黒を着けた答えとなってしまいます。

※ 開発経験年数を指していません。

『プログラミング作法』の翻訳が出る前で、英語の原著しかなかった頃に勉強会を開催した理由は、今でも決して解消されることはありません。その理由は、現場の若手エンジニアがハッシュテーブルなどの基本的な「データ構造とアルゴリズム」を全く理解していないことです。「ハッシュテーブルって何ですか?」に対して「そんな基本的なことは聞くな」という会話から始まった勉強会でした。

FXIS勤務の時は、私の部署に配属された新卒新人は、派遣会社からの新人も含めて、勉強会ノートの学習を終わらせるのが業務でした。早い人で2か月、遅い人で4か月以上要していました。しかし、半年過ぎても終わらないとなるとさすがにソフトウェア開発には向かないと判断したこともありました。今の会社では、私が直接指導できた人は1人だけなので、勉強会ノートをきちんと終えた人はその彼一人です。

The Practice of Programming
勉強会ノート

このドキュメントは、Brian W. Kernighan と Rob Pike の著書である「The Practice of Programming」の第 1 章と第 2 章を、新卒新人を中心として行った勉強会向けに作成したものです。

1999 年 2 月に米国で発売になった「The Practice of Programming」に書かれている内容は、全くの初心者に非常に難しく、一方、経験を積んでいるソフトウェア・エンジニアにとっては当たり前のことが書かれています。

したがって、経験があるソフトウェア・エンジニアが中心となって勉強会を開催する場合のサブノートとして使用されるように、勉強会参加者に対して問い掛ける質問を中心にまとめられています。

1 章と 2 章だけでなく、すべての章で有益なことが書かれていますので、是非全体を読んでください。初心者には分かり難い部分も多いですが、その場合には、職場の経験ある先輩に聞いてください。でも、正しく説明出来る人は多くないと思います。「The Practice of Programming」に書かれている内容がすべて説明できるようになれば、一人前のソフトウェア・エンジニアと言っても過言ではないでしょう。

2000年5月14日
柴田 芳樹

プログラミング作法

プログラミング作法

  • 作者: ブライアン カーニハン
  • 出版社/メーカー: アスキー
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本


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