支援事例 | 福岡県よろず支援拠点

支援事例

Posted: 2017年11月15日

支援事例:有限会社ナラティブ(きみしゃん本舗)

店舗オープンのプレスリリースがきっかけで全国紙・全国放送に取り上げられ売上が4倍に!

相談者様の概要

漁業が盛んな福岡県芦屋町で割烹旅館を経営していたが、4年前の火災で全てを焼失し、再チャレンジで、「味付いりこ」「昆布の佃煮」等の加工食品を製造し、主に卸売と通信販売を行う事業者。
代表者実母で取締役の渡邉紀美子氏の名前から屋号を「きみしゃん本舗」として営業している。

会社名   有限会社ナラティブ(きみしゃん本舗)

住所       福岡県遠賀郡芦屋町山鹿8-17

URL    http://kimishanhonpo.com/

 

相談のきっかけ

 28年4月に行った「1年に1000店食べ歩いたグルメライターが語る 人気の出る飲食店の作り方セミナー(古川Co)」を受講。本セミナーでプレスリリースの重要性を認識し個別相談に20回以上来訪。

支援のフォーメーション

Cco:チーフコーディネーター Co:コーディネーター
古川Co

地域地域大手タウン誌で月に約1000件のプレスリリースを審査した編集者。
1年に1000店食べ歩いたグルメライター、フードコーディネーター、料理教室代表。

前田Co 福岡県大野城市で焼鳥屋4店を経営する現役経営者。出店時の地理的特性の把握を得意とする。
森友Co 長崎県対馬の「藻塩」を使用した「藻塩プリン」で楽天プリン部門1位、福岡市内にプリン店を7店出店、15年で600社の販路を開いた実績。
廣木Co JASDAQ上場生活雑貨・食品量販店の元バイヤー・取締役。
西村Co  Facebookセミナーを約50回開催する等、ITを得意としている。

 

成果

 毎日新聞掲載

 

TV朝日スーパーJチャネル15分紹介

 
 

<支援前>

通販 約1000パック

卸  約1000パック

ーーーーーーーーーーー

計  約2000パック

<支援後>

通販 約5000パック

卸  約3000パック

ーーーーーーーーーーー

計  約8000パック

 

 

詳細
1.相談者概要と事例内容

(1)相談者概要

漁業が盛んな福岡県芦屋町で割烹旅館を経営していたが、4年前の火災で全てを焼失し、再チャレンジで、「味付いりこ」「昆布の佃煮」等の加工食品を製造し、主に卸売と通信販売を行う事業者。代表者実母で取締役の渡邉紀美子氏の名前から屋号を「きみしゃん本舗」として営業している。

(2)相談のきっかけ

代表取締役の渡邉公義氏が、当拠点の古川COが平成28年4月に行った『1年に1000店食べ歩いたグルメライターが語る 人気の出る飲食店の作り方』セミナーを受講し、同セミナーでプレスリリース活用の重要性を認識し、その後14回個別相談に訪れ、プレスリリースに加え、店づくり、販路開拓、新商品開発について相談することとなった。

(3)課題整理・分析

・直売所のオープンを企図していたが、芦屋町までわざわざ「いりこ」を買いに来る消費者は見込みにくく、また広告宣伝予算を投じる余裕はないことから、何かアピール性のある取組を行い、広告宣伝費をかけずに広く消費者にアピールする必要があると分析した。

(4)解決策の提案と実施

・代表者は、当初、新規オープンする芦屋町の直営店舗3分の1のスペースで小売販売することを考えていたが、地域密着型飲食店の現役経営者でもある前田COのアドバイスで、小売販売は行わず、ブランドをアピールすること、ショーウィンドウ化を重視した店づくりとすることとした。

具体的には、小売販売用を予定していたスペースに「いりこ神社」を建立し、さらに「高さ2メートルのいりこタワー」を設置するなど、面白い取組としてマスコミ等の目に留まることを心がけた。

また、来店したお客様が自宅用の小口買いとするのではなく、贈答用として大量買いを促す仕組みを構築した。

・このような話題性のある店づくりを受けて、マスコミ勤務時にプレスリリースを審査する立場であった古川COから、プレスリリースで最も大切なことは、多数のプレスリリースの中から、まずは「マスコミの目に留まる」ことであり、目に留まったらその素材(企業)をどう料理(演出)するかは、プロであるマスコミにある程度委ねることも必要であることや、当初案では言いたいことが有りすぎて纏まりの無い文章になっていたものを、伝わる文章の書き方や内容、写真の選び方などについてアドバイスした。

・上記取組・プレスリリースにより全国紙の目に留まり、取材を受けることに成功した。『火事で旅館他全てを失う中、たった一つ残った鍋でいりこの製造を行っている』というエピソードや渡邉紀美子取締役のユニークなキャラクター、『心を込めて丁寧に作っている』等の姿勢をアピールした。

・販路開拓では、大手ショッピングモール販売1位を獲得した実績もある森友COから通信販売について、量販店・卸ルートの開拓では元量販店バイヤーの廣木COから企画書の書き方や攻め方についてアドバイスを行った。

(5)支援の成果

平成28年9月9日の全国エリアの新聞に『かっぽう旅館消失・・・残った大鍋 再出発の「きみしゃんいりこ」』と取り上げられた。翌日の直売所オープンも盛況となった。さらに、この全国紙への掲載がきっかけで、全国放送のテレビにも密着で15分ほど取り上げられることとなった。

この記事と放送は大きな反響を呼び、卸の売上は3倍、通信販売の売上は5倍に増加、製造が間に合わないほどの増収となっている。

2.相談者様の声

初めて相談に来た頃は、売上拡大になかなか火が付かず、試行錯誤していました。前田COに直売所コンセプトでアドバイスをもらい、古川COにアドバイスをもらいながら取り組んだプレスリリースがきっかけで、全国の消費者の皆様に知っていただき、売上が何倍にも増えて、製造が追いつかないほどで、うれしい悲鳴を上げています。

さらに新たなお客様を獲得するために、現在は若者向け新商品開発などで、フードコーディネーターでもある古川COからアドバイスをもらっています。

このように、複数のCOから様々な得意分野に応じてアドバイスをもらえたことが、売上拡大に繋がったと感じています。

これからも個別相談・セミナーともに活用させていただきたいと考えています。

(注)上記事例は平成29年1月時点のものです


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支援事例:株式会社ナダヨシ

会社の急成長による資金繰りの課題を、わずか3ヶ月で改善

新経営体制への移行に合わせ、抜本的な基盤の見直しを行った株式会社ナダヨシ。

急成長の裏で陥っていた資金繰りの課題に、銀行出身のコーディネーターがメスを入れる。

会社概要

会社名:

代表者:植木 剛彦(うえき たけひこ)

住 所:福岡県古賀市青柳194

U R L: http://www.nadayoshi.co.jp/

厨房機具、医療機器、自動車パーツなどを手掛ける昭和56年設立の精密板金・溶接加工企業。技術力では高い評価を受けており、技能フェアでの受賞も多数。

 

支援の流れ

新たな経営体制立ち上げの最初の課題となった、資金繰り改善の相談

新工場の稼働など、規模の拡大に追い付いていない旧来型の資金繰り管理の見直しを提案

銀行出身C Oのサポートによる金融機関との金利や担保などの条件変更交渉

借入の金利を下げることに成功。キャッシュフローとバランスシートの改善達成

支援内容

◆浮き彫りになった資金繰りの改善という課題

創業36年目に社長交代を迎えたことを機に、経営の抜本的な再点検を行うことになった相談者。技術力にはもともと定評のあった同社だったが、現状把握を行い、これからの経営計画を考えるなかで見えてきた喫緊の課題は、企業の成長に追い付いていない資金繰りの

改善であった。

そこで自社に合った新たな財務体制確立のため、第三者の専門家からの客観的な助言を求めて当拠点に相談に訪れた。

 

◆事業の拡大に合わせた資金計画の選定

担当となった銀行出身のコーディネーター( 以下C O )が過去3 年分の決算書を分析し、相談者と面談を重ねたところ、多くの改善の余地が浮き彫りとなった。

相談の3 年前には新たな工場が稼働を始めており、それに合わせて社員も増えていた。売上げも急速に伸び、一見すると順調に成長を続けているように見えた相談者だったが、増加した運転資金や労務費を管理する明確な資金計画がなく、しかも借入の返済負担が増加し、キャッシュフローに課題を抱えていた。また長期借入金は金利が高く、本社・第二工場ともに土地と建物が担保となっていた。

そこで、金利を下げることも含めた金融機関と条件の再交渉や、手形などの扱いの見直しを行うことになった。

 

◆銀行出身のCOによる詳細な改善策の提案

改善の提案内容は多岐にわたる。金利下げ交渉にはじまり、担保条件見直しの交渉、借入形態の見直しなどをアドバイスした。また新規取引銀行を増やすことで、他行への金利下げ効果を図る方法なども伝えた。

加えて、銀行との条件交渉はデリケートに進めなければ取り返しのつかないことになる。銀行融資部出身だったC Oの経験を生かし、交渉の内容だけでなく、その順序や交渉技術まで、段取り面でも細かなアドバイスを行った。

相談者は一連のアドバイスを「一企業の経理の範囲では学ぶことのできないもので、即実践に役立った」と振り返る。迷ったときはその都度相談を受けながら、二人三脚で銀行との交渉を行った。

 

◆金利を下げる交渉に成功、キャッシュフローも改善

結果、3カ月という短期間で大きな成果が出た。まず借入の金利を下げることに成功。本社の担保条件も解除でき、借入形態の見直しも実現した。割引料負担減のため手形割引をやめ、当座貸越枠を3つの銀行に新設もした。

結果、キャッシュフローは大幅に改善し、資金繰りにかかる労力が大きく下がった。また、資本構成の是正により、バランスシートも大きく改善された。合わせて日・週・月・年単位の資金繰り表の作成も始まり、長期的な視野での資金計画が運用され始めた。

相談者の言葉を借りれば、「創業以来の革命ともいえる」資金繰りの改善により、本業にいっそう集中できる環境が整い、今後の経営計画が明確に描けるようになった。新経営体制の足場固めが短期間で終わり、株式会社ナダヨシは次のステップへ向けて動き出している。

A. 植木次義前社長(左)と植木剛彦現社長(右)

B. 厚生労働大臣賞を受賞した240面体のオブジェ

C. 同社が制作した時計塔

D. ステンレスでできた永久折鶴