漫画(アニメ)[宝石の国]の主人公・[フォスフォフィライト]は登場時 宝石達の中で最年少で
硬度が低く、割れやすい硬質のため戦闘向きでは無い上に、
不器用なため 300年経っても金剛先生からも仕事が与えられなかった宝石です。
300年経っても自身に溢れていたファスは性格はポジティブなものの、
度々何かをやらかしてしまうトラブルメーカーで周囲を巻き込んでしまいます。
そのこともあって、読者は序盤～中盤のフォスの行動にイライラしていたことも少なくありません。
[宝石の国]最初フォスが嫌いだった人も、フルボッコにされすぎて後にかわいそうだと感じてしまうかもしれない
物語序盤のフォスは可愛らしさを感じるものの、読み進めるうちにイライラし始める人が多くいる
最初のフォスは不器用なため 何ごとも上手くいかないいわゆる「のび太くん」のような存在で
先生から[医務、軍師、服飾、工芸、鍛冶屋]など色々割り振られましたが何事も上手くいかず
300年経っても自分に合った仕事を見つかっていない状態でした。
先生や他の宝石たちの役に立ちたいという気持ちはあるのにもかかわらず
先生から与えられた[博物誌を編む]という仕事をやらずに 勝手に行動して被害に遭います。
フォスは身の丈に合わない承認欲求を持っていたこともあって、
地味な仕事をするよりかは戦闘をして月人を倒したり、大きな戦果を挙げることを考えていたんですね。
序盤のフォスはダメな部分も「可愛らしさがあっていいではないですか」と思う人がいる一方、
「まずは博物誌編んでてくれよ」とイライラしていた人も一定数いるはずです。(普通に博物誌を編んで働いていたら、主人公として面白くありませんが)
フォスが中途半端に力を付けてしまい、調子に乗る
フォスが両手両足を失って他の物質で修復し、以前より戦闘力が大幅にアップします。
ここから名誉挽回すると思いきや、力を付けてしまったフォスが調子に乗ったことで
軽率な判断で敵の月人と対峙し、1年で宝石を2人も失ってしまいます。(これは中々のやらかし)
この辺で少し「こいつもうええ加減にせえよ」とフォスに対して嫌悪感を抱いた人が割といるかもしれません。
フォスが成長する物語なのかと思いきや、ずっと「無能な働き者」として描かれており、やることなすことが空回ってしまいます。なんだか社会組織のようなものを感じますね
そしてやらかしても周りが優しくて怒られないというのもこれはこれで心が痛みますね。市川春子先生の人間関係の描き方の上手さが出ています。
人間なら「フォスのせいで短期間で仲間2人も失ったんやで！」と騒ぐ人が一人以上はいたり、
フォスをすぐバラバラにしていじめるジャイアンみたいな奴だって出てきているはずですが、宝石達は全員優しいのであまりフォスを責めることはありません。
普通に違和感なく読めていましたが、先生や宝石達からは「人間の嫌な所」が一切出てきていないんですよね。
現実の人間関係で感じるドス黒さは無く、宝石達の関係には綺麗すぎる所もあり、互いに距離があるように感じます。
フォスが嫌いだった人もさすがにかわいそうだと思う展開に
フォスはラピスの頭部を統合してからは大幅に変わり、ラピスの明晰な頭脳を手に入れますが
以前と変わらず先生や宝石達に役に立とうと動くほど悪化を辿る事となり、
結果、「フォス以外の宝石達は月人になって1万年間月で幸せに暮らす」
「フォスだけ一人地上に残って永久的に祈る作業をする」とフォスだけが救えない状況に陥りました。
宝石達から「フォスだけ一人地上に残るなんてかわいそうだよ！助けにいこう！」「てか先生が戦争の原因やったんかい！」という声を上げる事を期待しましたが、
他の宝石達はフォスに対してほぼ無関心で、別にフォスは失ってもなんとも思わないという存在だったというのは本当に絶望しました。
何もできなかった頃のフォスに対して優しくされていたのは、
「フォスがかわいくて面倒を見たくなるから」では無くて「どうでも良かったから」だったのはなんだか宝石だけにあまりにも心が冷たいです。やはり所詮は宝石だったか
なんだか「普段は優しいけど内心ではどうにも思っていない」というのは「東京の人」に見えないでしょうか(偏見)
もしかして作者の市川春子先生は日本人の冷たい部分を皮肉を込めて描いたのかとも考えます。
[宝石の国]フォスフォフィライトを救いたい
かくなる自分もかつてフォスが嫌いな一読者でしたが、
さすがにフォスの仕打ちにはかわいそうで、今はフォスを救いたい気持ちしかありません。
かわいらしかった見た目も、物語が進むにつれて形が変貌し、最終形態は変わりすぎてもはや宝石の化物のような見た目になってしまいます。
フォスが先生や月人の秘密を暴かなければ、戦いは終わることが無く地上にいる宝石達も
ゆくゆくは月人達に粉にされて月にバラまかれていたので 今後 多少報われてる展開に期待しています。
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