「鬼火(上)(下)」マイクル・コナリー:著 講談社文庫
ストーリー
現在一線から退いたボッシュ、彼の師匠的存在の元パートナー刑事、ジョン・ジャック・トンプスンが亡くなる。
トンプスンは殺人事件調書を保管しており、その事件をボッシュはロサンゼルス市警深夜担当のバラード警部と協力して探り始める。
バラードが出向いたホームレス男性の焼死事件は不審な点から殺人事件扱いになるが、彼女の手からは離れるが、バラードは何かが引っ掛かり釈然としない。
ミッキー・ハラ―の弁護事件を手伝うハリー、大逆転の無実で勝訴となったが、当然刑事からの反発があり、
ボッシュはこちらも真犯人を自分で探し始める。
ジョン・ジャック・トンプスンの未解決事件と、他の2件の捜査が平行に進められるうち、思わぬ真実が現れ始め、時間は意外な展開に進んでいく。
プラス情報
マイク・ルコナリー作<ハリー・ボッシュシリーズ>
1992「ナイトホークス」 〜 本作22弾 まだまだ続きそうです
読むネコポイント
いやいやいやいや、、
バラードとボッシュのシリーズ、面白い!!
マイクル・コナリーは同時進行の事件を無理なく展開させるのが本当に上手で
前作のシリーズ1弾も読ませてくれる内容でしたが
今作は圧巻でした。
スマートでシンプルで、リアルな刑事の姿っぽいんですよね、小説なのでフィクションなんですが。
サイコパスが出てくるわけでもないし、猟奇殺人ものじゃないので
圧倒的なボッシュとバラードのキャラの魅力と、構成、取材力
そして文章が上手(当然翻訳も)なんでしょう。
ハリーはもう70歳、初老で膝の手術を受け、その上過去の事件で被曝したことで軽度の白血病を発症しています。
愛娘マディは大学卒業後の進路をまだ決めかねています。大きくなったな、、
せっせとマディに会いに行ったり、ミッキーの訴訟を手伝ったり、バラードと未解決事件に勤しんだり。
ハラーの裁判では、元刑事が汚れ仕事をしていると現役刑事から反発と蔑みを受けるハリー。
無実が証明され被告は勝訴しますが事件はそのまま放棄されてしまったため、
その真犯人を自ら追うボッシュおじさんアグレッシブです。
正義感、刑事魂、それが彼を動かし続けるんですね。
それはセクハラパワハラ問題に巻き込まれ、深夜担当の閑職に追い込まれたバラードにも共通しています。
今現在を進み続ける二人のタッグは、難事件を解決(周りを巻き込みながらブルドーザーのように進む)。
本作は、怒涛の後半が、えげつないほどアグレッシブでした。
昼に読み始め、読み終わったら AM3:00でした Ww