2009年 02月 22日
”The Kite Runner" |
”The Kite Runner"
著者は、Khaled Hosseini.
映画化もされていて、こちらも観ました。

カブール、アフガニスタン。
主人公、アミャー・ジャンの少年時代。
彼の遊び相手、手伝いでもあったハッサンとの思い出。
ふたりは仲良しでありながら、アミャー・ジャンは、父親がハッサンをもう一人の息子のように慈しむのを不愉快に思っていて、ハッサンがアミャー・ジャンに忠誠を尽くしながらも、アミャー・ジャンはハッサンにいくつかの裏切りを冒してしまうー。
ロシア軍がアフガニスタンに侵入するまえのカブールの町の、活気にあふれて、平和だった様子。
わたしがいつも憧れる、中東の屋外マーケットそのまま。
ひとが行き交い、物売りが並び、路上で売られるスイカにその場でむしゃぶりつくおかまいなしの暮らし。
それらを縫うように、こどもたちが笑いさざめいて走り回っている。
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カブールの冬の風物詩は、こどもたちの凧揚げ。
自由の象徴であるかのように。
凧を高く高く上げながら、ほかのこどもの上げる凧に接近しながら、相手の糸に自分のタコ糸を絡ませて切り、相手の凧を落とし、最後に残った凧が勝ち。
ハッサンとその父親がいなくなる前の最後の冬、アミャー・ジャンとハッサンはその凧揚げ大会で勝つのです。
それからあと、戦争が始まり、まずパキスタンへ逃げてから、カリフォルニアにたどり着いて、アミャー・ジャンと父親はひっそりと暮らし、結婚した矢先にまた過去に押し戻されることになる主人公。
かつてたくさんの凧が舞い踊った空の下には、焼け爛れて廃墟になって変わり果てたカブール。
銃を手にパトロールする兵士。
おびえる孤児たち。
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戦火にいるこどもたち。
どれだけのこどもたちが犠牲になっていることでしょう。
体と精神の一部をもぎとられ、傷つけられ。
こどもであるというだけで、その存在がまるごと保護されるのはそれほど難しいことなのでしょうか。
地球は小さくなった、という表現がありますが、この地球上にどれだけ救われないこどもたちがいて受難のままでいるのかと思えば、矛盾した言い方であるように感じます。
この物語を読み、映画を観ながら、アフガニスタンのこどもたちに思いをはせ、彼らにも平安が訪れることを願っています。
また、人生の中で、一度はあっさり切れてしまったかのようなひととの縁が、いつか再び繋がる運命にあるというのも、不思議なようでも、ごく現実的なことでもあるということが、わかりかけています。
著者は、Khaled Hosseini.
映画化もされていて、こちらも観ました。
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カブール、アフガニスタン。
主人公、アミャー・ジャンの少年時代。
彼の遊び相手、手伝いでもあったハッサンとの思い出。
ふたりは仲良しでありながら、アミャー・ジャンは、父親がハッサンをもう一人の息子のように慈しむのを不愉快に思っていて、ハッサンがアミャー・ジャンに忠誠を尽くしながらも、アミャー・ジャンはハッサンにいくつかの裏切りを冒してしまうー。
ロシア軍がアフガニスタンに侵入するまえのカブールの町の、活気にあふれて、平和だった様子。
わたしがいつも憧れる、中東の屋外マーケットそのまま。
ひとが行き交い、物売りが並び、路上で売られるスイカにその場でむしゃぶりつくおかまいなしの暮らし。
それらを縫うように、こどもたちが笑いさざめいて走り回っている。
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カブールの冬の風物詩は、こどもたちの凧揚げ。
自由の象徴であるかのように。
凧を高く高く上げながら、ほかのこどもの上げる凧に接近しながら、相手の糸に自分のタコ糸を絡ませて切り、相手の凧を落とし、最後に残った凧が勝ち。
ハッサンとその父親がいなくなる前の最後の冬、アミャー・ジャンとハッサンはその凧揚げ大会で勝つのです。
それからあと、戦争が始まり、まずパキスタンへ逃げてから、カリフォルニアにたどり着いて、アミャー・ジャンと父親はひっそりと暮らし、結婚した矢先にまた過去に押し戻されることになる主人公。
かつてたくさんの凧が舞い踊った空の下には、焼け爛れて廃墟になって変わり果てたカブール。
銃を手にパトロールする兵士。
おびえる孤児たち。
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戦火にいるこどもたち。
どれだけのこどもたちが犠牲になっていることでしょう。
体と精神の一部をもぎとられ、傷つけられ。
こどもであるというだけで、その存在がまるごと保護されるのはそれほど難しいことなのでしょうか。
地球は小さくなった、という表現がありますが、この地球上にどれだけ救われないこどもたちがいて受難のままでいるのかと思えば、矛盾した言い方であるように感じます。
この物語を読み、映画を観ながら、アフガニスタンのこどもたちに思いをはせ、彼らにも平安が訪れることを願っています。
また、人生の中で、一度はあっさり切れてしまったかのようなひととの縁が、いつか再び繋がる運命にあるというのも、不思議なようでも、ごく現実的なことでもあるということが、わかりかけています。
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by ymomen
| 2009-02-22 07:12
| 特別な本
|
Trackback(1)
|
Comments(10)
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タイトル : 2009年2月に読んだ本♪
二月はやっぱり短いですね^^。 今月はずーっとキッチンの工事で家の中がすごいことになってたり、風邪で寝込んだりとあまり本読めなかった、と思ったんですが、結構読んでました(爆)。 それでは2月に読んだ本のご紹介です。 Faceless Killers by Henning Mankell (日本語訳版:殺人者の顔) スウェーデンのテレビ、そしてわれらがBBCでもテレビ化されたWallander刑事シリーズ。 テレビが面白かったので読んでみました。 スウェーデン南部のSka...... more
二月はやっぱり短いですね^^。 今月はずーっとキッチンの工事で家の中がすごいことになってたり、風邪で寝込んだりとあまり本読めなかった、と思ったんですが、結構読んでました(爆)。 それでは2月に読んだ本のご紹介です。 Faceless Killers by Henning Mankell (日本語訳版:殺人者の顔) スウェーデンのテレビ、そしてわれらがBBCでもテレビ化されたWallander刑事シリーズ。 テレビが面白かったので読んでみました。 スウェーデン南部のSka...... more
これ、いいですよね(映画は観てないけど)。
>この地球上にどれだけ救われないこどもたちがいて受難のままでいるのかと思えば、矛盾した言い方であるように感じます。
昨日Slumdog Millionaireを観ながら、私も同じようなことを考えてました。
Thousand Splendid Sunsもすごくいいので、機会があったら読んでみてくださいね!
>この地球上にどれだけ救われないこどもたちがいて受難のままでいるのかと思えば、矛盾した言い方であるように感じます。
昨日Slumdog Millionaireを観ながら、私も同じようなことを考えてました。
Thousand Splendid Sunsもすごくいいので、機会があったら読んでみてくださいね!
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
このおはなしはどこかで聞いた覚えありますが、DVDでもでているのでしょうか。私は中東は人種的には欧米との間のようでとても親しみを覚えるのですが、アメリカがアフガニスタンに増兵したと伺いそれが何を意味するのか、以前のように活気に満ちた平和なアフガニスタンになってくれるよう願いのみですね。
Meloさん、
映画もいいけれど、原作のほうが優れているというのは、常なのでしょうか。
お勧めくださった作品もぜひ観ます!
こういう作家の存在が、世の中を変えていく要因のひとつなのではないでしょうか。
報道ジャーナリストの役目とはまた違って・・・。
遅れましたが、Meloさんの記事にTBさせてくださいね。
映画もいいけれど、原作のほうが優れているというのは、常なのでしょうか。
お勧めくださった作品もぜひ観ます!
こういう作家の存在が、世の中を変えていく要因のひとつなのではないでしょうか。
報道ジャーナリストの役目とはまた違って・・・。
遅れましたが、Meloさんの記事にTBさせてくださいね。
鍵さん、
わたしも戦争の悲惨さを身をもって知らずにいます。
こちらで、そういう境遇を潜り抜けてきたひとの話を聞くと、ああ、戦争は終わっていないということにびっくりした20代。
地球上から、戦争がなくなった日はないのですよね。
理由のある戦争もあるのでしょうが、こどもがそれに巻き込まれるのがいちばん悲しいですね。
わたしも戦争の悲惨さを身をもって知らずにいます。
こちらで、そういう境遇を潜り抜けてきたひとの話を聞くと、ああ、戦争は終わっていないということにびっくりした20代。
地球上から、戦争がなくなった日はないのですよね。
理由のある戦争もあるのでしょうが、こどもがそれに巻き込まれるのがいちばん悲しいですね。
Nobukoさん、
わたしはDVDで観ました。
日本でも出ているといいですね。
政治のことはわたしもよくわからなくて恥ずかしいです。
小さないのちが傷つけられて、辱められて、己を汚れていると告白する場面に、息が止まりそうな思いでした。
わたしはDVDで観ました。
日本でも出ているといいですね。
政治のことはわたしもよくわからなくて恥ずかしいです。
小さないのちが傷つけられて、辱められて、己を汚れていると告白する場面に、息が止まりそうな思いでした。
Thousand Splendid Sunsは今月末、『2月に読んだ本』としてアップします!
本vs映画>大抵は原作のほうがいいけど、たまに映画のほうがいいな、と思うことあります。 この間もコメントしたかもしれないけど、『Notes from a Scandal』と『Atonement』は映画のほうが良かった。 あと『The House of Mirth』は映画が原作そのままって感じでよかったですよ。
本vs映画>大抵は原作のほうがいいけど、たまに映画のほうがいいな、と思うことあります。 この間もコメントしたかもしれないけど、『Notes from a Scandal』と『Atonement』は映画のほうが良かった。 あと『The House of Mirth』は映画が原作そのままって感じでよかったですよ。
Meloさんが、”Thousand Splendid Suns”についての記事を書かれていたと思ったのは、思い違いだったのですね。
FBでもこのことに触れたので混乱したのかもしれません。
映画のほうがいいというものもあるのは、意外。
”The Kite Runner"も、戦前の街の様子などは、やはり画面で見るのが楽しいもの。
それから、とても無知なことなんですが、主人公とババの住む家のモダンなことにびっくりしました。
彼らが裕福ということはわかっていても、実際画面で見ると面食らってしまった。
アフガニスタンというと、もっと土っぽい建物ばかりを想像していましたから。
FBでもこのことに触れたので混乱したのかもしれません。
映画のほうがいいというものもあるのは、意外。
”The Kite Runner"も、戦前の街の様子などは、やはり画面で見るのが楽しいもの。
それから、とても無知なことなんですが、主人公とババの住む家のモダンなことにびっくりしました。
彼らが裕福ということはわかっていても、実際画面で見ると面食らってしまった。
アフガニスタンというと、もっと土っぽい建物ばかりを想像していましたから。
恥ずかしながら、このお話、小説のことも映画のことも知りませんでした。
映画、観てみたいです。早速探してみます。
実は私も、30年ほど音信不通だった小学校時代の親友と最近になって連絡が取れました。
ものすごく嬉しかったと同時に、ここでもう一度連絡が取れたことは運命だったのかも、なんて思ったり。
地球上には、不幸な子供たちがたくさんいますよね。
レオナルド・ディ・カプリオ主演の「Blood Diamond」を観た時も、それを痛感しました。
映画、観てみたいです。早速探してみます。
実は私も、30年ほど音信不通だった小学校時代の親友と最近になって連絡が取れました。
ものすごく嬉しかったと同時に、ここでもう一度連絡が取れたことは運命だったのかも、なんて思ったり。
地球上には、不幸な子供たちがたくさんいますよね。
レオナルド・ディ・カプリオ主演の「Blood Diamond」を観た時も、それを痛感しました。