2011年 06月 10日
スニッカードゥードゥル 忘れていたクッキー |
”ママ、シナモンクッキーの作り方知ってる?”
あきらが訊くのに、何のクッキーのことだろうと、しばらくピンときませんでした
サンドイッチのお店にある一つから売っている、大きな丸いクッキーは、いつもチョコレートクッキーを選ぶあきらが、そういえばそうじゃないクッキーを選んでいた
単なるシュガークッキーか、オートミールクッキーのようなものかと思っていたけど、シナモンと聞いて、”スニッカードゥードゥル”と気がついて、その名前を確かめようとあきらに訊きかえしたら、”なに、それ、変な名前!”と本人はその名前も知らなかった
ああ
snickerdoodles!
このわたしも初めてこのクッキーを知ったときには、感激したのでした
くれたのは当時お隣だった、子だくさんのコリーン
いまでこそ、彼女はわたしにとってかけがえのないともだちだけど、当時彼女は、わたしにとってうっとうしい存在でした
モルモン教の両親に育てられ、自身もその教えに従う博愛精神はまだこどものいないわたしには、ほぼプライバシーの侵害とも思えるほどで、一歩外にでればコリーンにつかまって話かけられるのをひたすら避けていたのは、冗談みたいだけど、現実でした
そのコリーンがくれたこのクッキーは見た目、まったく平凡ながら、かじったとたんに、表面のシナモンシュガーのコーティングがかりっとしていて、中身はいくらかねちっとした感触で、どうってことないようで、なつかしいような、やさしいおいしさで、あれほどコリーンを避けていたこのわたしが、レシピを乞うたのだから、どれだけ気に入ったかおわかりでしょう
わたしの”いやしさ”はきょうきのうに始まったわけではないのです
コリーンが書いてくれたレシピのクッキーの名前を見て、わたしだって、いまのあきらと同様、”なに、これ、おもしろい名前”と反応したけど、いまのいままで、その名前の由来を調べてみる気にはなれませんでした
で、調べてみたけど、やっぱりはっきりしない
ドイツ語のかたつむりに語源があるとか・・・
チョコレートバーのスニッカーに関係があるのかとも思ったけど、無関係らしい
ドイツ語の気配がありながらも、このシュガークッキーはアメリカならではのもの
クリーム・オブ・ターターと重曹を加えることで、焼くうちに膨張し、オーブンからだしたとたんにいくらか陥没して、表面にヒビを作る
で、あきらと作りました
焼いたら、サンドウイッチのお店で買ったのよりもうんとおいしいと、特大の焼きたてスニッカ-ドゥードゥルを3枚たいらげました
最初から最後まであきらが生地を混ぜたクッキーは、これが初めてだから、あきらは大得意
今度の野球のおやつ当番には、これを持ってってみんなに配ると張り切っています
YMCAの夏の野球プログラムに参加していて、毎週火曜日は試合があります
生地をピンポン玉の大きさに丸めて、シナモンシュガーにくぐらせたのを焼くという、やさしい成型
クッキーにしては高温で短時間で焼き上げます
レシピ
1カップはUS仕様の250cc
バター 220g
砂糖 1カップ半
卵 2個
ミルク 大匙2
バニラ 小匙1
クリーム・オブ・ターター 小さじ2
重曹 小匙1
塩 小匙4分の3
小麦粉 2カップと4分の3
砂糖 3分の1カップ
シナモン 小匙2
室温に戻したバターから順にボウルのなかで泡だて器で材料を合わせていき、小麦粉はゴムベラに持ち替えて生地をまとめる
この時点の生地はやわらかい
これを冷蔵庫で数時間休ませ、成型できる固さになったら、丸めた生地を、砂糖とシナモンをあわせたのにくぐらせて、クッキーシートに並べて230度で8分焼く
あれからわたしも母親になって、コリーンの天真爛漫な親しさがわかるようになった
あのころは、あなたのことが疎ましかった、と面と向かって言いながら笑っていられるようになった
”このクッキーは別名、poor man"s cookies(貧乏人のクッキー)とも言うの、家に何も材料がないときでも最低限のもので作れるから”
自筆のレシピカードをくれたときに言っていた
どんなときにも、なにか家にあるもので隣人とわかちあえるものを作るというコリーンの博愛精神は似非ではなかったと、すっかりレシピボックスのなかで忘れられていたスニッカードゥードルのレシピを探し出したのでした
by ymomen
| 2011-06-10 01:14
| お菓子
|
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Comments(4)
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eintropfen
at 2011-06-10 06:39
x
おいしそうなクッキー!つくってみたいというか、いますぐ作りたい。食べたい!
0
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ymomen at 2011-06-14 08:42
Eintropfenさん
このクッキー、熱いコーヒーに浸しながら食べたり、または冷たいミルクに浸しながら食べるとまたおいしいのです
大きな気泡のたくさん入ったクッキーだから、これでティラミスを使うのも手かもしれないと気がついたのです
このクッキー、熱いコーヒーに浸しながら食べたり、または冷たいミルクに浸しながら食べるとまたおいしいのです
大きな気泡のたくさん入ったクッキーだから、これでティラミスを使うのも手かもしれないと気がついたのです
食べ物とそれにまつわる話ってとても面白いなあ、、、といつも思います。
先日作家のおやつ、という本を買ったのですが、森茉莉さんがチョコレエト(と書くところがまたいいですよね)を毎日下北沢の駅前マーケットまで買いに行ったエピソードが書かれていて面白かったです。作家の食卓っていう本もあって、こちらもいいですよ^^
とってもおいしそうなので私も早速レシピを写させてもらいます^^
先日作家のおやつ、という本を買ったのですが、森茉莉さんがチョコレエト(と書くところがまたいいですよね)を毎日下北沢の駅前マーケットまで買いに行ったエピソードが書かれていて面白かったです。作家の食卓っていう本もあって、こちらもいいですよ^^
とってもおいしそうなので私も早速レシピを写させてもらいます^^
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ymomen at 2011-06-18 00:29
Saoriさん、
その本、読みたいです
ひとの食べてるものが非常に気になる性質なもので
ははは
森茉莉さんのそのエッセイ、”贅沢貧乏”で読みました
アーモンドチョコレートでしたっけ?
こちらでまだ学生だったころ、試験勉強しているとき、アーモンドチョコレートの大袋を買って、こればかり食べていました
ほかにちゃんとした食事をしていた記憶がないのです
その本、読みたいです
ひとの食べてるものが非常に気になる性質なもので
ははは
森茉莉さんのそのエッセイ、”贅沢貧乏”で読みました
アーモンドチョコレートでしたっけ?
こちらでまだ学生だったころ、試験勉強しているとき、アーモンドチョコレートの大袋を買って、こればかり食べていました
ほかにちゃんとした食事をしていた記憶がないのです