シェリー・ケーガンさんの「完全翻訳版 「死」とは何か」を読み終えました。
この本のことは、縮訳版が発売された時から知っていました。しかし「死」について、哲学的に考察した部分がカットされていると知ったので、その時は読んでみたいとは思えませんでした。その後、完全翻訳版が発売されたので、ようやく読むことができました。
本書の内容は、大きく2つに分けられると思います。「死」とは何かを、哲学的に定義しようとする前半。「死」によって失われるものについて考える後半。最初の版では、後半に絞り込んだ形で発売されました。しかし、今回この本を通して読み終えてみると、前半がなければ後半の意味が薄れてしまうと感じました。
完全翻訳版でも、ページ数の都合であるテーマについて、それ以上深く踏み込まないところが多数ありました。後半に行くに従って、その割合が増えている気がしましたので、本書全体としては「死」について深く考察した本ではなく、入門者向けに哲学的な視点から「死」をとらえたら、「死」をどうとらえられるかの一例を示した本だと思います。
個人的には、もう少し深い部分まで考察されていることを期待していたので、その意味では少し期待外れでした。とはいえ、普段はタブー視される「死」について、正面から向き合っていた点は評価されるものだと思います。
完全翻訳版では700ページ少々とボリュームがある本ですが、著者の語り口が上手くサクサクと読めますので、こういった本に馴染みのない方でも比較的読みやすい本だと思います。誰しも必ず迎える「死」について、少しだけ考えてみることは決して無駄ではないと思います。
この本のことは、縮訳版が発売された時から知っていました。しかし「死」について、哲学的に考察した部分がカットされていると知ったので、その時は読んでみたいとは思えませんでした。その後、完全翻訳版が発売されたので、ようやく読むことができました。
本書の内容は、大きく2つに分けられると思います。「死」とは何かを、哲学的に定義しようとする前半。「死」によって失われるものについて考える後半。最初の版では、後半に絞り込んだ形で発売されました。しかし、今回この本を通して読み終えてみると、前半がなければ後半の意味が薄れてしまうと感じました。
完全翻訳版でも、ページ数の都合であるテーマについて、それ以上深く踏み込まないところが多数ありました。後半に行くに従って、その割合が増えている気がしましたので、本書全体としては「死」について深く考察した本ではなく、入門者向けに哲学的な視点から「死」をとらえたら、「死」をどうとらえられるかの一例を示した本だと思います。
個人的には、もう少し深い部分まで考察されていることを期待していたので、その意味では少し期待外れでした。とはいえ、普段はタブー視される「死」について、正面から向き合っていた点は評価されるものだと思います。
完全翻訳版では700ページ少々とボリュームがある本ですが、著者の語り口が上手くサクサクと読めますので、こういった本に馴染みのない方でも比較的読みやすい本だと思います。誰しも必ず迎える「死」について、少しだけ考えてみることは決して無駄ではないと思います。
最終更新日 : 2022-10-30