最近、ウェス・アンダーソンのスタイルで AI により生成した『スターウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リングス』の新作の予告編が話題になったりした。
実は、ウェス・アンダーソンはかつて、自身の監督作『天才マックスの世界』のスタイルで、『トルーマン・ショー』、『アルマゲドン』、『アウト・オブ・サイト』を再演するショートムービーを作り、1999年の MTV ムービー・アワードで放送していたとな。こんなの全然知らなかったよ!
別にこれが映画史に残るパロディーとか言うつもりはないが、このショートムービーに漂う幸福感はなんだろう。これが発表された1999年は、後に「映画史上(最後の)最高の年」と呼ばれることになったのに勝手に符合めいたものを感じてしまう。
もちろんウェス・アンダーソンをはじめとして、彼が再演した元作品を監督した人たちも今も一線で活躍している。しかし、今のアメリカ映画界には、この当時にあった幸福感はもはやない。ここでまた「映画の終焉」というフレーズが頭に浮かんでしまうのである。