[2021年7月6日追記はじまり]
はてなブックマークコメントや Twitter でのご教示を受け、10人追加させてもらました(エントリタイトルや記述も一部変更しました)。
一部反応についてはリストに含めない理由を直接ご説明させていただきました。これでもまだ足りないと思いますが、一応ここまでとさせてください。なお、アカウントを削除されている方はそれ自体意思表示であり、こうしたリストに含めるべきではないと考えます。
[2021年7月6日追記おわり]
pha さんの「結局みんなキャッキャウフフしたかっただけなのか」にリンクされたおかげで、このエントリのはてなブックマークが今になってぐっと伸びたのだけど、これは2015年末、今から5年前以上にまとめたエントリである。そこで自然と以下の疑問が浮かぶ。
はてな出身の文筆家をざっと30人挙げてみる - YAMDAS現更新履歴https://t.co/iNApAqkp2I
— yomoyomo (@yomoyomo) June 27, 2021
phaさんのエントリで取り上げられたおかげでブックマークが伸びているが、これは5年以上前の文章である。果たしてこれに書いた条件で、この5年で登場した「はてな出身の文筆家」となると誰がいるだろうか?
これについて pha さんをはじめリプライをいただき、また前回のリストに入るべきだったのにワタシが見逃していた方を調べなおし、2016年以降編をまとめてみた(タイトルに「40人」と書いているが、実際には41人である。その意味は読んでいただければ分かると思う)。
リスト入りの条件は、だいたい前回と同様の「初めての著書を出す前からはてなブログ/はてなダイアリーをメインのブログとして利用していた人」とさせてもらう。ここでの「著書」は一般の出版社から刊行された紙の本の単著とさせてもらい、共著や編著、また電子書籍のみはカウントしないものとする(これも含めちゃうとワタシすら入っちゃうので)。また条件に合っているだろうと思っても、はてなのアカウントを削除済だと情報の特定が難しいので除いている。
前回のリストについて「卒業名簿みたい」という声があったが、今回にしても note などに移られた方が何人もおり、卒業名簿の気配はやはりある。前回30人、今回40人、合計70人を選ぶことで、極私的「はてな葬送の儀」を行ったとも言えるのかもしれない。
以下、あいうえお順。一部、敬称略。
ARuFa(id:arufa、Twitter、Wikipedia)
現在はオモコロ並びにそこでの匿名ラジオの更新が主になっているが、この方こそネットでとにかく面白いことをやり続けていたらそれが書籍につながった見本と言えるだろう。
石井あらた(id:banashi1、Twitter)
ご本人のブックマークコメントを受けて追加。この方の「山奥ニート」生活についてはスーモジャーナルのインタビューに詳しい。
石井てる美(id:gotoshin_terumi、Twitter、Wikipedia)
前回のリストには、この方を「文筆家」として入れるのはおかしいと思って入れなかったのかもしれないが(正直記憶が不確か……)、10年以上前からはてなダイアリーをやられていた方であり、そういうこだわりはもういいでしょうと今回入れさせてもらう。
市原千尋(水辺遍路、Twitter)
全国の9000あまりの池をめぐるというライフワークを記録するブログについては、週刊はてなブログへの寄稿に詳しい。ご本人は「ブログらしくない使い方」と書かれているが、ここまで蓄積されたときにものすごいデータベースになるという見本だろう。
井中カエル(id:monogatarukam、Twitter)
映画、アニメ、漫画のレビューブログはある意味定番なのかもしれないが、この方の場合カエルと主の対話形式というフォーマットがかっちり決まっているのが個性になっている。
尾登雄平(id:titioya、Twitter)
世界史ブログというとワタシも「歴ログ」が好きなのだけど、この方の週刊はてなブログへの寄稿を読むと、それを支えているのは毎日の勉強なのだなと頭が下がる思いである。
加島卓(id:oxyfunk、Wikipedia)
この方のブログを知ったのは佐野研二郎関係のエントリ(その1、その2)だったと記憶するが、2004年からはてなダイアリーを利用されており、文句なしのベテランユーザである。
紙屋高雪(id:kamiyakenkyujo、Twitter、Wikipedia)
マンガ評論の分野で著名な方であり、ワタシも昔から名前を存じていたため、リストに入らないと思い込んでいた。申し訳ありません。近年は町内会についての著書も書かれており、2018年の福岡市長選への立候補も話題となった。
月山もも(id:happydust、Twitter)
この方は「つきやま」だと思っていたのだが、NHKラジオの記事で「がっさん」なのを知った([2021年7月6日追記]:ご本人より「つきやま」で合っているとのコメントをいただきました。失礼しました)。毎回写真のクオリティが高い「山好きの女子による温泉ブログ」だが、車の運転免許を持っていないので、基本的に公共交通機関を利用というのに驚いた覚えがある。日常の記録は note のほうにある。
亀田恭平(id:kkamedev、Twitter)
公式サイト。ネイチャーエンジニアを自称するこの方は、「自然×IT」という軸が定まっており、最近は電子書籍やアプリも多数公開されているが、ブログの更新頻度がまったく落ちていないのはすごい。
北村紗衣(id:saebou、Twitter、Wikipedia)
さえぼう(さえぼー)先生の呼称でも知られるフェミニスト批評の強力な書き手であり、ウィキペディアンとしての活動も知られる(参考:特別企画「ウィキペディアとフェミニスト批評」)。この方の意見に常に賛同するというわけではないが、だからこそ氏の書くものには本当に教えられることが多い。
くどうれいん(工藤玲音)(id:eyezon、Twitter)
既にはてなブログを閉鎖し、完全に公式サイトに移行されており、このリストに含めるのは違うのかもしれないが、ご本人がそのブログ「水中で口笛」の意義と閉鎖の理由について書かれている文章を読み、どうしても入れたくなった。
群像4月号に発表した「氷柱の声」は、第165回芥川龍之介賞の候補作になっている。藤野可織さんに続くはてなユーザの芥川賞受賞が実現してほしいところ。
gemomoge(id:gemomoge、さっさっさっと毎日のごはん、Twitter)
レシピブログもワタシの守備範囲外なのだが、この方の週刊はてなブログの寄稿は、料理写真の撮り方のとても参考になるものだと思う。
小太刀右京(ポーランド礼賛日記、Twitter、Wikipedia)
ゲームデザイナー集団チーム・バレルロールの代表であり、TRPG のデザイナー、アニメの脚本やノベライズの仕事で知られる。現在は note に移られている。
柴那典(id:shiba-710、Twitter、Wikipedia)
かつてほぼ毎月購入していた雑誌 rockin' on のバックナンバーを取り上げるコーナー「ロック問はず語り」をやってたワタシ的には、この方の名前は約20年前からなじんでいたわけで、こういうリストに入れるのはとてもヘンに感じてしまう。というか、最初の著書が出たのは2014年なのだから、前回のリストに入れるべきだった。失礼しました。
Yahoo!個人をはじめ、CINRA.NET や現代ビジネスなどに寄稿されているが、最近では「無力感の中で」を読んで感じ入るところがあった。
ジニ(id:arcadia11、Twitter)
現在は note に軸足を移されている。FINDERS で連載「ゲームジャーナル・クロッシング」、他にも 4Gamer やリアルサウンドなどに寄稿している。
借金玉(id:syakkin_dama、Twitter、Wikipedia)
現在は完全に note にパブリッシングの主軸を移しているが、はてなブログは書籍化を目指してブログ始めたものであり、それをちゃんと実現させたのはすごいことに違いない。
杉田俊介(id:sugitasyunsuke、Twitter、Wikipedia)
雑誌「対抗言論」を立ち上げ、昨年末に刊行された『人志とたけし』も話題になった著者だが、思えば氏の初の単著『フリーターにとって「自由」とは何か』(asin:4409240722)を出された2005年は、はてなダイアリーの更新がもっとも活発であった時期でもあり、この方も前回のリストに含めるべきだった。
砂義出雲(id:sunagi、Twitter、Wikipedia)
砂義出雲先生(公式サイト)も前回のリストに入るべき方だった。本当に申し訳ありません。
はてなブログは近年は年数回の更新ながら、今年はゲーム『Outer Wilds』についてのエントリを二つバズらせており(その1、その2)、素晴らしいことだと思う。
辰巳JUNK(id:outception、Twitter)
この方も note に移行しつつあるが、アメリカのエンタメ関係におけるワタシの情報源の一つである。昨年までは文春オンライン、その後も CINRA.NET や Rolling Stone Japan に寄稿されている。
田中啓之(50kgダイエットした港区芝浦IT社長ブログ、Twitter)
ご本人のブックマークコメントを受けて追加。ブログがはてなブログであることに気づきませんでした。
たぱぞう(id:tapazou、Twitter)
ワタシ自身は投資関係は未だ門外漢に近いので、氏については週刊はてなブログへの寄稿を読んでもらうのがよいと思うのだが、今年6月に2冊新刊が出ておりすごいと思った。
チェコ好き(和田真里奈)(id:aniram-czech、Twitter)
この方のブログがずっと好きなのだけど、週刊はてなブログに寄稿された文章は、書き手にとってのブログの意義についての良い見本になっていると思う。
現在は AM の連載「女の人生をナナメから考えるブックガイド」で健筆をふるっている。
斗比主閲子(id:topisyu、Twitter)
今回の特集の契機になった pha さんの文章を受けて、トピシュさんも「今から3年前の6月にHagexさんが亡くなられてから、ネットで誰かと接点を持つことが極端に減りました」を書かれている。それを読み、ワタシも Hagex さんが亡くなられたとき書いた文章を思い出したりした。
名取宏(id:natrom、Twitter、Wikipedia)
2004年以来の言わずと知れたベテランユーザである NATROM 先生も本来なら前回のリストに含めるべきだった方であるが、やはり「文筆家」はおかしいと入れなかったのか。いずれにしても申し訳なし。
さすがに2010年代以降は更新頻度が下がっているが、コロナ禍においても変わらず有意義な情報発信をされていることに感謝したい。
乗代雄介(id:norishiro7、Twitter、Wikipedia)
2015年に「十七八より」で群像新人文学賞を受賞してデビューし、2018年に『本物の読書家』で野間文芸新人賞を受賞、そして今年2021年に『旅する練習』で三島由紀夫賞を受賞と小説家としてのキャリアを着実に積まれている氏だが、そのデビュー時点ではてなブロガーとしての長いキャリアがあり、ブログ名を冠した『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』が昨年書籍化されている。
速水螺旋人(id:rasenjin、Twitter、Wikipedia)
ソビエト連邦/ロシアを舞台とする作品で知られる漫画家で、最初の単行本が出る前年の2007年からはてなダイアリーを使われていたのでリスト入りすべきだった。
昨年も安倍首相辞任を受けたエントリが評判になった。
はらぺこグリズリー(はらぺこグリズリーの料理ブログ、Twitter)
料理ブロガーとして知られ、『世界一美味しい煮卵の作り方 家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ』は第4回料理レシピ本大賞 in Japan の大賞を受賞している。
藤井太洋(id:t_trace、Twitter、Wikipedia)
2012年に公式サイトに移管されているが、2003年から2008年まではてなダイアリーのヘビーユーザーだったのだからこのリストにも含めないのはおかしかった。今や日本を代表するSF作家であり、『オービタル・クラウド』で日本SF大賞、『ハロー・ワールド』で吉川英治文学新人賞を受賞している。
フミコフミオ(id:Delete_All、Twitter)
言わずと知れたはてなの人気ブロガーである。現在はぐるなびで「夫婦前菜」あらため「サラリーマン御祝膳問答」を連載されている。
ふろむだ(分裂勘違い君劇場 by ふろむだ、id:fromdusktildawn、Twitter)
この方の「分裂勘違い君劇場」があまりに長く人気ブログだったので、2018年まで著書がなかったというほうが不思議に思えて仕方ないくらだい。
平民金子(id:heimin、Twitter)
現時点で、はてなブログが非公開なのは残念だが、朝日新聞で「神戸の、その向こう」を連載されている。
平民さんには一昨年にお会いする機会があり嬉しかったが、それよりもお互いのことをネットでそれとなく認知しながら、長らく同じ時間を別々に生きてきたこと、そちらの方が重要だったのだ。
ぼのこ(id:rmtn、Twitter)
正直、週刊はてなブログへの寄稿を読むまで、この方のサイトがはてなブログでできているのにも気づかなかったくらいである。漫画ブログ自体は珍しくないが、この方の場合、YouTube も同時展開しているのは特色と言えるだろう。
ミネムラコーヒー(id:minemuracoffee、Twitter)
ご本人のツイートを受けて追加。昨年カクヨムで多くの人を震撼させた衝撃の作品の書籍化『転生したらスプレッドシートだった件』については KAI-YOU.net の記事に詳しい。
宮澤伊織(日々是魚を蹴る、Twitter、Wikipedia)
魚蹴の名前でも知られる氏も元のリストに入るべき方だった。申し訳ありません。『裏世界ピクニック』は漫画化に続き、今年TVアニメ化もされている。
山下泰平(id:cocolog-nifty、Twitter、Wikipedia)
公式サイト。この方の異才はゼロ年代からとんでもないもので、ワタシも2008年に一度お会いしたときに失礼なことを口走った話は以前にも書いたが、その異能がようやく書籍の枠に収まるところまで環境が整ったというべきなのかもしれない。
山田耕史(id:yamada0221、Twitter)
はてなブログで著名なファッションブログをやっているとなるとこの方しか浮かばない。現在ワークマンオンラインストアブログにも寄稿されている。
YUKIKAWA(ハングルマスター、Twitter)
韓国語の勉強というコンテンツが書籍化という夢の実現につながった方だが、一昨年は毎月100本、昨年は毎月80本、そして今年も毎月40本とずっと一定のペースでブログ記事を量産されているのはすごい。