日本人の「知の巨人」好きすぎ問題。日本において(日本人、それ以外問わず)「知の巨人」扱いされた人の一覧と格付けまとめを誰かやらないか
— yomoyomo (@yomoyomo) November 14, 2019
これ以前から思っていたことなのだが、日本人って「知の巨人」みたいに権威を祭り上げて、その人の専門分野でない領域まで意見を頼りがちなところあるよね。
さすがに「知の巨人」扱いされた人の一覧と格付けまとめまでは無理だが、その第一歩として、書名に「知の巨人」の文句があるものを人物別に集めてみた。基本的に「知の巨人」は他称なので、本の帯文にこの文句がある場合も含めてみた。ただし、条件に合っても、一冊で何人も対象になる本は(リストが発散するので)外した。
ワタシの世代では、この呼称を意識したのは立花隆あたりか。個人的には、この人が「知の巨人」っておかしいだろと思う人もいるが、そういう個人の好みはここでは置く。以下、生年順。
南方熊楠(1867-1941)
折口信夫(1887-1953)
アルフレッド・シュッツ(1899-1959)
アルフレッド・シュッツ――他者と日常生活世界の意味を問い続けた「知の巨人」
- 作者:ヘルムート R ワーグナー
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: 単行本
司馬遼太郎(1923-1996)
日本の小説家、ノンフィクション作家、評論家。
佐藤優(1960-)
日本の外交官、作家。
ニュートンから佐藤優までと書くとなんだそれはという話だが、何かしらの傾向も見えてくる。まずはっきり言えるのは、書名や帯文に「知の巨人」の文句が入るようになったのは、圧倒的に2010年代に入ってからである(上に挙げた25冊中17冊)。一方で、もっとも古い例は1994年6月1日刊行の『コミック ニュートン―近代科学を築いた知の巨人』で、これの編集者はどこまでこの文句に意識的だったのだろうか。
[追記]:近藤正高さんから、「知の巨人」はそもそも南方熊楠の代名詞として言われ出したんじゃないかという指摘があった。
「知の巨人」はそもそも南方熊楠の代名詞として言われ出したんじゃないかという仮説。調べたところ、熊楠を題材にした神坂次郎の『縛られた巨人』が1987年、津本陽『巨人伝』が1989年の刊行。 https://t.co/uba2Fw5EBz
— 近藤正高 (@donkou) November 17, 2019
調べてみると、南方熊楠についても条件に合う本を見つけたので、彼もリストに加えた。