キアヌ・リーブスの復活作となったシリーズ第一作目『ジョン・ウィック』について、シリアスだけど結構バカという点において彼らしい復活作とワタシは評した。『ジョン・ウィック:チャプター2』でも、コモンと窮屈そうに撃ち合う場面など、シリアスだけど結構バカという点は引き継がれていた。
さて、その前作において掟破りをしてしまったために高額の懸賞金がかけられ、全方位的に命を狙われることになった主人公だが、本作においてもバンバン敵を殺しまくる。その点において、本作もまぁ、馬やら本やらこれだけ殺しのために趣向を凝らしたもんだと感心させられる。
はっきりいって、ストーリーはどうでもよくて、主人公が謎っぽい人物に頼れば、なんか曰くがあるんでしょうと観客は思うしかない。一応この三作を経て、作中の時間は半月くらいしか経過してないはずだが、妻に託された愛犬の死というきっかけはもはやどうでもよくなっており、殺しの連鎖による主人公の暴走機関車ぶりを堪能するしかない。
そういう意味で、ワタシは本作を観て満足した。前作にローレンス・フィッシュバーンが登場したことで否が応でも連想させられる『マトリックス』とのつながりも、例の台詞が出たところで頂点に達する。本当にキアヌ・リーブスは映画に愛されている。
しかし、もう充分である。例によって続編を示唆する終わり方だったが、このシリーズを映画館で観るのは本作を最後とする。
あと本作においても、「この役をやれる日本人俳優はいなかったんだなぁ」という悲しみをまたしても感じてしまったよ。