話題の自主制作映画、「侍タイムスリッパー」海老名で見て来ました。
公開は8月でしたが、海老名イオンでの公開は10/25から。
この作品、最初の上映が池袋の「ロサ会館」という自主制作映画の聖地と言われる映画館。長くなるので詳しくは下で引用したデイリー新潮の記事にお任せします。
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思えば、昔は夕方に水◯黄門や大岡越前の再放送を何回見たか。父が西部劇と時代劇のファンだった事もあり、生まれる前の時代劇も多数観る(ほぼ強制w)環境にあった私。
特に殺陣が好きでした。
各俳優さんにはイメージ戦略があったかもしれませんが、独自のスタイルというものがありました。例えば萬屋錦之介さんの殺陣は本物の刀の重さを感じるリアリティを、大川橋蔵さんはまるで斬るというより舞っているように見える美しいものを、古い時代の映画は「スタアシステム」があり、また、松竹・日活などの会社のタレントは共演禁止もありました。
ちょっと迷走してしまいましたね。
今回の侍タイムスリッパー、本物の侍が現代にタイムスリップする映画です。自主制作なので、監督が11役(脚本、照明など)、助監督も主演女優(こちらも色々兼業)です。しかもその女優さんのお母さん(素人の方です)が小物の管理とか手伝っていたりして。
この映画が作られたのは脚本を読んだ京都のプロデューサーの「これ、何とかならんやろうか?」と京都撮影所の現場の人達に話をした事に始まります。
ここから後の成り行きはまさに原作のないドラマ。
細かい事はパンフレットに監督やスタッフ、遠い所にある映画館の支配人さんその他の方が長文で書いてありました。これがまた映画が作られるまでの別の物語を読んでいるようなすごい熱量のもので、途中うるるっと来たのは内緒です。特に人物紹介が普通の映画と違いすぎてツボでした。
この文章だらけ(たまーに写真)のが、この映画のパンフレットです。
肝心の映画ですが、お客さんもこの映画館にしてはよく入っていて、時々笑い声やその他みんな入り込んでいる感じ。自分もでしたが。
殺陣は圧巻でした。「黒澤監督の継承」などと某所では言われているそうですが、それはたぶん違うと思います。この映画は、長く続いた時代劇の現場の様々な人達、監督、その他いつもは脇役だったり、50歳まで俳優と築地とで働いていた人など、愛すべき日本の映画バカさん達の物語です。
事前に出演する予定で本人に内諾を取った「福本清三さん」(5万回斬られた男として有名な俳優さん)の訃報により頓挫しかけた計画が、福本さんの担当の方からプロデューサーの方に話が行き、奇跡的に出来た映画です。途中ツッコミ所は多々ありましたが、それでも完成品が出来上がる。これが物作りでは一番大事だと思っています。
主役を演じたのは今まで無名に近い52歳の山口馬木也さん。役に憑依したかのような演技はこの先引っ張りだこになりそうな予感がします。
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映画も魅力的ではありしたが、その背景もとても魅力的な作品でした。