『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は『売上最小化、利益最大化の法則』(ダイヤモンド社)の著者である北の達人コーポレーション代表取締役の木下勝寿氏を招いて、創業以来培ってきたECでのノウハウやデジタルマーケティングについて聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。

木下 勝寿氏(きのした かつひさ)氏(右)
北の達人コーポレーション代表取締役
1968年神戸生まれ。大学在学中に学生起業を経験し卒業後はリクルートに勤務。その後独立するも事業に失敗しフリーターに。無一文の中、成功するためにどこでビジネスを行うべきかを徹底調査した結果、北海道が最も可能性を秘めた土地であるという判断をし、北海道へ移住。人脈もない状況から事業を起こし、東証1部上場企業にまで押し上げる。2021年6月に上梓した『売上最小化、利益最大化の法則』はAmazon3部門でベストセラー1位、楽天ブックス、Paypayモール、紀伊国屋書店、honto等でランキング1位となる

望月 智之(もちづき ともゆき)氏(左)
いつも取締役副社長
東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はEコマースビジネスのコンサルティングファームとして、数多くの企業に戦略とマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費の専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。2019年に『2025年、人は「買い物」をしなくなる』、2021年に『買い物ゼロ秒時代の未来地図 2025年、人は「買い物」をしなくなる〈生活者編〉』を上梓

望月智之氏(以下、望月) 北の達人コーポレーションは2000年からすでにECを始めていて、今やEC界では知らない人はいない企業です。木下さんにまずお聞きしたいのが、コロナ禍で大手企業もどんどんECへの取り組みを加速していますが、こうしたECの盛り上がりや競合となりそうな大手企業の参入をどう見られていますか?

木下勝寿氏(以下、木下) 大手企業のECへの取り組みは、昔からほとんどうまくいっていないと思っています。というのも、大手企業にとって収益を生むビジネスは別にあり、ECはあくまで盛り上がってきているから試しにやっているだけということが多いんです。そのような“お試し事業”にエース級の人材を入れることはないでしょう。

望月 リスクヘッジやトレンドには乗っておきたいからと、中途半端に取り組んでしまって結局うまくいかない。オムニチャネルやIoT、AI、DXなどトレンドワードと共に新規事業部ができて、時間と共に消えていくというのはよくある話だと思います。

木下 そうですね。特にECやウェブマーケティングでは、企業や製品などのネームバリューや資金力はあまり関係がなく、実は人材勝負の世界です。言葉は悪いですけれど、人生を賭けてウェブで勝負しているようなベンチャーが、エース人材ではない人に負けるわけがないのです。

望月 言葉にすると根性論っぽくなりますが、やり切る覚悟を持って本気で行動できるかどうかが差別化ポイントになるということですね。実際に私もECコンサルティングのいつも社を立ち上げて今まで1万以上の案件に携わってきていますが、やり切る・やり続けることが今につながっていると感じます。

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