今日はHalsey(ホールジー)の2024年10月25日にリリースされた[The End (ジ・エンド)]を和訳してみます。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- 曲名: The End (ジ・エンド)
- アーティスト名: Halsey (ホールジー)
- 収録アルバム: The Great Impersonator (ザ・グレート・インパーソネイター) *Track 6
- アルバムリリース日:2024年10月25日
Halsey (ホールジー)は、アメリカはニュージャージー州ワシントン出身のシンガー・ソング・ライターです。
この曲[The End (ジ・エンド)]は2024年10月25日ににリリースされた5枚目のオリジナル・アルバム[The Great Impersonator (ザ・グレート・インパーソネイター)]の6曲目に収録されてます。
直訳すると「終わり」。とてもシンプルだけど重いタイトルです。
このアルバムは「1960年代から2000年代に自分がアーティストだったら」というコンセプトアルバムです。
1960年代から2000年代の音楽を探求しながら制作されていて、SNS上で10月8日からアルバム発売までの18日間のカウントダウンを開始し、インスピレーションを受けた曲のアーティストと、ホールジーがその真似を並べて投稿しました。
今回紹介する[The End]ではジョニ・ミッチェルにインスパイアされた曲です。
Day 14 of counting down to #TheGreatImpersonator October 25th
— h (@halsey) 2024年10月20日
THE GREAT IMPERSONATOR #14: my favorite lyricist of all time, Joni Mitchell
TRACK 6: The End
I saw Joni at the bowl last night and it was one of the greatest privileges of my life. pic.twitter.com/GPwuXiVSUl
各時代の空気を感じさせ、アルバムトータルで聴くと時代を旅しているような雰囲気になるけど、歌詞はここ数年免疫系の難病に悩まされているホールジーの独白的な内容が主となっています。
彼女の混乱している時期の自己表現と、オマージュという形を取り他者へ変身しながら自分自身を作り変えて異なる表現をすることが誰かの物まねにならずにホールジーの歌・アルバムだと感じられるのが今作の特徴です。
ただただ悲哀に満ちた苦し気な作品という訳ではなく聴く人の興味を引く仕掛けもしっかり考ていて飽きさせないアルバムになっています。
なお英詞は"genius.com"から引用し、Official Lyric Videoから補足しています。
和訳後の感想や曲のエピソードは歌詞の下に記載しています。
Halsey - The End (Official Lyric Video)
歌詞/和訳
Title : The End
Producer : Halsey, Michael Uzowuru & Alex G
Writer : Halsey
[Verse 1]
Every couple of years now, a doctor says I'm sick
Pulls out a brand new bag of tricks *1 , and then they lay it on *2 me
And at first, it was my brain, then a skeleton in pain
And I don't like to complain, but I'm saying sorry
ここ何年か、医者は私を病気だと言う
あらゆる術策を調べて、それを押し付ける
最初は脳が原因だと言い、そしたら軋むような痛みが押し寄せる
不平は言いたくないから、謝るしかない
[Pre-Chorus]
When I met you, I thought I was damaged goods
Had a fucked-up childhood
And there's poison in my brain and in my blood
あなたに会って、自分を傷物だと思った
めちゃくちゃな子供時代を過ごしてきて
脳と血には毒が残ってるんだ
[Chorus]
If you knew it was the end of the world
Could you love me like a child?
Could you hold me in the dark?
If you knew it was the end of the world
Would you like to stay a while?
Would you leave when it gets hard?
これが世界の終わりだとしたら
子供みたいに愛してくれるかな
暗闇にいる私を抱きしめてくれる?
これが世界の終わりだとしたら
暫くここにいてくれるかな
そして辛くなったら去ってしまうの?
[Verse 2]
So I ran into the clinic and I asked to see the man
With his white coat and his stethoscope *3 like a snake around his hand
And I told him I'm not bitter 'cause I finally found a lover
Who's better for my liver, and now I'll finally recover
そして私は病院に行って医者の診断を受けた
医者は白衣に蛇のように聴診器を巻き付けてる
私は恋する人が出来たからもう大丈夫だと言った
その人は一緒に過ごしやすい人で、やっと回復できそうだと言った
[Pre-Chorus]
When I met him, I thought I was damaged goods
From a real bad neighborhood
So we wrestled in the mud
And I told him he could stay right where he stood
But I don't know if he should
'Cause once my God destroys the flesh, then there's the flood
あなたに会って、自分を傷物だと思った
酷い場処で育ったんだ
まるで泥まみれで格闘してたみたい
そして彼にそのままそこにいればいいと言った
彼がどうするかはわからない
だって神はすでに私を破壊し、それから洪水が起きるから
[Chorus]
If you knew it was the end of the world
Could you love me like a child?
Could you hold me in the dark?
If you knew it was the end of the world
Would you like to stay a while?
Maybe we could build an ark
これが世界の終わりだとしたら
子供みたいに愛してくれるかな
暗闇にいる私を抱きしめてくれる?
これが世界の終わりだとしたら
ここにいてくれるかな
逃げ場を見つけられるかもしれないから
[Bridge]
We could sail on broken driftwood through the sopping *4 wet terrain *5
And count the buildings and the bodies getting swallowed by the rain
And in the water, there's the doctor who didn't listen to my claim
What a shame, he's circling a drain *6
びしょ濡れの場所を壊れた流木で漂っている
雨に飲み込まれる建物や死体を数えてる
水の中には私の意見を聞かなかった医者がいる
お気の毒に、彼の息はもう絶え絶えだ
[Outro]
When I met you, I said I would never die
But the joke was always mine 'cause I'm racing against time
And I know it's not the end of the world, but could you pick me up at 8?
'Cause my treatment starts today
君に会ったとき、私は絶対に死なないと言ったけど
それはいつもの冗談で、時間との戦いだったんだ
世界が終わるわけではないけど、8時に迎えに来てくれるかな
今日から私の治療が始まるんだ
トラック・インプレッション
ホールジーが病気に苦しんでいる時の歌で、アルバムの中では特に独白的な色が濃い曲です。
彼女一人で作詞作曲しアコギ一本で歌われています。
医者が勧める治療法ではなかなか改善しない病気に対する苛つき、そこから来る医者に対する猜疑心、医者をも恨んでしまうような辛い気持ち。
そして良いパートナーと出会ったのだけど病気のせいで彼を心から信用できず、こんな自分と一緒にいると彼がいなくなってしまうかもしれないという不安。
コーラスでは「世界が終わる時にずっと寄り添っていてほしい」という願いを繰り返しながら、アウトロでは、「世界が終わることはないけど治療に付き合ってくれない?」とちょっとしたお願いをしている歌詞が何とも切なくて悲しくなってしまう。
実際、ホールジーの病気は障害持ち続けないとならないようで、ここ2年程で体調が良くなってきてはいても治療を続けなくてはならないという悲しい現実とその生活が繰り返されることが歌われます。
ホールジー、大丈夫かな.....と心配になるくらい辛い歌です。
私自身もメンタルが弱いながらも何とか乗り越えてしまっている生活をしているのですが、時々、乗り越えているふりをしているだけなのかな、と思ったりします。
思うのは、何とかメンタルを保つことができているのは音楽に救われているのだと思います。
この曲では病気にまるわる日々の生活について何の結論も出てないですが、どこか欠陥を抱えて苦しみ悩んでる人には特別心に響く歌です。
また下からホールジーの他の記事([アルバム他の曲の]和訳等)が見れますのでクリックしてください。
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