今日はRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)の [I Could Have Lied] です。直訳は「俺は嘘をついたかもしれない」ですね。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- トラック名: I Could Have Lied - (アイ・クッド・ハヴ・ライド)
- バンド名: Red Hot Chili Peppers (レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
- 挿入アルバム名: Blood Sugar Sex Magik
(ブラッド・シュガー・セックス・マジック) *Track 6 - アルバムリリース日:1991年9月23日
レッチリが5月に来日しますね。
私も5月20日のチケットを取りました。あと10日程です。今から楽しみです。
今日は彼らの5枚目の「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」からです。
アメリカで1,000万枚のセールスを記録した大ヒットアルバムで、セールス的には次々作
[Californication]が上ですがレッチリの代表作といえば「ブラッド・シュガー~」でしょう。
そしてなぜこの曲なのかというと、ライブが近くなり海外のセトリサイトでどんな曲をやるのかなぁとぼんやり見ていたらこの曲が定番曲として定着しているからです。
もっというとアンコールの1曲目で、超有名曲[Under the Bridge]とこの曲が日替わりで演奏されています。
どちらかという[Under the Bridge]の日が多いですがこの曲も[Under ~]の代わりに多くの会場で演奏されてます。
「ブラッド・シュガー ~」はアルバムリリース時にさんざん聴いたアルバムなのですが、この曲ほとんど印象に残っておらず、久々に聴いたけどこんな曲あったけ、と、なんなく切ないメロディを覚えている程度でした。
そんなアコースティックソングを改めて聴いてみます。
和訳後の感想は歌詞の下に記載しています。
歌詞/和訳
[Verse 1]
There must be something in the way I feel
That she don't want me to feel
The stare she bares cut me (*1)
I don't care, you see, so what if I bleed?
I could never change just what I feel
My face will never show what is not real
俺の想い方に何かあったのか
それは彼女が俺に感じてほしくないことだったんだ
彼女の視線が俺を傷つけた
俺は気にしないよ、わかるだろう、俺が血を流したらどう思うんだ?
俺の気持ちは変えることは決してできない
本当じゃない自分を見せることは出来ないよ
[Verse 2]
A mountain never seemed to have the need to speak
A look that shares so many seek
The sweetest feeling I got from you
The things I said to you were true
I could never change just what I feel
My face will never show what is not real
山が言葉を話す必要がなんてないだろう
その見た目は人々が求めるものを分かち合うものなんだ
俺がお前から得る甘い気持ち
俺がお前に言った事は本当なんだ
俺の気持ちは変えることは決してできない
本当じゃない自分を見せることは出来ないよ
[Chorus]
I could have lied, I'm such a fool
My eyes could never, never, never keep their cool
Showed her and I told her how
She struck(*2) me but I'm fucked up now
俺は嘘をついたかもしれない、バカだった
私は冷静でいることがどうしてもできなかった
俺は彼女に示し、彼女に話したんだ
彼女は俺叩きつけて、俺はもうめちゃくちゃだ
[Guitar Solo]
[Verse 3]
But now she gone, yeah, she gone away
A soulful song that would not stay
You see, she hides 'cause she is scared
But I don't care, I won't be spared
でも彼女は去ってしまった、そうなんだ、彼女は出ていってしまった
気持ちのこもった歌は残らないもの
わかるだろう、彼女は怖いから隠れるんだ
でも気にしないよ、私は救われないよ
[Chorus]
I could have lied, I'm such a fool
My eyes could never, never, never keep their cool
Showed her and I told her how
She struck me but I'm fucked up now
I could have lied, I'm such a fool
My eyes could never, never, never keep their cool
I showed her and I told her how
She struck me but I'm fucked up now
俺は嘘をついたかもしれない、バカだった
私は冷静でいることがどうしてもできなかった
俺は彼女に示し、彼女に話したんだ
彼女は俺叩きつけて、俺はもうめちゃくちゃだ
俺は嘘をついたかもしれない、バカだった
私は冷静でいることがどうしてもできなかった
俺は彼女に示し、彼女に話したんだ
彼女は俺叩きつけて、俺はもうめちゃくちゃだ
[Outro]
Fucked up
もうめちゃくちゃだ
注釈
(*1) The stare she bares cut me
直訳すると「彼女が見せるその視線は俺を傷つけた」ですが[bares]は[bear]の過去形のようなので「あらわにする」とか「むき出しにする」といった意味のよう。
これだと意味が通らないので「彼女の視線が俺を傷つけた」としました。
(*2) Struck たたく,打ちつける
トラック・インプレッション
和訳が終わって思ったのが、粗暴な男がガールフレンドをDVまがいに傷つけ、逃げられてしまったことをしんみりと後悔する曲なのかなと思いました。
それでもタイトルとコーラスで歌われる"(俺は)嘘をついたかもしれない"について、何の噓をついたのかが謎でした。
ただ、[Songfacts]を見てみると、ヴォーカルのアンソニー・キーディスが、当時ガールフレンドだったシニード・オコナーに振られた後に書いた曲とのことです。
シネイド・オコナーは80,90年代から洋楽を聴いている人なら知らない人はいないと言って良い有名な女性シンガー・ソング・ライターです。
そして"嘘をついた"については下記のように書かれてます。
The song is about lying about cheating, which is what he thought he could have done to avoid getting dumped.
この曲は浮気についての嘘について歌ったもので、彼はそれがフラれるのを避けるためにできると考えたことだった。
嘘の内容はわからないですが、つい嘘をついてしまい彼女が怒り関係が終わってしまったようです。
嘘をついたことを釈明したけど、どちらかというと彼女から一方的に振られてしまった、ということが想像できます。
落ち込んで誰かに頼りたいと思い、そのことをギタリストのジョン(フルシアンテ)に相談したら、彼もシネイドに腹を立てつつ曲を作ろうと誘ってくれてこの曲が出来上がったとか。
恋愛体験を即座に作品に仕上げるというアーティスト気質もさすがだと思いましたが、アンソニーとシネイドが付き合っていたということが驚きです。
そんなシネイドに振られたことを失恋ソングにするなんて、ロック界の暴れん坊、暴君のイメージがあるレッチリのフロントマン、シンガーの意外なナイーヴな一面が見られました。(失恋したら普通だれでも落ち込むか...)
そしてシネイド・オコナーは、昨年2023年7月に56才で亡くなっています。
1990年にプリンスの[Nothing Compares 2 U]のカバーが大ヒットしました。
収録されていたアルバムも曲のPVも凄く印象的で歴史に残るというより記憶に残るアーティストでした。
外見も考え方もエキセントリックですが美人で才能のあるアーティストのシニードへのアンソニーの想いはかなり深かく、彼女の死もありセットリストに取り上げているのでしょう。
ではまた。次もレッチリだと思います。