東京湾岸エリアに原発を作ろう
2021年1月30日
仕事仲間とのグループ旅行で、新潟県にある「東京電力 柏崎刈羽原子力発電所」を見学した事がある。
柏崎刈羽原発は、1985年に1号機の営業運転が始まり、1997年に最後の7号機が稼働した。ひとつの原発としては世界最大の821万KWを生み出すが、現在は全ての原子炉が定期点検中で停止している。
私が見学したのは、東日本大震災発生の前年、2010年6月だ。見学は予約制で、原発敷地内にある「電力資料館」に行くと、広報の担当者が付きっ切りで、約2時間の見学ツアーが始まった。
始めに館内で原発の仕組みなどの説明を受ける。要は、「原発は安全です」をPRする施設だ。
柏崎刈羽原子力発電所の模型
展示パネル
展示物を見た同行のひとりが「あっ、“でんこちゃん”だ」と口にした。“でんこちゃん”は東京電力のマスコットキャラクターで、テレビのCMにも出演していた。
すると、広報担当者は、「新潟の人は“でんこちゃん”を知らないんです」と答えた。ここは東北電力の管内で、東京電力のテレビCMは放送されてなかった。
他人のエリアに原発を作ったのか、と再認識した。
原子炉模型を上から覗くと・・・
ここが送電線の起点 電線は首都圏までつながっている
資料館での“学習”が終わると、東電の車に乗り込んで、敷地内の見学だ。
「1号機から4号機までが柏崎市に、5号機から7号機までが刈羽村にあります」と、説明してくれた。
意地悪な同行人は、「では、税金はどう納めているのですか」と質問した。
答えは、「1~4号機、5~7号機の発電量に応じて2つの自治体に割り振る」との事だった。
その時は、話を聞き流して終わったが、東日本大震災後に認識が変わった。
福島第一原発は、大熊町と双葉町の境界にある。
福島第二原発は、楢葉町と富岡町の境界にある。
東電の原発は、どうやら自治体の境界に作るようだ。
原発を作り、稼働するには、地元自治体の同意が不可欠だ。2つの自治体に原発マネーが流れれば、同意も取り易い。そういう事だったのか。
福島第一原子力発電所 (大熊町・双葉町)
福島第二原子力発電所 (楢葉町・富岡町)
本当に安全な施設ならば、東京湾岸の大きな遊園地の隣りに原発を作ればいい。
電気だって地産地消で、送電ロスが無い方が良いに決まっている。
それが出来ないのは、なぜなのか?
「必要だけど近くにあると困る物」を、経済基盤が弱く過疎に悩む地域に押し付けていないだろうか。
柏崎刈羽の原子炉のうち、新しい規制基準に適合した6、7号機は、再稼働に必要な原子力規制委員会の審査を終え、この春にも、原子炉に核燃料を入れる検討をしている。東電が再稼働を急ぐのは、22兆円とも言われる、福島第一原発の廃炉経費と住民への補償費用を捻出したいからだ。
地元の柏崎市長、刈羽村長は、再稼働を容認しているが、新潟県知事は「福島での事故の検証が先」として慎重な姿勢を示している。
仕事仲間とのグループ旅行で、新潟県にある「東京電力 柏崎刈羽原子力発電所」を見学した事がある。
柏崎刈羽原発は、1985年に1号機の営業運転が始まり、1997年に最後の7号機が稼働した。ひとつの原発としては世界最大の821万KWを生み出すが、現在は全ての原子炉が定期点検中で停止している。
私が見学したのは、東日本大震災発生の前年、2010年6月だ。見学は予約制で、原発敷地内にある「電力資料館」に行くと、広報の担当者が付きっ切りで、約2時間の見学ツアーが始まった。
始めに館内で原発の仕組みなどの説明を受ける。要は、「原発は安全です」をPRする施設だ。
柏崎刈羽原子力発電所の模型
展示パネル
展示物を見た同行のひとりが「あっ、“でんこちゃん”だ」と口にした。“でんこちゃん”は東京電力のマスコットキャラクターで、テレビのCMにも出演していた。
すると、広報担当者は、「新潟の人は“でんこちゃん”を知らないんです」と答えた。ここは東北電力の管内で、東京電力のテレビCMは放送されてなかった。
他人のエリアに原発を作ったのか、と再認識した。
原子炉模型を上から覗くと・・・
ここが送電線の起点 電線は首都圏までつながっている
資料館での“学習”が終わると、東電の車に乗り込んで、敷地内の見学だ。
「1号機から4号機までが柏崎市に、5号機から7号機までが刈羽村にあります」と、説明してくれた。
意地悪な同行人は、「では、税金はどう納めているのですか」と質問した。
答えは、「1~4号機、5~7号機の発電量に応じて2つの自治体に割り振る」との事だった。
その時は、話を聞き流して終わったが、東日本大震災後に認識が変わった。
福島第一原発は、大熊町と双葉町の境界にある。
福島第二原発は、楢葉町と富岡町の境界にある。
東電の原発は、どうやら自治体の境界に作るようだ。
原発を作り、稼働するには、地元自治体の同意が不可欠だ。2つの自治体に原発マネーが流れれば、同意も取り易い。そういう事だったのか。
福島第一原子力発電所 (大熊町・双葉町)
福島第二原子力発電所 (楢葉町・富岡町)
本当に安全な施設ならば、東京湾岸の大きな遊園地の隣りに原発を作ればいい。
電気だって地産地消で、送電ロスが無い方が良いに決まっている。
それが出来ないのは、なぜなのか?
「必要だけど近くにあると困る物」を、経済基盤が弱く過疎に悩む地域に押し付けていないだろうか。
柏崎刈羽の原子炉のうち、新しい規制基準に適合した6、7号機は、再稼働に必要な原子力規制委員会の審査を終え、この春にも、原子炉に核燃料を入れる検討をしている。東電が再稼働を急ぐのは、22兆円とも言われる、福島第一原発の廃炉経費と住民への補償費用を捻出したいからだ。
地元の柏崎市長、刈羽村長は、再稼働を容認しているが、新潟県知事は「福島での事故の検証が先」として慎重な姿勢を示している。