はじめに
パソコンの事をよくわかってない私が、一般のご家庭によくあるPCゲーム環境を、
自らの力で構築するために奮戦した結果を記録します。
よくわからず無茶苦茶なことしていると思いますので、良い子の皆は真似しないで下さいね。
今回のテーマは「UbuntuでSteam」です。
所々、伏字・イニシャル・俗称が出てきますが、お察し下さい。
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対象機種
・DELL Latitude E5570
DELLが2016年に発売したノートパソコン。今回メーカーは何も悪くない。
第6世代intel core i なので、Windows11には非対応。
だが非対応なPCにWindows11を強引にインストールして、再生PCとして売り捌く業者が多数横行している。
当然ながらこの状態でのサポートはしないことをMicrosoftは明言している。
support.microsoft.com
さらに問題なのは、こういう業者が普通に尼でAmaz○n Renewed(認定出品者)として扱われている点。
尼の審査はガバガバ、信用してはいけない。他のeコマースでも同様。
Intelは第8世代Core、AMDはRyzen 2000以降が必須条件なので、それより古いCPUにWindows11がインストールされているPCはAmaz○n Renewedでも全部アウト。
例え業者の住所が日本でもダメなものはダメ。
詳細はMicrosoftのサイトを参照。
learn.microsoft.com
Windows11を普通に使いたい人は、良く確認した上で条件を満たした中古か新品を買った方が良い。
だけど、わかって買う分には実用性のまだあるPCを安く手に入れられるという事。
とある中古業者からWindows11インストール済み再生PCとして売られていたE5570を買った。
Core i3モデルを約1万円で購入したのだが、状態は良いしバッテリーもまだ使える。
まぁ、業者はリース終了品をタダ同然で引き取って売り逃げするつもりなんだろう・・・。
一般のご家庭でも古くなったWindows PCにLinuxを入れて継続使用するということは、よくあると思う。
今回は怪しげなWindows11なんかバッサリ消してしまって、Ubuntuをインストール。
そもそもライセンスだって(ry
PCゲーム環境を構築するのがテーマなので、前々からやってみたかったUbuntuにSteamをインストールし使えるかどうか検証する。
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スペック
OS:Microsoft Windows 11 Home (非対応) → Ubuntu Desktop 24.04.1 LTS
CPU:intel Core i3-6100 CPU @ 2.30GHz
ストレージ:SSD 500GB
メモリ:DDR4 SDRAM 8GB*2 (換装)
グラフィックスプロセッサ:Intel HD Graphics 520 (プロセッサーに内蔵)
内蔵ディスプレイ:15.6型 最大解像度 1366 x 768
無線LAN:IEEE802.11ac/a/b/g/n
その他:Bluetooth
外部インターフェイス:Type-A USB×3、有線LAN、SDカードスロット、ミニピンジャック、HDMI、VGA
メインメモリは購入後に換装。元の容量は4G。
本体と合計しても1万5~6千円ほど。
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インストールは詳細に解説しているサイトが多数あるので、ここでは簡潔に。
操作は青色で記述。
Ubuntuイメージファイルを公式からダウンロード。
www.ubuntulinux.jp
一般のご家庭でも普通に使われていると思う Ubuntu Desktop 24.04.1 LTS を選択。
Live USB(インストールメディア)作成のため、Rufusを下記リンク(窓の杜)からダウンロードする。
forest.watch.impress.co.jp
公式では、 balenaEtcher というツールを推奨しているが、Windows環境下で使うとトラブルが発生したので、以前にも使ったことのあるRufusを使用。
Live USB 作成
Rufusを起動、イメージファイル・USBメディアのドライブを選択し、[スタート]ボタンをクリック。

Live USBからインストール
起動時に UEFIでSecure Boot を切っておかないといけない。切っていないと USB Boot が Boot Menu に出てこない。
Live USB から Ubuntu 起動後の手順は下記の通り。
デスクトップ上の Install Ubuntu 24.04.1 LTS を起動
"Welcom to Ubuntu" ウィザード ウィンドウが開く
"Choose your language:" で、[日本語]を選択し[次]
"Ubuntuのアクセシビリティ" はそのまま[次]
"キーボードレイアウトを選択してください" は、[日本語]が選択されているので[次](キーボードによる)
”インターネットの接続方法を選択してください” は、とりあえず切断状態でそのまま[次]
”Ubuntuをインストールしますか?” は、[対話式インストール]を選択し[次]
”開始時にどのアプリをインストールしますか?” は、[既定の選択]を選択し[次]
"推奨するプロプライエタリなソフトウェアをインストールしますか?" は、何も選択せず[次]
"どうやってUbuntuをインストールしますか?" は、[ディスクを削除してUbuntuをインストールする]を選択
"アカウントの設定" を入力し[次]
"タイムゾーンを選択してください" は、[Asia/Tokyo]を選択し[次]
"インストールの準備完了" で表示されている内容を確認し[インストール]
インストールが完了したら再起動。
これで、Wi-Fiも音源もBluetoothも認識され動く状態。
ドライバをソースからコンパイルしてシステムに認識させてconfig書き換えて・・・、と身構えてたので拍子抜けした。
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初期設定方法も詳細に解説しているサイトが多数あるので、ここでは簡潔に。
インターネットには接続できている前提。
操作は青色、コマンドは紫色で記述。コマンドはターミナル開いて入力。
レポジトリサーバーを日本に変更
まず[設定]ウィンドウを開く。
Dock(デフォルトでは左端あるツールバー) → Show Apps(Ubuntuロゴのボタン) → [ 設定]アイコン
次に[ソフトウェアとアップデート]ウィンドウを開く。
左ペイン:システム → ソフトウェアのアップデート → ソフトウェアの更新メッセージ の[設定]ボタン
サーバーを変更。
[Ubuntuのソフトウェア]タブ → [ダウンロード元:]を ”日本のサーバ” に変更

さらに、Ubuntu Japanese Teamパッケージリポジトリ追加。
$ sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/noble.sources
-O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.sources
$ sudo apt -U upgrade
$ sudo apt install ubuntu-defaults-ja
※参照サイト
www.ubuntulinux.jp
システム更新
パッケージ情報を更新するコマンド(アップデートできるものを示す)
$ sudo apt -y update
インストールされているパッケージを更新するコマンド(現行の依存関係を重視)
$ sudo apt -yV upgrade
ディストリビューション全体を最新版にアップグレードする(必要に応じて依存関係を見直す)
$ sudo apt -yV dist-upgrade
依存関係がなく不要と判断されたパッケージ削除
$ sudo apt -yV autoremove
キャッシュされているがインストールされていないdebファイル削除
$ sudo apt autoclean
再起動
$ sudo shutdown -r now
※ ubuntu the following upgrades have been deferred due to phasing というメッセージが表示される
原因はよくわからないが、 python3-distupgradeとそれに関連するパッケージが上記メッセージが表示されアップグレードされない。
どうもPython3がややこしいことになっていたらしい。
python3-distupgradeを個別で指定することでアップグレードされたが、必要ないならアップデートしない方が良いかも。
$ sudo apt -y install python3-distupgrade
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日本語環境 設定
日本語環境を設定していく。
操作は青色、コマンドは紫色、レスポンスはピンク色で記述。
日本語環境 インストール
「設定」ウィンドウから、
左ペイン:システム → 地域と言語 → Manage InstallLanguages
言語サポート ウィンドウが開いたら、
言語のインストールと削除... > "日本語" にチェック > 適用ボタン
インストール時に言語を日本語にしていれば、日本語にチェックが入っていた気がするが念のため確認。

入っていなければチェック入れて適用し、再起動する。
Fcitx 5 インストール
日本語入力システムを、わかりやすいFcitx 5に置き換える。
$ sudo apt install fcitx5-mozc
再起動後、「設定」ウィンドウから、
左ペイン:システム → 地域と言語 → Manage InstallLanguages
言語サポート ウィンドウが開いたら、
"キーボード入力に使うIMシステム" で [Fcitx 5] を選択

再起動後、右のツールバー上Fcitx 5アイコン(キーボードの絵)をクリックし、
設定 → Fcitx の設定 ウィンドウ → 入力メソッド タブ:左側を ”キーボード - 日本語” , ”Mozc” の順に変更 → 適用ボタン

「現在設定されている入力メソッドがレイアウトと一致しません。レイアウト設定を変更しますか?」とメッセージが表示されたらYesボタン。
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ネットワーク関連 設定
PCゲーム機と言えども最低限、一般のご家庭向けネットワーク関連設定をしておく。
操作は青色、コマンドは紫色で記述。
ネットワーク情報 確認
いつの間にかifconfigが使えなくなってた。非推奨だと・・・。
$ ip addr show
IPアドレス確認
$ ip route show
ルート情報確認
$ sudo apt install openssh-server
設定は弄らない。とりあえず、起動確認。
$ sudo systemctl status ssh
その辺のWindows PC からTera Termで接続確認する。
Windowsからリモートデスクトップ接続できるように設定。
「設定」ウィンドウから、
左ペイン:システム → Remote Desktop
Detktop Sharing → ON
リモート コントロール → ON
Login Detailes → パスワード:任意の物に設定(ユーザーパスワードとは別のものが設定されている)

その辺のWindows PC からリモートデスクトップで接続確認する。
クリップボードも共有される。
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Steam 設定
いよいよ、Steamを入れていく。
store.steampowered.com
上記リンク先のページで「Steamをインストール」をクリックすると、Steam_latest.deb パッケージがダウンロードされる。
Steam インストール
ダウンロードしたSteam_latest.deb パッケージをダブルクリックすると、インストールが開始される。
ターミナルが開いて何回かEnterキーを押さないと進まない場面がある。
パスワード認証を求められる場面もあるので、都度入力する。
終了するとデスクトップにショートカットが作成されるので、Steamランチャーを起動する。
Proton 有効化
初期状態のSteamランチャーでは、Valveが動作確認したゲームしかインストールできない。
未確認ゲームはインストールボタンが押せなくなっているが、実際には動作するゲームも多い。
そこで、制限解除の設定をする。
まず設定ウィンドウを開く。
Steamウィンドウ:左上ニュー → 「Steam」 → 設定
設定ウィンドウが開いたら、
設定ウィンドウ:左ペイン → 互換性 → 「ほかのすべてのタイトルでSteam Playを有効化」をオン

「再起動が必要です」のメッセージの「再起動」ボタンをクリックし、Steamを再起動。
ランチャーの操作自体はWindows版と変わらないので、あとはゲームをインストールして動かしてみるだけ。
ライブラリで「詳細を表示」アイコンをクリックすると、SteamDeck互換性情報が確認できる。
SteamDeckで動作を確認済みなら、Ubuntuでも動くはずだと思う。

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検証
実際にゲームを動かしてみた結果を書いていく。
所持しているゲームの中で、ValveによるSteam Deck互換性の確認が取れていないものをなるべく探して動かしてみた。
3Dゲーム等スペックを要求されるものに関しては、なるべくオプション設定を落としている。
起動してから少し遊んでみて、問題無さそうであれば起動確認とした。
細かい不具合等は確認していないし、長時間プレイもしていない。
PCスペックが低いために発生する問題も有るかと思われるので、参考程度に考えていただきたい。
所持しているゲーム全てを確認するのは困難なので、気が向いたら新たに確認したゲームを追記するかもしれない。
・2064: Read Only Memories → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・9th Dawn Remake → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Ace of Seafood → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Animal Fight Club → SteamDeck互換性は"不明"、プレイ不可。起動はしている様だが画面に何も表示されない。(2024年11月)
・Art Of Gravity → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Artificial Defense → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Buckshot Roulette → SteamDeck互換性は"プレイ可能"、起動確認。(2024年11月)
・City of Brass → SteamDeck互換性は"非対応"、起動可。オープニングムービーで音が出ない。グラフィックオプション落とせばE5570でもプレイは可能。(2024年11月)
・Clones → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Crash Time 3 → SteamDeck互換性は"プレイ可能"、起動確認。(2024年11月)
・Critical Annihilation → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Darkout → SteamDeck互換性は"不明"、プレイ不可。キャラ・ワールド選択までは動作するが、スタートしてLoading Worldの後画面に何も表示されない。(2024年11月)
・A Date in the Park → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Decay: The Mare → SteamDeck互換性は"不明"、プレイ不可。タイトル画面は表示されるが無反応。(2024年11月)
・DESYNC → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Dex → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。オプションのLANGUAGEで日本語が選択不可。プレイは可能。(2024年11月)
・DreadOut → SteamDeck互換性は"不明"、プレイ不可。マウスによる視点操作の挙動がおかしい。(2024年11月)
・Droid Assault → SteamDeck互換性は"不明"、起動不可。(2024年11月)
・Dungeon Warfare → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Fibrillation HD → SteamDeck互換性は"不明"、プレイ困難。マウスによる視点操作速度が速すぎる。(2024年11月)
・Fighting Robots → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Frozen Synapse → SteamDeck互換性は"非対応"、起動可。音が全く鳴らない。プレイは可能。(2024年11月)
・GLADIABOTS - AI Combat Arena → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。SettingsでLanguageを日本語に変更すると、文字が表示されない。プレイは可能。(2024年11月)
・Half-Life 2 → SteamDeck互換性は"プレイ可能"、起動確認。(2024年11月)
・Happy Room → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。SETTINGでLanguageを日本語に変更すると、文字が表示されない。プレイは可能。(2024年11月)
・hocus → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Hover → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Hyper Knights → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。OptionのLanguageで日本語の選択ができない。プレイは可能。(2024年11月)
・Kinoko → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。E5570ではスペック不足でプレイ確認が無理だった。(2024年11月)
・Knock-knock → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。Languageで日本語の選択肢が表示されない。表示されるはずの箇所(5つ目)をクリックするとゲームが落ちるが、再起動すると日本語化されている。プレイは可。(2024年11月)
・Layers of Fear (2016) → SteamDeck互換性は"不明"、起動可。LANGUAGEで日本語を選択すると一部文字が表示されず、読解が困難。プレイは可。(2024年11月)
・Meadow → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・PAKO - Car Chase Simulator → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
・Ravenfield → SteamDeck互換性は"プレイ可能"、起動確認。グラフィックオプションを落としてベンチマークで20~25FPS程度、E5570のスペック不足。プレイは可。(2024年11月)
・Vampire Survivors → SteamDeck互換性は"確認済み"。快適にプレイできる。(2024年11月)
・奇天烈相談ダイヤル → SteamDeck互換性は"不明"、起動確認。(2024年11月)
そもそもまともに動作しないというのを除けば、一番多いトラブルは日本語表示に関する物だった。
フォント絡みの問題・・・?何か解決法があるのだろうか。
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結論
あっさりSteamゲームが動かせた。
パフォーマンスも問題ないし、思った以上に互換性もあった。
Latitude E5570 もここまで使えたら元取ったも同然。
今回はとりあえずお試しだったが、UbuntuでPCゲーム機を組んでみても面白いんじゃないかと思えた。
ひとつ残念なのは、手持ちのコントローラが使えなかった事。
私がリスペクトするストリートジャンカー系Youtuberがお勧め(&案件なのに分解修理)していたので購入したBIG BIG WONのコントローラーを、どうしても認識させることができなかった。
xboxdrvとか入れてみたが、全く反応せず。lsusbではとりあえず表示はされていたが・・・。
コントローラーに関しては引き続き調べてみる。
以上。