「世界糖尿病デー」糖尿病 どうしたら防げる?

11月14日は「WorldDiabetesDay」=「世界糖尿病デー」です。
茨城県つくば市の病院では、これを前に糖尿病の予防や治療の重要性について知ってもらおうというイベントが開かれました。

茨城県つくば市の筑波大学附属病院では、糖尿病について正しい知識を持ってもらおうと、毎年、この時期にイベントを開いています。
会場では、糖尿病診断の目安になる血糖値や過去1か月から2か月の平均的な血糖値を反映するHbA1cを確認できるブースが設けられ、訪れた人たちが測定していました。
また、糖尿病にかかると骨や筋肉などが衰え立ったり歩いたりするための機能が低下した状態=ロコモティブシンドロームになりやすいといわれるため、「ロコモ」かどうかをチェックするブースも設けられ、理学療法士がスクワットなどの効果的な運動方法を指導していました。
さらに、糖尿病で重要と言われる食生活について、紹介するコーナーでは、管理栄養士が病院食では摂取する塩分を減らすために、汁物の味は変えず、汁の量を減らしていることや、揚げ物を炒め物に変えてカロリーを下げていることなどを説明していました。
筑波大学附属病院内分泌代謝・糖尿病内科松田高明医師は「食事への理解を深めてもらったり有酸素運動や筋トレなどを取り入れてもらったりすることが、糖尿病の予防や悪化防止に効果的です。症状がなくても日々の健康チェックを心がけていただけたらと思います」と話していました。

【糖尿病=ダイアベティスとは】
糖尿病=ダイアベティスは血糖値が高い状態が続いて、悪化すると腎臓病や失明、神経障害などにつながる病気です。
国内では患者とその予備軍があわせておよそ2000万人に上るともいわれています。
また、全世界では成人の10人に1人が患者だとされ、「世界糖尿病デー」はこうした状況を踏まえて予防や治療などの正しい知識を啓発しようと治療に必要なインスリンを発見したフレデリック・バンティング博士の誕生日にちなんで制定されました。
毎年、世界各国で著名な建物をブルーにライトアップするイベントが行われていてことしは国内でも東京都庁や神奈川県庁、各地の医療機関のほか、渋谷スクランブルスクエアやレインボーブリッジなど過去最多となる279か所でライトアップが行われます。
また、「日本糖尿病学会」などは、「糖尿病」という病名が症状を正確に表していないことや「尿」ということばが誤解や偏見を生んでいることなどから、「糖尿病」ではなく、英語名の「ダイアベティス」と呼ぶよう呼びかけていて、ことしから「世界糖尿病デー」についても、「WorldDiabetesDay」に表記を改めています。

【発症リスク確認できるツールも公開】
糖尿病の予防にはバランスの取れた食生活や運動などが推奨されていて、年齢や生活習慣などをもとに発症リスクを確認できるツールも公開されています。
国立国際医療研究センターが民間企業と開発した「糖尿病リスク予測ツール」では身長や体重、血圧や喫煙の有無などのデータを入力すると、3年以内の発症確率がパーセンテージで示されます。
対象は、糖尿病と診断されたことがない30歳から64歳の人で、同世代の平均的な発症リスクと比較できるほか、生活習慣へのアドバイスなども表示されます。