AIが心の状態判定 必要なケアにつなげるシステム 運用始まる

新型コロナウイルスで厳しい感染対策が続く中、心の不調を訴える人が増えていることから、国立精神・神経医療研究センターなどのグループは、AI=人工知能を使って心の状態を判定し、必要なケアにつなげるシステムを立ち上げました。

このシステムは、国立精神・神経医療研究センターと3つの大学のグループが、東京都、埼玉県、愛知県にある8つの自治体を対象に始めました。

スマートフォンなどから「KOKOROBO」と呼ばれるウェブサイトにアクセスし、物事に対してほとんど興味が湧かない、とか疲れた感じがするなどの35の質問に答えるとAIが心の状態を4段階で判定します。

注意が必要と判定されると、認知行動療法と呼ばれる心理療法を取り入れたAIとチャット形式で会話することができるほか、ケアが必要な場合は臨床心理士にオンラインで相談することもできるということです。

心の状態の判定などは、対象となっている自治体以外でも利用できるということで、グループでは新型コロナウイルスにより環境が大きく変わる中、多くの人を必要なケアにつなげたいとしています。

国立精神・神経医療研究センターの中込和幸理事長は「少し疲れたと感じていても医療機関を受診する決断がつかない人は、まずはセルフチェックから始めるという気持ちで使ってほしい」と話しています。