作家 室井佑月さん
一病息災
[作家 室井佑月さん]糖尿病(1)膵臓腫瘍で手術
2005年夏、みぞおちが差し込むように痛んだ。「胃潰瘍かな?」。受診すると大学病院を紹介された。
「
19歳で上京し、銀座のホステス、モデルなど独力で稼いできた。1997年、アルコール依存の女子高生を描いた短編「クレセント」が文学賞に入選し、一気に売れっ子の作家に。テレビのワイドショーでは、政権に遠慮しない発言が支持されていた。
怖いものはない。いつ死んだっていい。
でも、当時5歳だった息子の顔がよぎると、胸がチクンとした。離婚後、誰にも追い出されない母子の家が欲しいと、がむしゃらに働いていた時期だった。コラムや小説の締め切りは月に60本を超えていた。
幸い、ウズラの卵大の腫瘍は良性。ただ、悪性に変化する可能性もあり、手術で取り除くことになった。
膵臓の3分の2と
退院のとき、医師から告げられた。「膵臓をかなりとったから、将来的に糖尿病になるかもしれません」
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作家
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