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政府が13日に行った世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求について、読売新聞が20宗教法人に見解を尋ねたところ、信教の自由との兼ね合いなどで賛否が分かれた。政治と宗教の関係などについても様々な声が聞かれた。
解散命令請求を「妥当」「やむを得ない」としたのは5法人で、3法人は「反対」、ほかの12法人は賛否を明らかにしなかった。
「妥当」などとしたうち、仏教系の霊友会は、高額献金で生活が破綻した信者が多数いることを念頭に「旧統一教会は人を幸せにする宗教と逆の動きをもたらした。解散命令請求はその動きに制限をかけるもので、信教の自由を守ることにつながる」とした。
臨済宗妙心寺派は「請求はやむを得ない。信教の自由は国民の権利だが、公共の福祉に反して何をしてもよいというわけではない」との見方を示した。
崇教真光も「どちらかと言えば妥当」とした上で、「法令違反や不法行為のある団体がないか行政機関が定期的に状況を把握し、指導する制度づくりも大切だ」と指摘した。
一方、請求に反対とした3団体のうち、幸福の科学は「信教の自由の侵害で、事実上の宗教弾圧だ。(請求理由の)『民法上の不法行為』の適用範囲が不当に拡大される恐れがある」と懸念した。
曹洞宗も反対の立場で、請求を受けて旧統一教会の信者が居場所を失ったり、過激化したりしないように「信者や家族に寄り添った支援が求められる」との考えを示した。
日本基督教団の事務局は「旧統一教会や関連する政治団体と自民党などとの問題が明らかにされておらず、解散は『目くらまし』にすぎない」と主張した。
請求への賛否を明らかにしなかった法人からも、政治と宗教との関係などについて意見があった。
公明党の支持母体・創価学会は「宗教団体の政治、選挙活動は憲法で保障された国民の権利だ。一方で、特定の宗教団体が国から特権を受けたり、保護を求めるようなことはあってはならない」と説明した。
一方、生長の家は「政治活動に深く関与すると、本来の宗教活動が後回しになる。政治家は、宗教団体が目指す政策実現をないがしろにする傾向がある」とした。1983年に方針を変え、政治への直接的関与をやめたという。
日蓮宗は、親が旧統一教会の信者である「宗教2世」から独自に聞き取り調査を行ったといい、「課題を掘り下げ、対策を検討している」と明かした。