購買力の高い層への広告施策をワンストップで!YOMIKO✕楽天グループが実現する"令和の富裕層向け"広告ソリューション | 読売広告社 YOMIKO ADVERTISING INC.

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購買力の高い層への広告施策をワンストップで!YOMIKO✕楽天グループが実現する“令和の富裕層向け”広告ソリューション

2024.07.18

近年、円安や物価高など、生活者を取り巻く環境は日々変化・多様化している状況です。この状況について一層の拍車がかかる中、「これまでと異なる新しい層へアプローチしたい」という声がクライアント企業から聞かれるようになりました。

そんな声を受け、購買力の高い新しい富裕層にアプローチできる広告ソリューション「令和リッチオリジナルセグメント『パッケージ』」を制作しました。このソリューションは、新しい富裕層に向けてシード作成から広告配信、効果検証までをワンストップで展開できるという特長があります。そんな新ソリューションを共同で制作した楽天グループ 宮川拓也氏、鈴木健一氏、YOMIKO 佐々木崇秀、桑野大介に、施策の目的と狙い、成果、今後の方向性について聞きました。

購買力の高い新たな富裕層「令和リッチ」とは?

― 2023年にYOMIKOは「令和リッチオリジナルセグメント『パッケージ』」というソリューションを楽天グループさんと展開されました。この施策のベースとなったのは、YOMIKOで行った新たな富裕層の実態を探る「富裕層(若年リッチ・富裕層)の消費・意識調査究」だったそうですが、まずこの研究の目的をお聞かせください。

佐々木:YOMIKOはもともと不動産業界のお客様と長くからのお付き合いがあります。不動産市場やデベロッパーの動向を見ていると、コロナ禍で消費活動が活発化しなかった時期でさえも売れ行きはまったく落ちませんでした。不動産だけでなく、宝飾品や自動車などの高額商材も同様です。不動産という高額商材を扱うクライアント企業とお付き合いがある中で、購入している富裕層を押さえておくべきという見解から、2021年に研究がスタートしました。

― どのような研究結果が得られたのでしょうか。

佐々木:これまで不動産などの高額商材は、一部の富裕層が購入するという認識でした。しかし最近は、若い年齢層やダブルインカム(共働き)の購入が増えています。そこで富裕層を構成する要素が変わってきているという仮説を立てました。

今回の研究では20~40代の若年リッチ層にフォーカスしました。この若年リッチ層は、これからの消費をけん引する「令和リッチ」として、具体的には3つの層にさらに分類したうえで、分析を行いました。まず、起業した会社や事業を売却して富裕層になった「起業家リッチ」、代々資産を引き継いできた「世襲リッチ」、そして共働きで年収2000万円クラスの世帯である「ダブルエンジン」です。

令和リッチの3つの層

佐々木:令和リッチの1つの特徴として、所有派が多い富裕層に比べ、所有欲がそれほど高くなく、サブスクやシェアへの関心が高いといった傾向があります。
そんな令和の富裕層の実態をより詳しく検証するために、楽天グループさんに協力していただいて定量調査を行うことになりました。

令和リッチと従来の富裕層とのサブスクサービスに対する意識比較

1億超(※)のIDデータと幅広いソリューションを持つ楽天グループ

― 研究を進めるなかで楽天グループさんのデータやソリューションを活用しようと決めた背景や決め手を教えてください。

佐々木:アンケートだけではわからないことがたくさんあるからです。実際「新しい富裕層」と一概にいっても、具体的にどのような層なのかはわかりません。「単に世代格差の問題なのでは」という指摘もありましたので、実際にデータで検証する必要がありました。

楽天グループさんは、生活調査と膨大なデモグラデータを紐付けて動向分析できるので、以前から調査の依頼をしています。たとえば「同じ20〜40代でも、令和のリッチ層と一般の方ではこうした違いがあります」といった傾向などを数値で見ることができるのです。膨大なデータに裏打ちされたインサイトが得られる点が決め手でした。

桑野:今回は研究フェーズで終わりではなく、実際に広告を配信して生活者に情報を届け、その成果を分析するところまで展開したいという目的がありました。これまでYOMIKOではなかなかできなかった取り組みでしたが、楽天グループさんには運用型広告「RMP – Display Ads」を始め、広告の効果検証を行う「R-DCRブランドリフトサーベイ」などPDCAを回す仕組みが整っています。調査から配信までワンストップでできることを加味して、協力をお願いしました。

宮川氏:楽天グループは現在70以上のサービスを提供しており、クロスユース率は7割超(※)となっています。多くのサービスを利用いただいていることで楽天経済圏は形成されており、1億以上(※)のIDに基づくビッグデータの「質」と「量」、特に事実データを持っている点に強みがあると考えております。楽天経済圏のデータはもとより、オフラインデータの蓄積もしており、オンオフの様々なデータをシングルIDで一括管理しています。楽天経済圏のデータを分類したデータベースなど、ユーザー行動から推計したデータの活用も可能です。
※ 2024年3月末時点

佐々木:そうしたデータを基に、YOMIKOが立てた仮説に基づくペルソナ像と実際の調査結果をかけ合わせ、その結果を基に広告配信から効果検証までワンストップでできた点は大きかったと思います。

広告主のニーズに応じて調査から広告配信、効果検証までワンストップで提供


― 令和リッチオリジナルセグメント『パッケージ』について、どのような施策を行ったのか内容を教えてください。

佐々木:施策は複数のフェーズに分けました。まず新しいタイプの富裕層=令和リッチ層を楽天IDで見つけるという仮説立てのフェーズ、次に楽天プロダクトを活用して広告配信を行うフェーズです。普通はここで終わりですが、さらにそこから検証フェーズということで、令和リッチ層がインターネットサービスの楽天市場でどのような購買をしているのかを分析したり、広告接触者と非接触者でブランド認知に差があるのかを検証したり、ワンストップでPDCAを回していく形でパッケージ化し展開しました。

YOMIKOオリジナル「令和リッチオリジナルセグメント『パッケージ』」

桑野:広告配信に当たっては、YOMIKOのクライアント企業であるジュエリーブランドやデベロッパーの協力の下で実施しました。お客様の要件に合わせてどのソリューションを活用できるのか長期にわたって検討を繰り返したおかげで精度の高いターゲティング配信ができたと思います。

また今回の広告配信に関しては、CPAなどの数値成果よりも、これまでと異なるお客様にアプローチできているのか、購買行動の変化や態度変容はどうだったのかを見ることにも重きを置いていました。

鈴木氏:楽天グループは様々な広告プロダクトや配信方法・データ、調査手法などの個別ソリューションがあります。それらを組み合わせて一気通貫で仮説から検証まで行うということで、YOMIKOさんのお話を伺いながら要件に応じて必要なデータを用意し、最適なソリューションを構築しご提案を進めていきました。こうしてパッケージ化していくというのは当社にとっても初めての経験でした。

取り組みは2022年前後からスタートしましたが、この間に楽天グループ側のソリューションも拡充していて選択肢が増えましたし、組織体制としても分析ソリューションと広告ソリューションの営業窓口が一本化されたことで情報共有・連携がしやすくなりました。これも成果につながったと思います。

今回の施策で、新しい購買層の開拓に成功

― 施策を実行して得られた成果について教えてください。

桑野:ブランド認知の伸びのほか、広告を配信した母集団に対しての成果も公平に評価され、クライアント企業の皆さまには大変ご満足いただけました。

広告効果測定イメージ

佐々木:最初の仮説にあるとおり「起業家リッチ」や「ダブルエンジン」などの新しい富裕層に特有の特徴も見えました。

一般にブランド広告は、その広告を見た方に憧れを持ってもらい、購買のきっかけにすることが主目的ですが、今回の検証を分析すると、ブランド認知が各層にもたらす変化に違いがあることがわかりました。たとえば起業家リッチの方は、そのブランドを投資対象として捉えたり、ダブルエンジンの方はブランドの社会的意義に注目するなど、全体の傾向を見るだけではわからない特性も把握できました。

― 楽天グループさんは今回の成果をどう評価されていますか。

鈴木氏:今回初めてインサイト調査から広告配信、事後調査の成果をお出ししましたが、社内でもこのパッケージが注目されました。こうした施策はお客様からのニーズがあって初めて可能になるのですが、今回仮説から施策、検証までを一直線につなげて成果を見ることができた点や、汎用性の高いソリューション構築の一例となり、当社にとっても大きなナレッジになりました。

また、調査からオリジナルセグメントを作り、そもそもの目標だった「新しい購買層」にしっかり配信できたという点についても大きな成果だったと思います。施策を打っても期待した態度変容が起きないことは多々ありますが、佐々木さんのお話にあったように、全体では見えないけれど層ごとで違いが出たということは、目的のターゲットにしっかり当てられていたということなので、分析結果を基にオリジナルセグメントを作成する価値が証明できたと思います。

宮川氏:個別のソリューションをパッケージにしたことで、YOMIKOオリジナルの「令和リッチ」というキーワードが新しいソリューションとなりました。非常に意義のある取り組みだったと思います。

時代の変化を先読みし、新しいソリューション創出を目指す


― この取り組みを踏まえ、今後両社でどのようなことを展開していくのか、構想を教えてください。

宮川氏:今回は新しい富裕層というテーマでPDCAをパッケージ化しましたが、今後は違うテーマで横展開をしたいと考えています。また直近リリースした「RMP – Unified Ads」は、データとの親和性が高い楽天グループサービス面への配信ができるので、楽天経済圏内でのマーケティングも効率化・活用しながらさらに幅広く展開したいと思います。

鈴木氏:楽天グループではオフラインデータの拡充も続けているので、ポイントパートナー(加盟店様)やTrue Dataの購買データを含めた分析・購買リフトなど、オンオフ統合でのカスタマージャーニーを、次の展開にできれば嬉しいですね。当社としては、今後こうしたユニークな取り組みをさらに広げていきたいと考えています。

桑野:令和リッチソリューションの取り組みはまだ途上なので、お客様を広げながら骨太なプロダクトにしていきたいと思います。また令和リッチだけでなく、別のテーマでの分析や配信も始めているので、ぜひこれからもご協力をお願いできればと思います。

佐々木:令和リッチ層について研究を続けていきたいですね。また可処分所得を持つ新しい層の開拓に悩んでいるクライアントさんは多いので、今後も楽天グループさんのさまざまなソリューションを活用させていただき、クライアントさんの課題解決に寄与していきたいと思います。

― 最後に、こうした取り組みを通じ、今後はどのようなGAME CHANGEをしていくのかお聞かせください。

桑野:これまで広告会社は、お客様の課題を聞いて解決策を提案していくスタイルでした。しかし、生活者のニーズが想像以上のスピードで変化しているなかでは、起きている課題を解決するのではなく、「こういう時代になるから、こういう解決策が必要だ」と先読みして提案できることが必要だと思います。今回の取り組みもその1つだと思っていて、これをきっかけに新しいソリューションをこれからも仕掛けていきたいと思います。

佐々木:私も同じ意見です。いまは時代そのものがGAME CHANGEしている状態なので、そうした状況を踏まえつつ、次に生まれる課題に対する新しいソリューション開発に取り組んでいきたいです。

― ありがとうございました。 (終)

(左から順に)
デジタルコンサルティングセンター  プランナー
桑野 大介

楽天グループ株式会社
コマース&マーケティングカンパニー マーケティングパートナー事業
アカウントマネジメント部 
シニアマネージャー
宮川 拓也氏

楽天グループ株式会社
コマース&マーケティングカンパニー マーケティングパートナー事業
アカウントマネジメント部 パートナー営業課
鈴木 健一氏

マーケットコンサルティングセンター ルーム長
佐々木 崇秀