ここ何か月かの小泉政権の動きと回りの反応とを見ていると、次の二つの点を強く感じます。
一つは、一つの風潮に反抗することを許さないという、一部(あるいは大勢か)の熱狂的というかヒステリックなまでの動き。
そしてもう一つは、それらの反応に閉口して、あるいは支持を失うことを恐れて、敢えて対抗する姿勢を見せずに無難にこの時局を乗り切ろうとする対抗勢力の動き。
以上の二点です、前者については、与党野党を問わず小泉首相とその閣僚を批判する人間に対して罵声や感情的な反発を浴びせる一部(あるいは大勢か)の民衆であり、後者については、その反応を恐れて正面切って小泉内閣を批判できない与党の非主流派や野党であろうと思います。
私はこれらの動きは、一つのブームに熱中しやすいという日本人の国民性を強く感じるのですが、一方でこれらの動きについては二重の意味で強い危惧を感じています。
一つは大多数の支持を背景に小泉首相(あるいは小泉内閣全体)が、独善的な行政を指向する可能性があるということ。そしてもう一つが、小泉首相が飽きられて支持率が低下し、結果として改革が徹底せず我が国にとって更に悪い方向へと進んでいく可能性があるということです。
杞憂に過ぎないのかもしれません。
しかし、前者についてはドイツのナチス政権という前例があり、後者についても細川内閣という格好の前例があります。政治において、イメージだけが先行することがどういうことをもたらすかということをしっかり学んでいる人々はまだ少ないのかもしれません。
暴走するリーダー、あるいはボロボロにされて棄てられるリーダー。
どちらのようなリーダーにも、小泉首相にはなって欲しくないですね。