生物資源環境科学科
生物資源環境科学科では、人類の生存を支える食料を効率的かつ安全に生産し、生態環境の保全に配慮しながら農業を実践できる理論と技術を有する人材の育成を目指し、総合的に教育・研究を行っています。
学科概要
生物資源環境科学科では、これからも人類が持続的に楽しく豊かに生活できる環境を作り出すために、植物や動物を利用した生産経済活動に関する学術分野を中心に、それらを取り巻く環境に関する学術分野も学び、農業と環境、経済活動、地域社会の相互関係が理解できる教育カリキュラムを提供しています。
1年次には、「共通教育科目」および「専門基礎科目」を履修し、一般基礎能力を身につけるとともに農学を対象とする実社会を俯瞰できる広い視野を養います。また、コミュニケーション能力も養うことを目的とした「基礎セミナー」や、農学の入り口となる「農学入門」を履修します。
2~3年次には、専門教育の基盤となる「基礎理論系科目」を履修し、自然科学や社会科学を基礎とする農学基礎能力を身につけます。「発展理論系科目」では、統計学や情報処理能力(コンピュータを用いた解析)を身につけます。これらとともに、学部授業では、専門分野の知識を習得します。本学科は、実験や実習系科目が多いのも特徴で、それらを通じて研究能力の素地を磨くとともに、農業分野にある課題に目を向けられるようになります。2年次には、進路を考えるきっかけになるように、「農学と職業」「農学研究入門」を開講しています。
4年次には、大学院創成科学研究科農学系学域の教員のもとで「特別演習」と「卒業論文」を履修します。これにより、実社会にみられる農学に係る問題を深く考え、これに対して調査・分析し、得た結果を論理的に考察することができるようにします。また、他者と議論を重ねながら自ら解決方法を発想して成果をあげることも重要視しています。
カリキュラム全体としては、専門性が高い授業が受けられることはもちろん、学生の主体的学びを推進するために積極的にアクティブ・ラーニングを導入しています。一部の授業においては、学外の専門家による講義と現場の見学を取り入れ、実社会での課題を認識できるようにしています。
本学科の担当教員は、大学院創成科学研究科農学系学域に所属しています。卒業論文研究で取り組む課題は、所属する教員の研究対象や研究手法がきわめて多様であることを反映して、幅広い学術分野にまたがっています。それらの研究には、遺伝子レベルの研究もあれば地球レベルの研究もあります。国内外との共同研究が盛んなことも本学科の特徴です。また、地域と密接に関連した研究も多く、高い評価を得ています。
カリキュラム
「授業科目一覧」はこちら(山口大学規則集)から農学部規則を検索し、当該規則の別表「教育課程編成表」ご覧ください。
特色ある科目紹介
農学入門Ⅰ(1年前期)・農学入門Ⅱ(1年後期)
農学で学ぶ各研究分野の導入として、農業の背景にある理論に触れ、農学の全容を把握します。
基礎農場実習(2年前期)
附属農場において、生物の生育段階と環境の変化に対応した基本的農業技術(春〜夏季間)を生産現場で体験・習得し、講義による知識の体験的理解を深めます。
農学と職業(2年前期)
農業、食料生産、地域環境に関する問題及び課題について理解を深めることを目的として、関連分野の近隣企業や試験研究機関などの関係者を講師に招き、業務の内容・課題・成果等について講義の形で話を聞くほか、現地見学を行います。
農学研究入門(2年後期)
一番身近な研究者である学科教員と外部研究者による講義を通して、研究の面白さは何かなど、最新の研究を交えて紹介します。
卒業論文(4年通年)
研究室配属後、教員の指導の下、テーマを決め、研究計画を組み立て、研究を行います。卒業論文を完成することで情報収集力、分析力、考察能力、プレゼンテーション能力が身につきます。
在学生の声(更新準備中)
博士前期課程・農学系専攻1年
(2021年3月現在)
田代 栞菜 さん
私は植物に当てる光の波長(色)や強さを変えて光合成に与える影響を測ったり、それが成長をどのように変化させるのかを数式で表現したりしています。この研究を建物の中で人工の光を使って野菜を栽培することで、いつでも天気に左右されずに栽培できる植物工場で実用化させることを目指しています。
高校生へのメッセージ
大学または大学院での研究は一見すると難しく感じますが、その基礎には高校生までに学んだ勉強や知識等も多く含まれます。それらの基礎は高校生までにしっかり固めておけば、数年後に行う研究に必ず役に立つはずなので、今過ごしている時間を有意義に使ってください。
植物工場でのLEDを照射した光合成速度測定の様子
進路・資格
生物資源環境科学科で取得できる資格
- 教育職員免許状(高等学校教諭一種・農業)
- 普及指導員(要実務経験)