1999年から5年連続で日本ジーンズ協議会主催の男性ベストジーニストに選ばれて殿堂入りを果たすなど、芸能界屈指のビンテージデニム愛好家として名高い草彅剛。そんな草彅は現在、私物の貴重なビンテージデニムを一堂に公開する展示会「ステイ ブレイブ(STAY BRAVE)」を11月17日まで東京・原宿の6142で開催中だ。今回、9日からの一般公開に先駆けて前日に関係者向けの内覧会が行われたのでレポートしたい。
「人生の集大成」と話す展示および書籍
「人生の集大成」と草彅が豪語する「ステイ ブレイブ」は、彼も出演したドラマ「拾われた男 LOST MAN FOUND」内の台詞を引用して名付けられた。開催のきっかけは昨年、香取慎吾と稲垣吾郎らと食事中にビンテージデニムの話で盛り上がり、2人の口から放たれた「デニムを見せてほしい」という一言だ。そのため主な内容は、彼が30年以上前から購入してきた私物のデニムの中より、計84本のビンテージデニムを展示するというもの。そして、全てが「リーバイス(LEVI’S)」の名品モデル“501”というのは、世界でも類を見ない。また、開催を記念して書籍「STAY BRAVE BOOK Vintage Levi's 501XX Collection」も上梓する熱の入れようだ。
会場は3フロア構成で、1階入口の扉を開けるとすぐに目に入るのが、プロローグと3台のビンテージバイクだ。プロローグの書き出しが「この本は」となっていることから分かるように、書籍の内容が現実世界に飛び出してきたような展示形態で、全84本のビンテージデニムをはじめ、会場の随所で展示されているファッションシュートの作品なども収録されている。3台のビンテージバイクは、いずれも草彅が普段からハンドルを握っている愛車の「ハーレーダビッドソン(HARLEY-DAVIDSON)」で、デニムに負けず劣らずの希少車だ。
その先の壁は、草彅本人が考案したオリジナルキャラクターと写真が撮影できるフォトスポットに。描かれているのは、ステージ上で頻繁に「リーバイス」を着用したことで知られるエルビス・プレスリー(Elvis Presley)風の“ツヨビス”と“エルビス”、草彅の愛犬“クルミ”と“レオン”に着想した“ツヨビス”の愛犬“シュガー”と“セサミ”だ。この2人と2匹は、展示および書籍で解説役を担っており、ビンテージデニムに明るくない人にも親しみやすく分かりやすい言葉で説明してくれる。
“501”のディテールの変遷を辿ることができる、愛好家らしい展示方法
フォトスポットを抜けるとエレベーターで1階から3階へと昇り、3階から2階にかけてメインとなるビンテージデニムの展示がスタートする。なお、この2フロアに関しては大半のエリアで写真・動画撮影が禁止となっているので注意が必要だ。
全84本は、“501”の原型が完成した1901年から草彅の誕生年である1974年まで、デザインの変遷を辿ることができるよう製造年順に10区分して展示。内訳は、1901年製が4本、ベルトループが付くなどディテールに大きな変化が生まれた1922年製が6本、レッドタブが付きサスペンダーボタンが無くなった1937年製が7本、いわゆる大戦モデルに当たる1942年製が17本、草彅が密かに1番推している年代だという1946年製が8本、デニムの完成形と謳われ「最終的にこのモデルが欲しくなる」という1947年製が15本、ジェームズ・ディーン(James Dean)らも愛した1953年製が7本、初のジッパーフライが登場した1954〜57年製が9本、革パッチから紙パッチに移行した1957〜66年製が6本、XX表記がなくなった1967〜74年製が5本で、そのどれもが博物館級の垂涎ものだ。
そして、「マネキンに穿かせたくなかった」とガラスケースの中に吊り下げるディスプレー方法を採用。こうすることで、ビンテージデニム特有の綾織による左右差のある歪んだ股下の形状が楽しめるだけでなく、サスペンダーボタンや欠損した革パッチ、ペンキステッチといった裏表のディテールもくまなく見ることができるのがポイントだ。
こだわりのグッズを豊富に展開
ビンテージデニムの展示を見終え階段で再び1階に戻ると、出口前にグッズ販売エリアが広がる。ここでしか購入することができない「フリーホイーラーズ(FREEWHEELERS)」との別注タートルネックスエット(5万円)をはじめ、デニム地のトートバッグ(7500円)や草彅直筆のイラストを落とし込んだリンガーTシャツ(1万1000円)、オリジナル柄のバンダナ(4000円)などが並ぶが、やはり最大の目玉は書籍「STAY BRAVE BOOK Vintage Levi's 501XX Collection」(1万3500円)だろう。「僕にしか書けない唯一無二の書籍」と太鼓判を押す同本は、先述の通り計84本のビンテージデニムの写真と解説だけでなく、エッセイやファッションシュートなどもオールカラーで320ページにわたって収録。製本にもこだわっており、デニム地を張り付けることで経年変化が楽しめる仕様となっている。
草彅剛のビンテージデニム愛好家という一面が楽しめると共に、訪れるだけでデニムの知識と理解が深まる貴重な展示会は、現在公式サイトにてチケットを販売中。平日限定が1800円、土日限定が2300円だ。
■「STAY BRAVE」
日程:11月9〜17日
時間:月〜木・日曜日11:00~19:00/金・土曜日 11:00~20:00
場所:6142
住所:東京都渋谷区神宮前6-14-2
入場料:平日1800円/休日2300円