「アシックス(ASICS)」は、デッドストックなど廃棄予定となったシューズを原料としたスニーカー“ネオカーブ(NEOCURVE)”を新たに開発、ヨーロッパ限定で発売した。価格は250ユーロ(約4万1250円)。
デザインは“スタジオ ヘーゲル”とコラボ
厚底のメタリック仕様に
スニーカー“ネオカーブ”は、資源投入量や消費量を抑え、ストックを有効活用しながら付加価値を生み出す“サーキュラーエコノミー”の実現を目指すもの。サンプル品や、自社規定に満たなかったものなどをリサイクルし、アッパーや靴底、ミッドソール、中敷きの一部として採用。シューズを再生した材料は、シューズ全体の約15%に使用、一般的な再生材料を含めた再生材料比率は全体で約25%となる。デザインは、オランダのデザインハウス“スタジオ ヘーゲル(STUDIO HAGEL)”とコラボ、2000年代初期のシューズのアーカイブを生まれ変わらせ、厚底のメタリックな仕様にまとめた。モデル名“NEOCURVE”は、新しい(NEO)生産方法であるサーキュラーエコノミーの実現に向けたシューズであり、既存のリニアエコノミーからの転換するポイント(CURVE)となる1足にしたいとの思いによる。またシューズの回収および解体、材料化、デザイン、製造、販売に至るまで、ヨーロッパ圏内で行い、二酸化炭素排出量削減も目指した。
アシックス社の村岡秀俊=サーキュラーエコノミー推進部部長は、「今回のプロジェクトは、捨ててしまうものから新しいものを作ることができるかというシンプルな疑問から始まった。『アシックス』では、最適化された生産、デジタルサンプル、製品の寄付プログラム、『ニンバスミライ(NIMBUS MIRAI)』の開発など、廃棄物を極力減らす取り組みに尽力しているが、一部の製品はお客さまに渡らないままになっている。『ネオカーブ』の開発により、これらの製品に再び光を当てて第二の人生を与えることができる、ということが証明された。今後も、循環型モノづくりのために何ができるかを検討していきたいと思う」とコメントしている。