YKKはこのほど、PET素材を最大限採用したPETガーメントリサイクル対応ファスナーの「NATULON Plus with Recycled PET Open Parts」を開発した。
同社は循環型社会に向けた商品開発を積極的に行なっており、今回発表されたファスナーもその一つ。PET素材の衣類のリサイクルをなるべく簡易にするため、同ファスナーのチェーンと開具に再生PETを使用した。うち開具の射出成形用のPET素材はYKKが独自開発した。一方、スライダーは選別のしやすさと耐久性を重視して金属を使用。これにより、PET素材の最終製品使用後の素材選別の手間を簡素化した。
同社は、9月にもビスロン(VISLON)シリーズ用のリペア対応エレメント商品の展開を開始した。こちらは、ビスロンファスナーのエレメントが取れてしまった際、ダイキャスト製のリペア対応エレメントの取り付けとファスナーの修理を可能にするというもの。専用の工具とともに展開することで、各ブランドのリペアセンターでの修理が容易になる。従来であれば製品からほどいて新しいファスナーに交換し、縫製するという作業が必要だったが、リペア対応エレメントがあれば破損した部分のみの修理で済むため、修理に必要な時間や、廃棄部品の削減を見込める。
今後もリサイクルやリペア対応の循環型商品を拡充し、サプライチェーン全体での視点からアパレル業界への環境問題に積極的に取り組んでいくという。