タペストリーが「スチュアート・ワイツマン」の売却を検討か 複数の情報筋がコメント - WWDJAPAN
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タペストリーが「スチュアート・ワイツマン」の売却を検討か 複数の情報筋がコメント

複数の情報筋によれば、タペストリー(TAPESTRY)は傘下に持つ「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」の売却を検討しており、同ブランドのジョルジオ・サルネ(Giorgio Sarne)最高経営責任者はすでに退任したという。同社の広報担当者は、本件についてコメントを差し控えるとした。

同社は、2015年に5億7400万ドル(約815億円)で「スチュアート・ワイツマン」を買収。ほかには「コーチ(COACH)」と「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」を保有している。23年8月には、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)を85億ドル(約1兆2070億円)で買収することに合意しており、24年末までに取引が完了する予定だった。しかし、米連邦取引委員会(FTC)は24年4月、本件を停止する仮処分を求めて訴訟。主にバッグカテゴリーにおける“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”市場の独占に関する懸念が一つの争点となっている同裁判は現在も進行中のため、取引は保留となっている。

「スチュアート・ワイツマン」はシューズブランドのため、仮に売却してもこうした“市場の独占”に関する懸念の解消には寄与せず、同裁判に影響はないと推測される。しかし、専門家らによれば、業績が芳しくない同ブランドを売却して手元資金に余裕を持たせつつ、カプリ買収の成立に向けて傘下ブランドを手放す用意があることをFTC側に示すことができるという利点があるという。

タペストリーと「スチュアート・ワイツマン」の業績

タペストリーの24年6月期決算は、売上高が前期比0.1%増の66億7120万ドル(約9473億円)、営業利益は同2.7%減の11億4010万ドル(約1618億円)、純利益は同12.8%減の8億1600万ドル(約1158億円)だった。

ブランド別の売上高では、主力の「コーチ」が同2.7%増の50億9530万ドル(約7235億円)と微増を維持したが、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同5.9%減の13億3440万ドル(約1894億円)、「スチュアート・ワイツマン」は同14.2%減の2億4150万ドル(約342億円)と減収だった。

なお、タペストリーはカプリ買収の資金調達のため、75億ドル(約1兆650億円)のデットファイナンス(借り入れもしくは社債発行による資金調達)を行っている。この返済のため、買収の完了後にカプリ傘下の「ヴェルサーチェ」と「ジミー チュウ」を売却するのではないかとの臆測が、今年2月頃に一部の市場関係者の間で広まっていた。

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