本明秀文の“ノット”スニーカーライフ「息子はアメリカ軍」 - WWDJAPAN
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連載 本明秀文のノットスニーカーライフ

本明秀文の“ノット”スニーカーライフ「息子はアメリカ軍」

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アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。アシックスが絶好調だ。7月12日に、2024年12月期の連結業績予想を大幅に上方修正したことを受け、アシックス株が続伸。16日には、時価総額が一時、2兆円を突破した。ここ数年、アシックスは、ライフスタイルカテゴリーでの注目度も高い。スニーカーバブルが弾け、他メーカーが苦戦する中、安定した人気を維持している。今回は、会社経営について。自らも会社を売却した本明さんが持論を展開する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月22日号からの抜粋です)

──トランプ前大統領が銃撃された事件で応戦した警察のスナイパーが、フランスのメーカー「サロモン(SALOMON)」の“スピードクロス6(SPEEDCROSS 6)”を履いていたと、一部のスニーカー好きの間で話題になりました。

本明秀文(以下、本明):スナイパーはペンシルベニア州の警察だよね。うちの長男がアメリカ軍の予備兵なんだけど、物資はミルスペックのアメリカ製じゃないとダメで、身に着けるものはもちろん、水筒から小さなパッチまで、とにかく全てアメリカ製。ジャケットが15ドル、フリースが10ドルぐらいの値段で、買うと給料から天引きされるらしい。基地によっては、「パタゴニア(PATAGONIA)」や「ニューバランス(NEW BALANCE)」も売っているとか。だから、州警察によってルールが違うのだと思うけど、スナイパーは自分で「サロモン」を買ったのかもしれないね。

──なるほど。国から提供されるモノは、全て国内製のモノなんですね。

本明:ビジネスには、少なからず国際関係や国と国との思想が影響してくる。米中関係が悪化すると中国で「ナイキ(NIKE)」が不振に陥るし、中東ではアメリカ製のシューズが売れない。一方、平和主義を掲げる日本は世界でうまく立ち回っていて、日本製のシューズは、どこの国でも受け入れられやすい。しかも安くて高品質。カタールでスニーカーのリセールショップを経営する知り合いは、「アシックス(ASICS)」や「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」を毎月大量に買いに来ている。円安な上に、店舗によっては、まとめて買うと割引にもなるらしく、数百足単位で買っているよ。それが現地だと2倍の値段で売れるとか。

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