アダストリアはここがスゴい!(2024年6月3日号) - WWDJAPAN
ファッション
連載 今週の特集お届け隊 第141回

アダストリアはここがスゴい!(2024年6月3日号)

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分2024年6月3日号析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月3日号からの抜粋です)

五十君:アダストリア(ADASTRIA)が業績好調です。特にコロナ禍以降、ECの「ドットエスティ(.st)」がドライバーとなり、勝ち組になっています。昨年は創業70周年の節目でもありました。

林:ユニクロ(UNIQLO)」擁するファーストリテイリング(FR)、しまむらに続いてアパレル企業としては国内3番目の規模。上位2社は「なぜ売れているのか」がよくメディアで解説されるが、アダストリアは扱うブランドの名は知っているけれど、社名は知らない人が多いのでは。

五十君:“修正力”をテーマに特集しましたが、木村治社長も会見や取材中に笑いを交えながら「うちは修正力が強みなので」と語りますし、思い返せば2018年3〜8月に赤字転落しても半年で巻き返していました。「ドットエスティ」の成長も、コロナで実店舗が閉まり、「さあどうする?」となってからの修正による部分が大きいです。

林:ブランド数は30以上。10数年前は若い女性向けの「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」が売り上げ筆頭でしたが、今はファミリー向けの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が稼ぎ頭。ライフスタイルブランド「ニコアンド(NIKO AND...)」も大化けしました。FRもしまむらも1つの業態で伸ばしてきた中で、マルチブランドで臨機応変にやってきました。

人たらしの陽キャ集団

五十君:まさに今もアパレル小売りからプラットフォーマーへ転換しようという変革のタイミングです。修正できるのは、失敗していいという風土があることの裏返し。やりたいことがあるなら「失敗してもいいからやってみなよ」と全力で応援してもらえると、取材した若手6人が異口同音で語っていました。一方、経営幹部に聞くと、「現場との風通しの良さ」をすごく意識しています。店を撤退するような時こそ、「それでも一緒にやっていこう」と現場と直接コミュニケーションする。すごく人たらしの陽キャの集まりだと思いました。

林:FRの柳井正会長もアダストリアの福田三千男会長もほぼ団塊世代で、実家が地方の紳士服店。手法もキャラクターも違っていますが、オーナー会長なので、それが社風にも出ていますよね。ビジネス拡大への貪欲さは柳井会長と近しいと感じます。

五十君:紆余曲折はあったものの、アダストリアは木村社長とそのチームという、福田会長が事業を託せる次の世代が育った点も強みですね。これからも追っていきます!

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