コンテンポラリーアイウエアブランド「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」による日本初の旗艦店オープン(3月14日、東京・青山)は、大きな反響を呼んだ。日本のファッション業界も韓国発ハイファッションの影響力を強烈に意識したはずだ。昨年から今年にかけて「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」ともコラボするなど、世界のファッションシーンでも存在感を高めている。一方、運営会社IICOMBINED(アイアイコンバインド)のキム・ハンコック(Kim Hankook)CEOはメディアに対してほとんど語ってこなかった。ここでは現地のジャーナリストの考察や関係者の話から、謎のベールに包まれたIICOMBINEDを解剖する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月29日&5月6日合併号から抜粋・加筆しています)
ISSUE:01
空間マーケティングと“予測不可能性”
「ジェントルモンスター」は、2011年にスタートし、現在グローバルで12以上のフラッグシップストアと3つの小型店を展開。15年に572億ウォン(日本円で約63億円)だった売上高は16年に1551億ウォン(同約170億円)、22年に4000億ウォン(同約440億円)まで拡大した。17年には、LVMH傘下の投資会社Lキャタルトンから700億ウォン(同約77億円)の投資を受けるなど、欧州ラグジュアリーからも注目される存在だ。
親会社のIICOMBINEDは、フレグランスブランド「タンバリンズ(TAMBURINS)」も運営する。だが公式ホームページを訪ねても、謎の幾何学アニメーションとともにごく限られた情報しか得られない。ここでは自らを「小売りビジネスにおいて根本的に異なるパラダイムを持つ革新的なグローバル企業」とし、「際立ったブランドストアの不足に失望している。これまでに見たことのない特別な小売り空間を作る」と表明する。
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