「アディダス(ADIDAS)」は、7月26日に開幕するパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、グローバルイベント「ザ ロード トゥ パリ(ADIDAS PRESENTS : THE ROAD TO PARIS)」を、パリで現地時間4月18日に開催した。
会場となった「アディダス・アリーナ(ADIDAS ARENA)」は、同大会におけるパリ市内唯一の新施設だ。アリーナはパリ18区ポルトドラシャペルに2月にオープンし、現在はプロバスケットチーム「パリス・バスケットボール」の本拠地としてや、さまざまなスポーツイベントで使用されている。大会中は、バドミントンや新体操などの競技会場となる予定だ。
イベントには、「アディダス」がパートナーシップを結ぶ世界16カ国のオリンピックおよびパラリンピック代表選手計75人が集結した。オープニングでは選手が一堂にステージに登場し、集まった世界各国のメディア約200組、総勢約500人から歓声と拍手が起こると、会場の熱気は最高潮に達した。日本からは、東京2020オリンピック・柔道金メダリストの阿部一二三選手と詩選手が参加。兄妹で「二人でまた金メダルを獲り、笑顔で日本に帰ります!」と大会への意気込みを語った。その後はビョルン・ガルデン(Bjorn Gulden)=アディダスCEOとの記念撮影や他国の選手との談笑を楽しんでいた。
五輪公式ウエアからフットウエアまで
炎が揺らめくデザイン
イベントのもう一つのハイライトが、各国代表のオフィシャルウエアと、18日から順次発売となるフットウエアコレクションの発表だ。披露したオリンピック公式ウエアはイギリス、ドイツ、ポーランド、アイルランド、トルコ、エチオピア、バーレーン、ハンガリー、キューバの9カ国で、パラリンピック公式ウエアはイギリス、ドイツ、ポーランド、アイルランド、トルコ、キューバの6カ国。
フットウエアコレクション“アディダス 2024 アスリート パック(adidas 2024 ATHLETE PACK)”は、「アディダス」史上最大規模となる全41競技・計49モデルを発表した。陸上競技やテニス、バスケットボールに加え、ブレイキンやスケートボードといった次世代スポーツまでが並び、全モデルをそろえたディスプレーは圧巻だった。同コレクションはアスリートのベストパフォーマンスを引き出すために開発しており、各競技の特性に合わせた機能性を備える。対してデザインには“炎の揺らめき”という共通したテーマを設けた。“炎”とは、競技で頂点を目指すアスリートらに共通した“スポーツへの情熱”だ。
この“炎の揺らめき”を、オレンジからピンクへとグラデーションするカラーで表現し、さまざまなデザインで落とし込んだ。公式ウエアには印象的なフォントやグラフィック、ライニングに施した。フットウエアには、黒のアッパーをベースに、ブランドの象徴である白いスリーストライプスをあしらい、アッパーまたはソール部分に“炎”をイメージしたグラデーションカラーを採用した。
「アディダス」は、創業者アディ・ダスラー(Adi Dassler)が1928年に初めて陸上シューズを大会用に提供して以来、アスリートと協働し、彼らの経験に真摯に向き合いながら開発を進め、専門知識を持ってその活躍を支えてきた。会場では、そういったブランドのヘリテージを年代順に紹介していたほか、50年代から最近までのアーカイブシューズも展示し、ブランドの歴史と革新性を改めて伝えていた。
ベン・ヘラス(Ben Herath)=デザイン バイスプレジデントはコレクションについて、「情熱にインスパイアされ、3年の歳月をかけて完成した」と述べた。さらに、創業者の功績をたたえ、デザインについての思いを明かした。「ダスラーは創業時に『オリンピックのために何か新しいことをしないなら、アディダスではない』と語った。彼が1924年に初めてオリンピック選手のための製品を作って以来、100年にわたり、この精神が私たちを突き動かしてきた。フットウエアコレクションは、アスリートの足元にオレンジとピンクの“炎”を照らし、彼らが動くたびに、一人一人の内に秘めた情熱を象徴する“炎の揺らめき”を見ることができる」。