今季多くのブランドが提案したのが、ウエストをシェイプした曲線的なテーラードジャケット、またはスーチングといったクラシカルなスタイルだ。サファリジャケットのディテールを落とし込んだり、生地をツイストさせたり、背中を露出したりと、デザインで変化を付けている。チェスターコートやステンカラーコート、ピーコートなど、アウターはメンズライクに着こなす一方で、インナーの装飾は控えめ、細いベルトやコルセット風のアクセサリーでウエストをマークしたアプローチが多い。クワイエット・ラグジュアリーの流れから素材を引き立てるグレーやキャメル、ブラック、ホワイト、バーガンディーといったシックなカラーが際立った。(この記事は「WWDJAPAN」2024年3月11日号からの抜粋です)
「プラダ(PRADA)」
自由に時をさかのぼる
「プラダ」流のロマンチシズム
ファーストルックのブラックドレスにあしらったキーモチーフのシルクリボンやテーラードジャケットの裾からのぞくスリップドレス、シルクのドレスにあしらったビクトリアン調の華やかな柄がロマンチックなムードを醸し出す。「プラダ」の今季のテーマは、「直感的なロマンス」。歴史のなかで人々が理屈なしに捉え、受け継いできたロマンスを異なるディテールやラインで表現した。ドレスの下には1950年代にパジャマとして着用されていたバミューダパンツを合わせ、バイカージャケットはビクトリアン調のコルセットのようなデザインを取り入れ、膝丈のスーツスカートはスラックス風にダブルの裾上げといった具合に、過去から着想を得たさまざまな要素を未来のファッション史へとつなげた。
「マックスマーラ(MAX MARA)」
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