「ボッテガ・ヴェネタ」は巧みなレザー使いで幻想的な旅にいざなう イントレチャートの無限の可能性を追求 - WWDJAPAN
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「ボッテガ・ヴェネタ」は巧みなレザー使いで幻想的な旅にいざなう イントレチャートの無限の可能性を追求

ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は9月23日(現地時間)に2024年春夏コレクションを発表した。マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=クリエイティブ・ディレクターは今季も、イントレチャートの表現力を核にしながら圧倒的な迫力のアートピースのようなコレクションを披露した。

テーマは「自由と希望に満ち溢れた旅」。コレクションノートには小説の「トム・ソーヤの冒険」の一節を綴った。少年が日常を飛び出て冒険の旅に出るストーリーに、前回までの「イタリア」三部作を終えて新たな出発点に立った「ボッテガ・ヴェネタ」を重ねた。マチューは、「かつての自分、なりたい自分、そして行きたい場所とのつながり。オデッセイ(長い冒険旅行)には外的なものと、内的なものとがあり、また現実のものもあれば、想像のものもある。変容と逃避の旅なのだ」とコメントする。

会場となったミラノ中心街から離れた巨大な倉庫には、ブルーのタイルを敷き詰めて海の生物たちを描いた内装を施した。ファーストルックは、1920年代のようなニットのワンピース水着とイントレチャートのカゴバッグ。リゾート地への旅の始まりかと思えば、続くルックは構築的なショルダーラインのテーラードスーツ。“現実”と“逃避”が錯綜し、マチューのイマジネーションが生み出す幻想的な旅路へと観客をいざなう。

進化が止まらないレザーのトロンプイユ

通勤服ルックのシャツやネクタイ、ロングコート、リゾートルックのモデルが手に持つバナナの葉を編み込んだようなカゴバッグもレザーで作り上げた。レザーの編み込みでウールツイードのヘリンボーンのように見せたり、一度編み込んだレザーに切り込みを入れてファーのような毛並みを再現したりとイントレチャートの技術を応用したトロンプイユはさらに進化している。持ち手部分がウッドに変わったアイコンの“サーディン”バッグは、マキシサイズで旅の心強い相棒に。世界中の新聞をレザーにプリントした”フーラード”バッグも登場した。

未来派の芸術家ウンベルト・ボッチョーニ(Umberto Boccioni)の彫刻に着想を得た立体的なワンピースは継続し、貝をモチーフにした曲線のワンピースや水のしぶきを表現したかのような躍動感のあるフリンジワンピースなどが幻想的な旅のムードを盛り上げる。マチューは、「動物、鉱物、植物といった原始的な世界と再びつながる必要がある。それは小さな奇跡や自然の脅威に宿る美しさと結びついている。自由な造形を受け入れること、つまり、コードのない衣服なのだ」という。さまざまな土地を旅した最後は、マチューの服をまとうモデルたち自身が海に生息する生き物のように変身し息を呑む美しさを放っていた。

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