メルセデス・ベンツやファレル、藤原ヒロシ参加の「モンクレール ジーニアス」 ロンドンでの新作発表イベントに1万人が来場 - WWDJAPAN
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メルセデス・ベンツやファレル、藤原ヒロシ参加の「モンクレール ジーニアス」 ロンドンでの新作発表イベントに1万人が来場

 「モンクレール」はロンドン・ファッション・ウイーク期間中の2月20日夜(現地時間)、多様なコラボレーションを核としたプロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS 以下、ジーニアス)」の大規模なイベントを開催した。19世紀に建てられ、今でも国際見本市などに使われているオリンピア ロンドンを会場に、セレブリティーやメディア、関係者に加え、事前登録した一般客も合わせて1万人を招待。一般客の入場には長い列ができ、巨大な会場内もごった返した。

 「ジーニアス」では、これまで「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)や「1017 ALYX 9SM(1017 アリックス)」のマシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)、「ハイク(HYKE)」の吉原秀明と大出由紀子、シモーン・ロシャ(Simone Rocha)ら多彩なファッションデザイナーと協業してきたが、2023年版の今回からプロジェクトのビジョンを刷新。「The Art of Genius(アート・オブ・ジーニアス)」と銘打ち、業界を超えた“共創”のためのプラットフォームとして、ファッションだけでなく、音楽やデザイン、エンターテインメント、スポーツなどの世界からコラボレーターを迎えた。

 続投メンバーは、藤原ヒロシ率いる「フラグメント(FRGMT)」と「モンクレール」のアートディレクターも務めるフランチェスコ・ラガッツィ(Francesco Ragazzi)による「パーム エンジェルス(PALM ANGELS)」のみ。過去に協業したことのあるミュージシャンのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)やアリシア・キーズ(Alicia Keys)から、メルセデス・ベンツ(MERCEDES-BENZ)、「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」、 スニーカーデザイナーのサレヘ・ベンバリー(Salehe Bembury)、ラッパーのジェイ・Z(Jay-Z)が設立したエンターテイメントエージェンシーのロック ネイション(ROC NATION)が新たに参加した。さらに、「ジーニアス」とは別にリック・オウエンス(Rick Owens)も新たなコラボコレクションを発表した。

 会場内には、アリシア以外のコラボレーターのプレゼンテーションスペースを設置。それぞれが「美学」を意味する「The Art of」から始まる異なるキーワードを基にしたインスタレーションを行った。一方、「The Art of Dreaming(夢見ることの美学)」を担うアリシアは、会場内のステージで壮大なライブパフォーマンスを披露。本人をはじめ、出演者が衣装としてコラボコレクションをまとった。

 「The Art of Imagination(想像の美学)」を掲げるメルセデス・ベンツは宇宙のようなセットを用意。カウントダウンが終わると、同メーカーの“Gクラス”とメタリックシルバーのダウンジャケットを融合したアート作品「プロジェクト モンド G(PROJECT MONDO G」が光の筒の中から出現し、観客の度肝を抜いた。ブリッタ・ゼーガー(Britta Seeger)=メルセデス・ベンツ・グループ取締役は、今回の協業について「新たな領域と機会の可能性を切り開くものであり、近々さらなるニュースがある」とコメント。自社のDNAと興味深いデザインパートナーのDNAを融合させ、 “創造的摩擦”を生み出すようなコラボレーションに取り組む機会を探しているという。

 一方、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・クリエイティブ・ディレクターに就任し話題を集めるファレルは、「The Art of Terrain(自然の特徴に基づく地域や地形の美学)」がコンセプト。「それは周りの世界を取り込み、美しいものを創り出すインスピレーションを得ること。自分自身を開放すれば、ほとんど全てのものにインスピレーションを見出すことができる」と語る。用意したのは、リアルな草を敷き詰めたグランピングに着想を得た空間。取り外しできるポケットや袖、ファスナーによってショートパンツに変えられるデザイン、ケープにもなるピクニックブランケットなど機能性がカギに、アウトドアや都会的な冒険のためのコレクションを提案した。

 プロジェクト発足時からずっと参加している唯一の“ジーニアス”である藤原による「フラグメント」のコンセプトは、「The Art of Love(愛の美学)」。千鳥格子や花のフォトプリントが施された新作を着たモデルたちがキュートな小型ロボットのラボット(LOVOT)と触れ合う様子を覗き見するような演出で、人間とロボットの感情のつながりを描いた。モデルがラボットを抱きかかえ、あやす姿には、思わず笑みがこぼれる。「コンセプト自体は『モンクレール』から与えられたもの。僕としてはラボットを使いたいと考えていて、そこから人間と機械の愛を表現する形に発展した」と藤原。「『The Art of Love』は、僕たちにとって身近なものであり、多様なものだ。たくさんの“愛”の形があり、他者への愛の示し方もさまざま。このインスタレーションが個性的な方法で世界に愛を広めることに貢献することを願っている」と話す。

 今回発表されたコレクションは、3月23日にローンチを予定するアリシアのコラボアイテムを皮切りに、年内に順次発売される予定だ。

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