「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は2月14日、ミュージシャンで起業家のファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)を新たなメンズ・クリエイティブ・ディレクターに任命した。2021年11月に急逝したヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の後任。6月のパリ・メンズ・ファッション・ウイークで初のコレクションを披露する予定だ。
ファレルは、音楽やアート、ファッションなど多彩なフィールドで活躍するとともに、クリエイティブな世界のさまざまな境界を打ち破り、グローバルなカルチャーアイコンになった。そんな彼が率いることにより、 「ルイ・ヴィトン」は“カルチュラル・メゾン(文化的なメゾン)”として地位を強化する。また、そのマルチな経歴は、「ルイ・ヴィトン」と自身のブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」での仕事と並行して、DJとして活動したり、アートや家具などのプロジェクトを手掛けたりしてきたヴァージルと似ている。事情通の関係者によると、ファレルは今後、3分の1の時間を同ブランドでの仕事に充てる見込みだという。
今回の人事は、2月1日付で着任したピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)会長兼最高経営責任者(CEO)にとって初めての大きな決断だ。声明の中で、ベッカーリ会長兼CEOは「04年と08年の『ルイ・ヴィトン』とのコラボレーションを経て、ファレルを新たなメンズ・クリエイティブ・ディレクターとして迎えられたことをうれしく思っている。ファッションの枠を超えた彼のクリエイティブなビジョンが、『ルイ・ヴィトン』を新たな飛躍へと導くことは間違いないだろう」と述べた。
なお、関係者によると、ファレルはブランドアンバサダーを務めていた「シャネル(CHANEL)」との契約は終了したが、14年から長期的なパートナーシップを結んでいる「アディダス(ADIDAS)」との契約は継続するようだ。また、2月20日にロンドンで発表される「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」のコラボレーターとしても、名を連ねている。