アイクリエイトが運営するコミュニティー「PLANNERS(プランナーズ)」は、2030年までに、ごみという概念がない社会の実現を目指す新プロジェクト「530ACTION(ごみゼロアクション)」を始動した。プロジェクト第一弾として、ハッシュタグチャリティー企画を5月31日まで実施中だ。ごみ拾いやマイボトル利用など“ごみゼロなアクション”の様子を、SNS(instagram、Twitter、Facebook、TikTok)にハッシュタグ #530ACTION”を付けて投稿をすると、1投稿あたり530円が自然保護団体・WWFジャパンに寄付される仕組みだ。
このキャンペーンには、Z世代を中心とした環境保護団体や学生団体を含む20以上の団体が参画し、環境問題や気候変動に対する具体的なアクションを発信している。そのうちの一つ、明治学院大学のボランティア団体MGClosetの学生を取材し、ファッションスナップを実施。「ごみ拾いこそ、気持ちのアガるファッションで楽しみたい」という、ポジティブで等身大な姿が見えてきた。
ドレスコードは動きやすくてアガる服
1 / 4
2年生の西山智陽さんのトップスは、お気に入りブランドの一つである「カラー(KOLOR)」。「スエットにデニムという、“どカジュアル”なアイテムにパールネックレスを合わせて全体を引き締めました」。ホワイトで爽やかにまとめた3年生の西村香野さん。スマイリーがキュートな「ガニー(GANNI)」のベストをポイントに。「『ガニー』の、ものづくりからビジネスまで一貫してエシカルな姿勢に共感しています」。
2年生のウィリアムス・アミーナさんは、ビンテージのミリタリーパンツを主役にコーディネート。軍手を着けた上にリングをはめて、ごみ拾いでも自分らしいオシャレを楽しんでいた。「ごみ拾いのファッション=“作業着”にはしたくないから、自分なりの工夫をしたいんです」。同じく2年生の志賀愛美さんのハッピー感溢れるトップスは、シンガポールブランド「オー・マイティー(OMAIGHTY)」のもの。「ショートカーディガンでヘルシーな肌見せをしつつも肩が動かしやすいから、ごみ拾いにもぴったり」。と笑顔を見せた。MGCloset代表の中村真希さんにも話を聞いた。
実際にアクションをすることの大切さ
エシカルファンションショーなど、洋服を通して現代に取り巻く社会問題について考え発信するMGClosetが、ごみ拾い活動を始めたきっかけについては、「これまで、ファッションと環境問題にまつわる情報発信や啓発活動はしてきたが、実際に具体的なアクションに移すきっかけがなかった。『530 ACTION』を知り、メンバーの賛同もあり、行動する良い機会だ!と、参加を決めた」という。「先日メンバーでビーチクリーンをしたところ、砂浜のごみの多さに驚いた。ほんの小さなことかもしれないが、目に見えて海辺が綺麗になっていくことや大勢でごみ拾いをすること自体も楽しかった」と話す。
また、「私たちの世代は特に、ファストファッションとは切り離せられないと思う。だからこそ、“どう付き合うか”が課題だと感じている。上の世代に比べると、SDGsなど環境への危機感は教育で学んではいる。その分、頭でっかちにならないように。直面している問題に向けてどう解決の方向に持っていくか、どのように行動していくかを考えていきたい」と意気込みを述べた。一方、大人世代に感じていることについて聞くと、「エシカルをテーマとした映画の試写会イベントでお会いしたある企業の方の言葉が印象的だった。その方は50〜60代の男性で、『僕らの世代は自分で知ろうとしないと、SDGsについて学ぶ機会がない』と。意識の高い一部の人が向き合う問題ではなく、全ての世代で前向きに考えられる発信の仕方を私たちも模索していきたいと感じている」と語った。
「530 ACTION」のクラウドファンディングもスタート
1 / 3
「530 ACTION」を運営する、粟田あやアイクリエイト代表は、「個人の力を巻き込んで大きな渦にしたい、というのが出発点。正直なところ、外国と比べて日本は寄付の習慣がさほど根付いていないかもしれない。だからこそ、老若男女問わず気軽にできるごみ拾いとSNSを掛け合わせることで、新たなムーブメントにしていきたい」と語った。1投稿につき530円の寄付という金額設定については、「こうした寄付の取り組みでは、10円から高くても100円ほどが多い印象。一過性のアクションではなく、意識を変えていくことがゴールだと考えている。だからこそ、“それだけ価値のある活動だ”ということを発信すべく、インパクトのある金額に設定をした。ビジネスの中心で動いている世代にも、Z世代の感性をつなげたい」。
個人や団体含めて、ハッシュタグ投稿のペースも数も順調に推移していることから、5月16日からクラウドファンディングによる寄附金追加の取り組みもスタートした。今後もさまざまな企画を通じ、長期的な活動として広げていく。