ファションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2020年4〜6月決算は商品取扱高(GMV)が前年同期比19.5%増の953億円、売上高が同19.4%増の336億円となった。前年の下期以降、これまでの高成長にやや陰りが出ていたものの、緊急事態宣言による店舗閉鎖で多くの出店テナントがEC販売を強化する中で、再び2ケタ以上の高い成長率へと戻した。澤田宏太朗社長兼CEOは「アパレル産業全体のデジタルシフトが進む中で、その波を先頭に立ってリードしていく」と語った。5月29日に出店した「ロエベ(LOEWE)」に加え「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「マルニ(MARNI)」といった高級ブランドの出店も相次いでおり、10月以降はインフルエンサーを起用したD2Cブランドの販売なども計画。4〜6月の勢いを年間を通して維持する考え。
営業利益は同33.9%増の104億円、経常利益は同37.5%増の104億円、純利益は同37.5%増の73億円だった。販管費率こそ同0.3ポイント悪化の22.9%だったものの、売上総利益率(商品取扱高比)を同1.0ポイントアップの33.9%とし、物流費や人件費の上昇をGMVの拡大で補った。
ただ、出店テナントの在庫消化のためのセール長期化により、出荷単価(AOV)は同11.7%ダウンの7409円と大幅に下落した。
新型コロナで非開示だった21年3月通期の見通しも公表し、GMVは前期比12.2%増の3873億円、売上高は同14.5%増の1437億円、営業利益は同41.6%増の395億円、経常利益は同42.9%増の395億円、純利益は同46.8%増の276億円を見込む。gmvの内訳は主力の「ゾゾタウン」が同7.2%増の3310億円、ペイペイモールで3.2倍の200億円、自社EC支援事業で同66.2%増の200億円になる。この数年開発を進めてきた広告事業も42億円の売り上げを見込む。