テトロドトキシン
分子式: | C11H17N3O8 |
その他の名称: | Tarichatoxin、Tetrodontoxin、テトロドキシン、テトロドントキシン、タリカトキシン、Maculotoxin、Spheroidine、スフェロイジン、マクロトキシン、フグ毒、テトロドトキシン、Fugu poison、TTX、Tetrodoxin、Tetrodotoxin、(4R,4aα,11S,12S)-Octahydro-12-(hydroxymethyl)-2-imino-5α,9α:7β,10aβ-dimethano-10aH-[1,3]dioxocino[6,5-d]pyrimidine-4α,7α,10β,11,12-pentol、(-)-テトロドトキシン、(-)-Tetrodotoxin、アラレガイトキシン、Araregai toxin、バビロニアジャポニカトキシン1、Babylonia japonica toxin 1、BJT-1 |
体系名: | (4R,4aα,11S,12S)-オクタヒドロ-12-(ヒドロキシメチル)-2-イミノ-5α,9α:7β,10aβ-ジメタノ-10aH-[1,3]ジオキソシノ[6,5-d]ピリミジン-4α,7α,10β,11,12-ペンタオール |
フグ毒 [Puffer toxin,tetrodotoxin]
フグの臓器、おもに肝臓や卵巣に含まれる有毒成分。フグ科の中でも有毒種と無毒種があるが、食用にされる天然フグはほとんどが有毒である。皮膚、腸、筋肉などが有毒な場合もあるが、血液はほとんど無毒とされている。毒成分はテトロドトキシン(tetrodotoxin: TTX)とその誘導体で、テトロドトキシンの遊離塩基は水、有機溶媒に難溶で、酸と塩をつくると水溶性になる。50%致死量はマウスでは0.6-8.5μg/kg(体重)である。フグ中毒による死亡は呼吸麻痺による。そのほか、筋肉弛緩、感覚麻痺、嘔吐、神経節遮断作用(血圧下降、腸管運動抑制)などの作用があり、これはこの毒が神経細胞のナトリウム・チャンネルを塞ぐからである。
テトロドトキシンとその誘導体はフグのほかにカリフォルニア・イモリ、コスタリカのカエル、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、スベスベ・マンジュウガニ、カブトガニ、マキガイ(ボウシュウボラ、バイ)、ヒトデ(トゲモミジガイ)など分類上かけ離れた生物にもみいだされており、その起源は謎が多い。最近の研究では、養殖フグが無毒であることから、毒性の起源が天然のフグの餌にあろうと考えられ、まず、ある種の石灰藻が疑われ、さらにその餌となるある種の細菌がフグ毒の起源であろうという考え方が定説になりつつある。フグ毒をつくる細菌としてはビブリオ属やアルテロモナス属の細菌が有力であるが、まだ詳しい毒化のメカニズムは謎である。
テトロドトキシンとその誘導体はフグのほかにカリフォルニア・イモリ、コスタリカのカエル、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、スベスベ・マンジュウガニ、カブトガニ、マキガイ(ボウシュウボラ、バイ)、ヒトデ(トゲモミジガイ)など分類上かけ離れた生物にもみいだされており、その起源は謎が多い。最近の研究では、養殖フグが無毒であることから、毒性の起源が天然のフグの餌にあろうと考えられ、まず、ある種の石灰藻が疑われ、さらにその餌となるある種の細菌がフグ毒の起源であろうという考え方が定説になりつつある。フグ毒をつくる細菌としてはビブリオ属やアルテロモナス属の細菌が有力であるが、まだ詳しい毒化のメカニズムは謎である。
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