RFIDタグにおけるプライバシー対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 00:31 UTC 版)
「プライバシーバイデザイン」の記事における「RFIDタグにおけるプライバシー対策」の解説
RFIDタグは、マイクロチップと小型無線アンテナで構成される「物」の識別に利用するバーコードの次世代の技術である。RFIDタグを製品に添付し、時間と場所の情報と共に製品に関する情報をマイクロチップに格納し、読み取り端末に固有の識別番号と格納情報を送信する。遠距離から迅速かつ簡単に読み取ることがでる。今では、製品在庫やサプライチェーンにおける物流管理のためになくてはならない技術となっている。しかし、RFIDタグの最大のメリットである非接触認証という特性は、プライバシー保護という観点からすれば、気づかれないうちに購入した商品あるいは個人情報を読み取られる可能性があるのではないかという懸念がある。例えば、RFIDタグが付いている服を着て街を歩けば、ブランド、素材、価格等の購入製品情報が周りに判ってしまう。所持品にRFIDタグを付けることで、所持品が紛失した場合は所在を調べるのに役立つが、監視やプロファイリング、差別に利用される可能性があり、利用者からの信頼、情報の利用用途等に問題がある。また、RFIDタグの「情報漏洩」や「不要な監視」の問題の解決方法は提案されているが、技術面や使い勝手、コスト面において確立されたものは少ない。解決方法の一例として単純にデータの削除、または販売時点でタグを破棄する方法が挙げられる。しかし、デメリットとして、タグの返り値によるこれら製品の補充やリコール製品の確認、製品サービス範囲の継続的保証のための情報、廃棄物処理やリサイクル製品を識別する機能等を活用できないというトレードオフの関係がある。 カナダのオンタリオ州では、運転免許証に市民情報を付加し、米国との入国管理手続きの簡素化に利用している。免許証には、市民情報、OCR情報、RIDチップが埋め込まれている。RFIDチップは、米国の国境で、旅行者の処理を容易にするためにRFIDの技術を使用、OCRゾーンでは、RFIDチップのバックアップとして利用できる。RFIDチップのアクセスは、スリーブからRIDカードを取り出した時のみ許可される事になっている。これらの方法で許可されていない者に対し情報を開示しないというセキュリティの確保とプライバシー保護を両立している。 その他のPrivacy by Design適用事例を表に示す。
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