JAXAとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 08:39 UTC 版)
情報収集衛星の開発や運用に関する費用は、内閣官房の予算で賄われている。しかし、実際には宇宙開発予算を削減して流用しているという意見がある。 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の2007年(平成19年)度予算は2276億円だが、このうち432億円は内閣官房から情報収集衛星の費用として支出された受託収入である。一方、JAXAの前身となった3機関の予算を合計すると2200億円程度であり、JAXAが情報収集衛星以外に使用できる予算は1800億円程度に減少していることになる。すなわち、年間400億円の情報収集衛星予算は、結局のところ宇宙開発予算の中から捻出されていると考えることもできる。 「宇宙航空研究開発機構#予算と人員規模から見る比較」も参照 一方、常時4機の衛星を運用し、継続して年間1機程度打ち上げられる情報収集衛星シリーズは、日本のロケットにとって最大の「顧客」でもある。当初はH-IIAロケットにレーダー衛星と光学衛星を同時搭載していたが、H-IIAロケット6号機の失敗以後は1機ずつ打ち上げることになったため、使用するロケットも倍増しており、打ち上げ回数の増加に貢献している。 詳細は「H-IIAロケット#打ち上げ実績」および「宇宙航空研究開発機構#宇宙機の打ち上げ」を参照 なお多くのロケット運用国において、軍事衛星はロケットの需要を支える「上客」であるばかりか、軍事衛星の自主的整備こそが、宇宙開発の目的のひとつとなっている。これに対して日本は、宇宙基本法成立までは、宇宙平和利用原則に縛られて軍事衛星を保有せず、純粋に科学目的だけで大型ロケットを実用化してきた点から、ロケット運用国としては、むしろ特殊であったとも言える。
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