飛行艇の黄金時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 23:15 UTC 版)
1930年代は飛行艇の黄金時代であった。 この時代の大型機の主役は飛行艇であった。その理由は、大型機を滑走路で運用する際の着陸の衝撃に耐えうる強度を持つ降着装置(脚、緩衝装置、フロート、タイヤ)が製造できなかったこと、および機体の大型化に複数の降着装置で対処する発想がなかったことによる。飛行艇であれば、着水時の衝撃は機体底部の全面で受け止めることができ、降着装置の未発達を補うことができた。 パンアメリカン航空は、南米路線にシコルスキー S-42、太平洋路線にマーチン M130チャイナクリッパー、大西洋路線にボーイング314といういずれも4発の大型飛行艇を就航させ、豪華で快適な空の旅を提供した。 イギリスはショート・エンパイア飛行艇(初飛行1936年)を使用し、本国からエジプトを経由してアフリカやインド、香港までの路線を開設し、『日の沈むことが無い大英帝国』をカバーした。 日本でも九七式飛行艇を民間用に転用し、当時の委任統治領であったサイパン島などへの航空路に使用した。 各国海軍も飛行艇の利点に着目し、連絡・偵察・哨戒・救難・爆撃などの目的で単発から6発の各種の飛行艇を装備し、これらが第二次世界大戦にも多数使用された。
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