非ヘブライ語系言語へのヘブライ文字の適用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 18:59 UTC 版)
「ヘブライ文字」の記事における「非ヘブライ語系言語へのヘブライ文字の適用」の解説
離散ユダヤ人はヘブライ語とアラム語だけでなく、各地でさまざまな言語を使用したが、とくに重要なものにイディッシュ語、ラディーノ語、ユダヤ・アラビア語群があり、いずれもヘブライ文字による表記が行われた。それぞれの言語を表記するために文字体系が拡張されている。 イディッシュ語は12世紀以来ヘブライ文字で書かれたが、正書法が統一されることはなく、さまざまな異なる綴り方が存在する。ヘブライ語・アラム語に由来する語は伝統的なつづり字を採用し、ドイツ語系の単語はドイツ語正書法に1対1で対応するように綴る「語源的」な綴り方と、実際のイディッシュ語の発音を反映した「形態音韻論的」な綴り方の対立がある。1936年に制定されて翌年出版されたYIVO(イディッシュ科学院)方式がおそらく最もよく使われている。YIVO方式は破裂音を表すダゲシュ、摩擦音を表すラフェ、スィンの点、および母音の読みを一意に区別するための記号を使用している。 イディッシュ語にあってヘブライ語にない子音は、摩擦音を表すラフェ記号を使ったり、二重音字によって表した。 子音tʃ ʒ f v 表記טש זש פֿ וו, בֿ YIVO方式では準母音とニクードを組み合わせ、母音を完全に表記する。 母音a o i u e ey ay oy 語中אַ אָ י ו ע יי ײַ וי 語頭אַ אָ אי או ע איי אײַ אוי あいまいさを生じる可能性のある場合は点で区別される。例:וווּ vu, ייִ yi, ויִ ui など。
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