零空間との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 15:06 UTC 版)
行列 A の零空間は、Ax = 0 が成立するようなすべてのベクトル x の集合として与えられる。行列 A とベクトル x の積は、ベクトルのドット積を用いて次のように書くことが出来る: A x = [ r 1 ⋅ x r 2 ⋅ x ⋮ r m ⋅ x ] {\displaystyle A\mathbf {x} ={\begin{bmatrix}\mathbf {r} _{1}\cdot \mathbf {x} \\\mathbf {r} _{2}\cdot \mathbf {x} \\\vdots \\\mathbf {r} _{m}\cdot \mathbf {x} \end{bmatrix}}} ここで r1, ... , rm は A の行ベクトルである。したがって、Ax = 0 が成立するための必要十分条件は、x が A の各行ベクトルと直交することであることが分かる。 A の零空間は、A の行空間の直交補空間であることが従う。例えば、三次元において、行空間が原点を通る平面であるなら、零空間は原点を通る垂線となる。このことは、階数・退化次数の定理の証明を与える(上節次元を参照)。 行空間と零空間は、行列 A に関わる四つの基本部分空間の内の二つである(残りの二つは、列空間と左零空間である)。
※この「零空間との関係」の解説は、「行空間」の解説の一部です。
「零空間との関係」を含む「行空間」の記事については、「行空間」の概要を参照ください。
- 零空間との関係のページへのリンク