降下する性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 07:49 UTC 版)
X の点 x で f が平坦とする。X が x で被約または正規なら、Y も f (x) でそれぞれ被約または正規である。逆に、f がさらに有限表示で f −1(y) が x で被約または正規なら、X も x でそれぞれ被約または正規である。 特に、f が忠実平坦で X が被約または正規であれば、Y はそれぞれ被約または正規である。f が忠実平坦かつ有限表示であれば、f のすべてのファイバーが被約または正規であることは X がそれぞれ被約または正規であることを意味する。 f が X の点 x で平坦とする。このとき、X が x で整または整閉であれば、Y も f (x) でそれぞれ整または整閉である。 f が忠実平坦とする。X が局所的に整で Y の基礎位相空間が局所ネーターならば、Y も局所的に整である。 f が忠実平坦かつ準コンパクトとする。X が局所ネーターなら、Y も局所ネーターである。 f が平坦かつ X と Y がともに局所ネーターとする。X が x で正則なら、Y も f (x) で正則である。逆に、Y が f (x) で正則で、f −1(f (x)) が x で正則なら、X も x で正則である。 f が平坦かつ X と Y がともに局所ネーターとする。X が x で正規なら、Y も f (x) で正規である。逆に、Y が f (x) で正規で、f −1(f (x)) が x で正規なら、X も x で正規である。 g : Y ′ → Y を忠実平坦な射とする。Fを Y 上の準連接層とし、F ′ をF の Y ′ への引き戻しとする。このとき、F がY 上平坦であることとF ′ がY ′ 上平坦であることは同値である。 f が忠実平坦かつ準コンパクトとする。G をY 上の準連接層、F をこのX への引き戻しとする。このとき、F が有限型、有限表示、階数 n で局所自由となることと、Gが対応する性質を持つことは同値である。 f : X → Y をS スキームの S 射とする。g : S ′ → Sを忠実平坦かつ準コンパクトな射とし、X ′,Y ′,f ′ をg による基底変換とする。このとき、次に挙げる各性質 P に対して、f ′ が性質 P を持てばf も性質 P を持つ。 開 閉 準コンパクトかつその像の上への同相写像 同相写像 さらに、次に挙げる各性質 P に対して、fが性質 P を持つこととf ′が性質 P を持つことは同値である。 普遍的開 普遍的閉 普遍的同相写像(universal homeomorphism) 準コンパクト 準コンパクトかつ支配的 準コンパクトかつ普遍的共連続(universally bicontinuous) 分離的 準分離的 局所有限型 局所的に有限表示 有限型 有限表示 固有 同型 単射 開埋入 準コンパクトな埋入 閉埋入 アフィン 準アフィン 有限 準有限 整 忠実平坦射で降下しない性質もある。例えば、「局所同型」という性質は、f ′ が局所同型写像であっても f が局所埋入ですらないということはあり得るので、降下しない。 f が準コンパクト、L を X 上の可逆層とする。このとき、L がf 豊富または f 非常に豊富であることと、その引き戻しL′がそれぞれ f ′ 豊富またはf ′ 非常に豊富であることは同値である。しかし、「f が射影的であることとf ′ が射影的であることは同値」という主張は成り立たない。また、「fが固有かつ f ′ が射影的なら f は準射影的」という主張も成り立たない。これは、Xに降下しない X ′ 上の f ′ 豊富層が存在し得るからである。
※この「降下する性質」の解説は、「平坦射」の解説の一部です。
「降下する性質」を含む「平坦射」の記事については、「平坦射」の概要を参照ください。
- 降下する性質のページへのリンク